ジャン・ウェイリー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ジャン・ウェイリー
基本情報
本名 ジャン・ウェイリー
(张伟丽)
通称 マグナム (Magnum)
国籍 中華人民共和国の旗 中華人民共和国
生年月日 (1989-08-13) 1989年8月13日(34歳)
出身地 中華人民共和国の旗 中華人民共和国
河北省邯鄲市
所属 ブラック・タイガー・ファイト・クラブ
ファイト・レディー
身長 163cm
体重 52kg
リーチ 160cm
階級 ストロー級
バックボーン 散打
少林拳
シュアイジャオ
キックボクシング
ブラジリアン柔術 (茶帯)
総合格闘技戦績
総試合数 28
勝ち 25
KO勝ち 11
一本勝ち 8
判定勝ち 6
敗け 3
テンプレートを表示

ジャン・ウェイリー(張 偉麗、ちょう いれい、簡体字:张伟丽ラテン文字転写:Zhang Weili、1989年8月13日 - )は、中国女性総合格闘家河北省出身。現UFC世界女子ストロー級王者。UFC女子パウンド・フォー・パウンド・ランキング2位アジア人史上初のUFC世界王者。

来歴[編集]

幼い頃にカンフー映画を見て中国武術の少林拳を始め、12歳の時に武術専門学校で散打シュアイジャオを始めた。

フィットネスインストラクターとして働いていたジムでブラジリアン柔術のクラスを見て、ブラジリアン柔術を始めた。その後、ジムで知り合った格闘家の紹介で総合格闘技を始め、2013年にUFC 157ロンダ・ラウジーリズ・カムーシュのUFC世界女子バンタム級タイトルマッチを観て衝撃を受け、仕事を辞めて総合格闘技に専念した[1]

総合格闘技[編集]

2013年、プロ総合格闘技デビュー。

RIZIN[編集]

2018年2月、16勝1敗でRIZINと契約。村田夏南子との対戦が発表された[2]

2018年5月6日に開催されるRIZIN.10村田夏南子と対戦することが発表されていたが、練習中の怪我で「左肩靭帯損傷」全治1か月という診断を受け、試合の数日前にドクターストップにより欠場となった[3]

UFC[編集]

2018年8月4日、UFCデビュー戦となったUFC 227でダニエル・テイラーと対戦し、3-0の判定勝ち。

2019年3月2日、UFC 235で女子ストロー級ランキング7位のティーシャ・トーレスと対戦し、3-0の判定勝ち。

UFC世界王座獲得[編集]

2019年8月31日、UFC Fight Night: Andrade vs. ZhangのUFC世界女子ストロー級タイトルマッチで王者のジェシカ・アンドラージに挑戦。前進したアンドラージにカウンターの右ストレートをヒットさせると、ぐらついたアンドラージに膝蹴りとパンチ連打で追撃して開始42秒のTKO勝ち。中国人史上初となるUFC王座獲得に成功し、パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞した。

2020年3月7日、UFC 248のUFC世界女子ストロー級タイトルマッチでストロー級ランキング4位の元UFC世界ストロー級王者ヨアナ・イェンジェイチックと対戦し、一進一退の激しい打撃戦を繰り広げ、僅差で2-1(47-48、48-47、48-47)の5R判定勝ち。王座の初防衛に成功し、ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した。また、この試合は同年のUFC ファイト・オブ・ザ・イヤーを受賞した。

2021年4月24日、UFC 261のUFC世界女子ストロー級タイトルマッチでストロー級ランキング1位の挑戦者ローズ・ナマユナスと対戦し、左ハイキックでダウンを奪われパウンドで1RKO負け。王座から陥落し、プロデビュー戦以来となる約7年半ぶりの敗戦を喫した。

2021年11月6日、UFC 268のUFC世界女子ストロー級タイトルマッチで王者ローズ・ナマユナスにダイレクトリマッチで挑戦し、1-2の5R判定負け。王座奪還に失敗した。

2022年6月12日、UFC 275ヨアナ・イェンジェイチックと約2年3か月ぶりに再戦し、右バックハンドブローで2RKO勝ち。パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞した[4]

UFC世界王座再獲得[編集]

2022年11月12日、UFC 281のUFC世界女子ストロー級タイトルマッチで王者カーラ・エスパルザに挑戦し、リアネイキドチョークで2R一本勝ち。王座再獲得に成功し、パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞した[5]

2023年8月19日、UFC 292のUFC世界女子ストロー級タイトルマッチで女子ストロー級ランキング5位のアマンダ・レモスと対戦し、3-0の5R判定勝ち。王座の初防衛に成功し、パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞した[6]

2024年4月13日、UFC 300のUFC世界ストロー級タイトルマッチでストロー級ランキング1位の挑戦者ヤン・シャオナンと対戦。パンチで2度ダウンを奪われるも、グラウンドで終始圧倒し3-0の5R判定勝ち。2度目の王座防衛に成功した。この試合はUFCのタイトルマッチ史上初となる中国人同士の対戦であった[7]

戦績[編集]

