ティム・バートン

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ティム・バートン
Tim Burton
Tim Burton
本名 Timothy Walter Burton
生年月日 (1958-08-25) 1958年8月25日(65歳)
出生地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
カリフォルニア州バーバンク
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
職業 映画監督
演出家
プロデューサー
アニメーター
絵本作家
ジャンル 映画
活動期間 1979年 -
主な作品
監督
ピーウィーの大冒険
ビートルジュース
バットマン』シリーズ
シザーハンズ
エド・ウッド
マーズ・アタック!
スリーピー・ホロウ
ビッグ・フィッシュ
チャーリーとチョコレート工場
スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師
アリス・イン・ワンダーランド
ダーク・シャドウ
フランケンウィニー
ビッグ・アイズ
ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち
ダンボ
製作
ナイトメアー・ビフォア・クリスマス
バットマン フォーエヴァー
ジャイアント・ピーチ
リンカーン/秘密の書
アリス・イン・ワンダーランド/時間の旅
 
受賞
ヴェネツィア国際映画祭
栄誉金獅子賞
2007年
東京国際映画祭
特別賞
2014年
ニューヨーク映画批評家協会賞
アニメ映画賞
2012年フランケンウィニー
ロサンゼルス映画批評家協会賞
アニメ映画賞
2012年フランケンウィニー
その他の賞
ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞
アニメ映画賞

2005年ティム・バートンのコープスブライド
備考
第63回カンヌ国際映画祭 審査委員長(2010年)
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ティム・バートンTim Burton、本名: Timothy Walter Burton、1958年8月25日 - )は、アメリカ合衆国映画監督映画プロデューサー脚本家芸術家、元アニメーター。現在はイギリスロンドン在住。

ディズニーアニメーターとして『トロン』などに参加後、実写短編『フランケンウィニー』を演出、1985年に『ピーウィーの大冒険』で長編映画デビューした。

来歴[編集]

映画人として[編集]

影響[編集]

少年期はエドガー・アラン・ポー作品を原作とする映画に主演するヴィンセント・プライスに熱中していた。

ストップモーション・アニメーションの第一人者であるレイ・ハリーハウゼンに多大な影響を受けており、作品からもそれを伺うことができる。『ティム・バートンのコープスブライド』を製作する際には、製作チームとともにハリーハウゼンに会いに行っている。

ティム・バートンの盟友であるヘンリー・セリックはバートンの映画の作風について「ドクター・スースドイツ表現主義映画の融合体」と表現している[6]

ゴジラ[編集]

少年期はゴジラ映画の役者になりたかったとも語っている[要出典]

熱烈なゴジラファンとして有名で、1992年には、映画『ゴジラvsモスラ』の制作現場を見学したことがある[7][8]。この時に「ゴジラの生みの親」田中友幸、特技監督の川北紘一と会見している。その後、1994年にも『ゴジラvsスペースゴジラ』の撮影現場を見学している[8]

それ以前にも、デビュー作である『ピーウィーの大冒険』にゴジラキングギドラを登場させたり[7][8]、『シザーハンズ』では主人公・エドワードが植木をゴジラと思われる形に整えたり、1997年に自身が製作した『マーズ・アタック』にゴジラを登場させたりした[注釈 1]。また同作のクライマックスも、ゴジラシリーズ第6作『怪獣大戦争』を基にしていると本人は語っている[要出典]

配役[編集]

バートンが監督した映画のキャスト(脇役も含む)には、コメディアンや元コメディアンを起用することが多い。またバートン映画に起用される前に何らかのホラー映画SF映画ファンタジーに出演した俳優が多い。バートンが監督した映画、テレビの音楽の多くはダニー・エルフマンが担当している。

ジョニー・デップとのコラボ作が『シザーハンズ』『チャーリーとチョコレート工場』『アリス・イン・ワンダーランド』『ダーク・シャドウ』ほか8作と数多い。それに次いで2012年現在バートンのパートナーであるヘレナ・ボナム=カーターが7作と多い。

