サザン・ハウンド

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サザン・ハウンド(英:Southern Hound)は、イギリスイングランド原産のセントハウンド犬種のひとつである。別名はオールド・イングリッシュ・ハウンド(英:Old English Hound)、ヘビー・ファインダー(英:Heavy Finder)、肩書きは「威厳のある厳粛な風采」

歴史[編集]

生い立ちに関しては不明な点が多く、他犬種(他のイングランド産セントハウンド犬種)との混同もありはっきりと分かっていない。誕生した世紀については、11世紀の説と9世紀の説がある。

主に雄鹿狩りをすることを専門として、身分の高い人に用いられていた。パックでシカの臭いを追跡し、発見すると自らの手で仕留めた。

雄鹿狩りの隆盛に伴って人気も上昇し頭数も増加したが、後にシカの頭数が激減し、雄鹿狩りがキツネ狩りに取って代わられるようになると需要がなくなり絶滅寸前となった。雄鹿狩りの規制後も復興を望む愛好家がの許可を取りながら鹿狩りを続け、サザン・ハウンドの繁殖も継続したが、人気は最盛期のように高まることはなかった。このためサザン・ハウンドはキツネ狩りに適応させるために他犬種と交配され、最終的にイングリッシュ・フォックスハウンドに姿を変えた。そして、1800年代に絶滅した。

特徴[編集]

筋骨隆々の体つきをしていて、とても力の強い重量があるセントハウンドである。体重が重いため走るのはあまり速くないが、非常に力が強い雄鹿と相対することに重点を置いて改良された犬種のため、その点はもともと気にされていない。胴はやや長めで頑丈、脚も長い。頚部も太くしっかりしていて、マズルの長さは普通だがあごの力は強靭である。耳は垂れ耳、尾は飾り毛のない先細りの垂れ尾。コートは硬めのスムースコートで、毛色はホワイトをベースとしてそこにブラックやタンなどの斑が入ったもの。大型犬サイズで、性格は忠実で従順、勇敢で狩猟本能が高い。生粋の猟犬種のため頑固で独立心は旺盛で、しつけは主人からのみ受け付ける。状況判断力は優れている。獲物の臭いを追跡することが大好きで、広い場所を駆け回ることも好きであったといわれている。運動量は非常に多い。

参考文献[編集]

『デズモンド・モリスの犬種事典』デズモンド・モリス著書、福山英也、大木卓訳 誠文堂新光社、2007年

関連項目[編集]

脚注[編集]