総合格闘技 戦績
28 試合 (T)KO 一本 判定 その他 引き分け 無効試合
25 11 8 6 0 0 0
3 1 0 2 0
勝敗 対戦相手 試合結果 大会名 開催年月日
ヤン・シャオナン 5分5R終了 判定3-0 UFC 300: Pereira vs. Hill
【UFC世界女子ストロー級タイトルマッチ】
2024年4月13日
アマンダ・レモス 5分5R終了 判定3-0 UFC 292: Sterling vs. O'Malley
【UFC世界女子ストロー級タイトルマッチ】
2023年8月19日
カーラ・エスパルザ 2R 1:05 リアネイキドチョーク UFC 281: Adesanya vs. Pereira
【UFC世界女子ストロー級タイトルマッチ】
2022年11月12日
ヨアナ・イェンジェイチック 2R 2:28 KO(右バックハンドブロー) UFC 275: Teixeira vs. Procházka 2022年6月12日
× ローズ・ナマユナス 5分5R終了 判定1-2 UFC 268: Usman vs. Covington 2
【UFC世界女子ストロー級タイトルマッチ】
2021年11月6日
× ローズ・ナマユナス 1R 1:18 KO(左ハイキック→パウンド) UFC 261: Usman vs. Masvidal 2
【UFC世界女子ストロー級タイトルマッチ】
2021年4月24日
ヨアナ・イェンジェイチック 5分5R終了 判定2-1 UFC 248: Adesanya vs. Romero
【UFC世界女子ストロー級タイトルマッチ】
2020年3月7日
ジェシカ・アンドラージ 1R 0:42 TKO(パウンド) UFC Fight Night: Andrade vs. Zhang
【UFC世界女子ストロー級タイトルマッチ】
2019年8月31日
ティーシャ・トーレス 5分3R終了 判定3-0 UFC 235: Jones vs. Smith 2019年3月2日
ジェシカ・アギラー 1R 3:41 腕ひしぎ十字固め UFC Fight Night: Blaydes vs. Ngannou 2 2018年11月24日
ダニエル・テイラー 5分3R終了 判定3-0 UFC 227: Dillashaw vs. Garbrandt 2 2018年8月4日
ビアンカ・サテマイヤー 1R 3:29 腕ひしぎ十字固め Kunlun Fight MMA 15 2017年10月3日
マリリア・サントス 2R 3:20 TKO(グラウンドでの肘打ち) Kunlun Fight MMA 14 2017年8月28日
ソ・イェダム 2R 1:35 TKO Top FC 15 2017年7月22日
アリニー・サテマイヤー 5分3R終了 判定3-0 Kunlun Fight MMA 12 2017年6月1日
シモーネ・ドゥアルテ 1R 2:29 TKO Kunlun Fight MMA 11 2017年5月4日
ナヤラ・ヘミリー 1R 0:41 ギロチンチョーク Kunlun Fight MMA 9 2017年2月25日
ベロニカ・グレノー 1R 1:50 TKO(ボディーへの右膝蹴り) Kunlun Fight MMA 8 2017年1月2日
カーラ・ベニテス 1R 2:15 KO(右フック) Kunlun Fight MMA 7 2016年12月15日
マリア・マザール 1R 4:11 リアネイキドチョーク Kunlun Fight 53 2016年9月24日
藤野恵実 2R 2:51 TKO(レフェリーストップ) Kunlun Fight 49 2016年8月7日
リリヤ・カザック 2R 4:13 KO(右ハイキック) Kunlun Fight 47 2016年7月10日
アリス・アルデレアーン 2R 4:41 リアネイキドチョーク Kunlun Fight MMA 5 / Top FC 11 2016年5月22日
スヴェトラーナ・ゴシック 2R 2:29 TKO(パウンド) Kunlun Fight 38 / Super Muaythai 2016 2016年2月21日
サマンサ・ジャン・フランソア 1R 3:37 TKO(パウンド) Kunlun Fight 35 2015年12月19日
ホアン・メイ 1R 0:40 リアネイキドチョーク Chinese Kung Fu Championships 2014年10月27日
ウー・シャクシア 1R 1:56 腕ひしぎ十字固め Chinese Kung Fu Championships 2014年4月17日
× ボー・メン 5分2R終了 判定0-3 China MMA League 2013年11月9日

獲得タイトル[編集]

表彰[編集]

  • UFC
    • UFC ファイト・オブ・ザ・ナイト(1回)
    • UFC パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト(4回)
    • UFC ファイト・オブ・ザ・イヤー(2020年/ヨアナ・イェンジェイチック戦)
  • ESPN
    • フィーメイル・ファイター・オブ・ザ・イヤー(2022年)
  • World MMA Awards
    • ファイト・オブ・ザ・イヤー(2020年/ヨアナ・イェンジェイチック戦)
  • MMA Fighting
    • ファイト・オブ・ザ・イヤー(2020年/ヨアナ・イェンジェイチック戦)
  • MMAJunkie
    • ファイト・オブ・ザ・イヤー(2020年/ヨアナ・イェンジェイチック戦)
    • フィーメイル・ファイター・オブ・ザ・イヤー(2022年)
  • Bleacher Report
    • ファイト・オブ・ザ・イヤー(2020年/ヨアナ・イェンジェイチック戦)
  • Sherdog
    • ファイト・オブ・ザ・イヤー(2020年/ヨアナ・イェンジェイチック戦)
  • BT Sport
    • ファイト・オブ・ザ・イヤー(2020年/ヨアナ・イェンジェイチック戦)
    • フィーメイル・ファイター・オブ・ザ・イヤー(2022年)

脚注[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

前王者
ジェシカ・アンドラージ
第5代UFC世界女子ストロー級王者

2019年8月31日 - 2021年4月24日

次王者
ローズ・ナマユナス
前王者
カーラ・エスパルザ
第8代UFC世界女子ストロー級王者

2019年8月31日 - 2021年4月24日

次王者
N/A