カメオ出演[編集]

キャメロン・クロウ監督の『シングルス』や、『バットマン・リターンズ』にペンギン役で出演したダニー・デヴィートが監督をした『ホッファ』などに役者としてカメオ出演している。

人物[編集]

ウォルト・ディズニー・スタジオに雇われていたころは、クローゼットの中に座り込んで出て来なくなったり、机の上に座ったり机の下に潜り込んだりといった奇行を繰り返す問題児であった[9]。無口で人づきあいが苦手で、同僚たちからは口がきけないとしばらく思われていた[10]

バートンはドイツ生まれのアーティスト、レナ・ギーゼケと結婚するが、彼らの結婚は4年後の1991年に破局。その後、モデルで女優のリサ・マリーと一緒に暮らし始め、彼女は1992年から2001年までの関係の中で彼が作った映画、「エド・ウッド」と「マーズ・アタック」にも出演した。しかしバートンは、『PLANET OF THE APES/猿の惑星』の撮影中に出会ったイギリスの女優、ヘレナ・ボナム=カーターと恋愛関係になり、リサ・マリーは非常に落胆し、2005年に、バートンが残した個人的な持ち物をオークションで売り払った。バートンとヘレナ・ボナム=カーターの間には2人の子供がいる。2003年に産まれた息子のビリー・レイモンドは、ヘレナ・ボナム=カーターーの父親にちなんで名付けられた。 2007年に、娘のネルが産まれる。2014年12月に、ヘレナ・ボナム=カーターのスポークスマンは彼女とバートンがその年の初めに「友好的に別れた」と言った。彼らが結婚していたかどうかは不明。ヘレナ・ボナム=カーターは、彼らの関係の終わりを議論するときに「離婚」という言葉を使用したが、他の報道機関は結婚したことがないと述べている[11]

が大好きで、デビュー作からの犬の主演やディズニー時代には犬のキャラクターに対する滑らかな動きの描写からも窺える。

生成AIに対してかなり厳しい姿勢を示している。「AIがやることは、人々から何かを吸い取るようなことです」「魂や精神から何かを取っていくんです。非常に不穏な感じがします。特に、それが自分に関係のあるものであったら。AIは人間性や魂を奪うロボットのようです」と言っている[12]

日本との関係[編集]

バットマン・リターンズ』の宣伝で初来日して以来、映画の宣伝のために何度も来日しており、多くのテレビ番組にゲスト出演している。2006年に来日した際には、デジタルハリウッドの東京本校で、『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス ディズニーデジタル3-D』の公開を記念しての特別講義が開催された。

またバートンは日本の歌手デュオ黒色すみれのファンであり、来日時には必ず会いに行くという。 さらにヴィジュアル系ロックバンドDのファンであり、メンバーを「スペース・ヴァンパイア」と称する。プライベートパーティーにメンバーを招待するなど、親交を深めている。

宮﨑駿金熊賞を取った際、「ずっと手描きを続けていることに驚愕する」とコメントしている[13]

作品リスト[編集]

映画[編集]

監督[編集]

製作[編集]

出演[編集]

  • シングルス Singles(1992年)カメオ出演
  • ホッファ Hoffa(1992年)カメオ出演
  • マリオ・バーヴァ 地獄の舞踏 Mario Bava: Maestro of the Macabre(2000年)テレビ映画、出演

テレビ[編集]

そのほか[編集]

  • ノーム・イン・ザ・ガーデン Gnome in the Garden(1998年)テレビコマーシャル、監督
  • TIMEX TIMEX(2000年)テレビコマーシャル、監督
  • ステインボーイ The World of Stainboy(2000年)Webアニメーション、脚本/監督
  • ザ・キラーズ/「BONES」 BONES(2006年)ミュージック・ビデオ、監督

アニメーター時代[編集]

