サウル・アルバレス 対 ディミトリー・ビボル戦

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サウル・アルバレス 対 ディミトリー・ビボル戦
開催日 2022年5月7日
認定王座 WBAスーパー世界ライトヘビー級タイトルマッチ
開催地 アメリカ合衆国ラスベガス
会場 T-モバイル・アリーナ
リングアナ デビッド・ディアマンテ
放送局 DAZN(アメリカ合衆国とカナダのみDAZNが初めてのペイ・パー・ビュー[1]
実況・解説 トッド・グリシャム(実況)
クリス・マニック(アナリスト・インタビュアー)
セルヒオ・モラ(解説)
ダニエル・ジェイコブス(解説)
ケイト・アボド(舞台裏進行)
ジェシカ・マッキャスキル(舞台裏解説)
ショーン・ポーター(舞台裏解説)
主催 エディー・ハーンマッチルーム・スポーツ・USA
サウル・アルバレス(カネロ・プロモーションズ)
アンドレイ・リャビンスキー(ワールド・ボクシング)

サウル・アルバレス 対 ディミトリー・ビボル
Canelo(カネロ)
比較データ
31歳 年齢 31歳
ハリスコ州グアダラハラ 出身地 キルギストクマク
60戦 57勝 (39KO) 1敗 2分 戦績 19戦 19勝 (11KO) 無敗
173cm 身長 183cm
179cm リーチ 183cm
オーソドックス 特徴 オーソドックス
エディ・レイノソ 指導者 ゲンナジー・マシアノフ
WBA世界スーパーミドル級スーパー王者WBC世界スーパーミドル級王者・IBF世界スーパーミドル級・王者WBO世界スーパーミドル級王者・リングマガジン世界スーパーミドル級王者・世界4階級制覇王者 評価 WBA世界ライトヘビー級スーパー王者

結果 ビボルの12回判定勝ち(3-0)
主審 ラッセル・モーラ
副審 ティム・チーザム
デーブ・モレッティ
スティーブ・ワイスフェルド

サウル・アルバレス 対 ディミトリー・ビボル戦(サウル・アルバレス たい ディミトリー・ビボルせん)は、2022年5月7日、アメリカ合衆国ラスベガスT-モバイル・アリーナで開催されたプロボクシングの試合。WBAWBCIBFWBO世界スーパーミドル級統一王者のアルバレスと、WBA世界ライトヘビー級スーパー王者のビボルが行うタイトルマッチ。イベント名はレガシー・イズ・アーンドで、興行はマッチルーム・スポーツ・USAとカネロ・プロモーションズとワールド・ボクシングの合同興行として行われ、放送はラテンアメリカを除いた全ての地域をDAZNでカナダとアメリカ合衆国の2ヶ国が初めてとなるPPV(日本を含む他のDAZN放送国は通常通りの放送をした)で放送された(価格は既存加入者は59.99ドル、新規加入者は79.79ドル)[1]

試合までの経緯[編集]

両者の王座獲得から防衛まで[編集]

2016年5月21日、ビボルがモスクワメガスポルトでWBA世界ライトヘビー級暫定王者フェリックス・バレラと対戦し、12回3-0(2者が119-109、116-111)の判定勝ちを収めロシアのプロボクサーで最速となる7戦目での王座獲得に成功した[2][3]

2017年2月23日、ビボルが元PABAライトヘビー級王者でWBA世界ライトヘビー級13位のロバート・ベリッジと対戦し、4回TKO勝ちを収め初防衛に成功した[4]

2017年4月14日、ビボルがメリーランド州オクソンヒル英語版MGMナショナル・ハーバー英語版内ザ・シアターにてWBA世界ライトヘビー級13位のサミュエル・クラークソンと対戦し、4回1分40秒TKO勝ちを収め2度目の防衛に成功した[5][6]

2017年10月14日、ビボルがWBAから正規王座に認定され、WBA世界ライトヘビー級正規王者となった[7]

2017年11月4日、ビボルがモンテカルロのカジノ・ド・モンテカルロ内サル・メディシンでWBA世界ライトヘビー級10位のトレント・ブロードハーストと対戦し、初回3分0秒KO勝ちを収め3度目の防衛に成功した[8][9][10]

2018年3月3日、ビボルがニューヨークフールー・シアターでWBA世界ライトヘビー級1位のサリバン・バレラと対戦し、12回1分41秒TKO勝ちを収め4度目の防衛に成功した[11][12][13]

2018年8月4日、ビボルがアトランティックシティエテズス・アリーナアイザック・チレンバと対戦し、12回3-0(120-108×2、116-112)の判定勝ちを収め5度目の防衛に成功した[14][15]