  • マペットの夢みるハリウッド The Muppet Movie(1979年)マペット・パフォーマー(クレジットなし)
  • きつねと猟犬 The Fox and the Hound(1981年)アニメーター(クレジットなし)
  • トロン Tron(1982年)アニメーター(クレジットなし)
  • コルドロン The Black Cauldron(1985年)コンセプチュアル・アーティスト(クレジットなし)
  • トイズ Toys(1992年)コンセプチュアル・アーティスト(クレジットなし)

著作[編集]

  • 絵本『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』(ビリケン出版、新版1999年 ISBN 978-4939029066
  • 絵本『オイスターボーイの憂鬱な死』(狩野綾子・津田留美子訳、アップリンク、1997年 ISBN 978-4309902913
  • 画集『ティム・バートンの世界 The Art of Tim Burton』(2010年)
  • 画集『ナプキンアート・オブ・ティム・バートン』(2015年)

関連出版[編集]

  • 『ティム・バートン[映画作家が自身を語る]』(マーク・ソールズベリー編、遠山純生訳、フィルムアート社、1996年、改訂版2011年 ISBN 978-4-8459-1172-1
  • 『ティム・バートンの不思議な世界』(洋泉社ムック、2010年 ISBN 978-4862485595
  • イアン・ネイサン『ティム・バートン 鬼才と呼ばれる映画監督の名作と奇妙な物語』(富永和子・富永晶子訳、玄光社、2019年 ISBN 9784768309735

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 映像は1989年に製作された『ゴジラvsビオランテ』のものを流用している[8]
  2. ^ 自身の短編映画『フランケンウィニー』(1984年)のリメイク。

出典[編集]

  1. ^ ティム・バートン監督、史上最年少で特別金獅子生涯功労賞受賞、プレゼンターはジョニー・デップ!
  2. ^ ティム・バートン監督が第63回カンヌ国際映画祭審査委員長に!
  3. ^ 画集『ティム・バートンの世界』が一般発売 - 1000点以上のアート作品、430ページの濃密な内容
  4. ^ 【ティム・バートン】画集「ナプキンアート・オブ・ティム・バートン」&「ティム・バートンの世界」
  5. ^ 【Tim Burton】画集「ナプキンアート・オブ・ティム・バートン」<ヴィレヴァン限定>
  6. ^ 『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』コレクターズ・エディション(デジタルリマスター版)ボーナス・コンテンツ「メイキング・オブ “ナイトメアー・ビフォア・クリスマス”」より
  7. ^ a b 「ゴジラ映画を100倍楽しむ100のカタログ 60 外国映画人のゴジラマニアたち」『ENCYCLOPEDIA OF GODZILLA ゴジラ大百科 新モスラ編』監修 田中友幸、責任編集 川北紘一、Gakken〈Gakken MOOK〉、1992年12月10日、141頁。 
  8. ^ a b c d 「ゴジラVSビオランテ特殊コラム作戦室」『ゴジラVSビオランテ コンプリーション』ホビージャパン、2015年12月16日、161頁。ISBN 978-4-7986-1137-2 
  9. ^ STELLA CINEMA 特集 :ルーツは怪奇映画?ティム・バートンとその表現 「カルトでメジャーな異能の映画監督ティム・バートン」
  10. ^ 日本テレビ『ZIP』インタビュー 2012年12月12日[出典無効]
  11. ^ Chiu, Melody (2014年12月23日). “Helena Bonham Carter and Tim Burton Split”. People. https://people.com/celebrity/helena-bonham-carter-and-tim-burton-split/ 2014年12月23日閲覧。 
  12. ^ https://jp.ign.com/entertainment/70415/news/ai
  13. ^ 宮﨑駿『折り返し点』p.378
  14. ^ "ヒッチコック劇場" The Jar (TV Episode 1986) - IMDb” (英語). IMDb. 2023年12月15日閲覧。

外部リンク[編集]