2018年11月24日、ビボルがアトランティックシティのエテズス・アリーナでジャン・パスカルと対戦し、12回3-0(119-109×2、117-111)の判定勝ちを収め6度目の防衛に成功した[16][17]

2019年3月9日、ニューヨーク州ヴェローナ英語版ターニング・ストーン・リゾート・アンド・カジノ英語版でWBA世界ライトヘビー級8位のジョー・スミス・ジュニアと対戦し、12回3-0(119-109×2、118-110)の判定勝ちを収め7度目の防衛に成功した[18][19]

2019年10月12日、ビボルがシカゴウィントラスト・アリーナ英語版でWBA世界ライトヘビー級15位のレニン・カスティージョと対戦し、12回3-0(120-107、119-108×2)の判定勝ちを収め8度目の防衛に成功した[20][21]

2019年11月2日、MGMグランド・ガーデン・アリーナでアルバレスがWBO世界ライトヘビー級王者セルゲイ・コバレフと対戦。試合当日朝の時点の体重がライトヘビー級の規定体重の79.3キロから4.53キロ以内(185ポンド以内)の増量制限の契約が交わされていたがクリアして[22][23]、11回2分45秒TKO勝ちを収め4階級制覇を達成した[24][25]。WBA世界ミドル級スーパー王座、WBC世界ミドル級フランチャイズ王座並びにWBA世界スーパーミドル級正規王座と合わせて、3階級王座同時保持となった。

2021年5月1日、ビボルが1年7ヶ月ぶりに試合を行いイギリスマンチェスター・アリーナでWBA世界ライトヘビー級5位クレイグ・リチャーズと対戦し、12回3-0(118–110、115–113、115–114)の判定勝ちを収め9度目の防衛に成功した[26]

2021年11月6日、MGMグランド・ガーデン・アリーナでアルバレスがIBF世界スーパーミドル級王者カレブ・プラントと4団体王座統一戦を行い、拮抗した序盤からアルバレスが徐々にペースを握りだし、11回2度ダウンを奪いアルバレスが11回1分5秒TKO勝ちを収め史上7人目となる主要4団体統一に成功しスーパーミドル級では初の4団体統一王者になった[27]。この試合でアルバレスは4000万ドル(約46億円)、プラントは1000万ドル(約11億円)のファイトマネーを稼いだ[28]

2021年12月11日、ビボルがエカテリンブルグでWBA世界ライトヘビー級10位ウマル・サラモフと対戦し、12回3-0(2者が118-110、119-109)の判定勝ちを収め10度目の防衛に成功した[29]

対戦決定後の概要から試合まで[編集]

2021年11月16日、メキシコシティで開催されたWBC年次総会において、アルバレスのトレーナーでマネジャーのエディ・レイノソが、アルバレスが次戦でWBC世界クルーザー級王者イルンガ・マカブに挑戦できるよう要求し、WBCがこれを承認した[30][31]。しかしマカブがサビソ・ムチュヌとの指令戦となる第2戦目を選択した為決裂した[32]

2022年2月26日、アルバレスがエディー・ハーンのマッチルーム・スポーツ・USA並びにDAZNと複数試合契約を結び、5月7日にWBA世界ライトヘビー級スーパー王者ディミトリー・ビボルと対戦することが発表され初めてとなるDAZNでのペイ・パー・ビュー放送を発表した[33][1]

2022年5月7日、T-モバイル・アリーナでビボルとアルバレスが対戦し、ビボルが12回3-0(3者共に115-113)の判定勝ちを収め11度目の防衛に成功した[34][35]

対戦カード[編集]

階級 契約 vs. 結果 ラウンド 時間 Notes
ライトヘビー級 175 lbs. ロシアの旗 ディミトリー・ビボル (C) メキシコの旗 サウル・アルバレス 3-0 12回 - Note 1
スーパーライト級 140 lbs. アメリカ合衆国の旗 モンタナ・ラブ メキシコの旗 ガブリエル・バレンズエラ 3-0 12R - Note 2
ウェルター級 147 lbs. ウズベキスタンの旗 シャハラン・ギヤソフ メキシコの旗 クリスチャン・ゴメス 3-0 10R - Note 3
ヘビー級 224 lbs. 中華人民共和国の旗 張志磊 アメリカ合衆国の旗 スコット・アレクサンダー KO 1R 1:54

^Note 1 WBAスーパー世界ライトヘビー級タイトルマッチ
^Note 2 IBF北米スーパーライト級王座決定戦
^Note 3 IBF北米ウェルター級王座決定戦

脚注[編集]

  1. ^ a b c Random Hits. “Canelo-Bivol DAZN PPV: 59.99 For Current Subs, 79.99 For New Subs”. BoxingScene.com. 2022年2月26日閲覧。
  2. ^ Lebedev destroys Ramirez in two, unifies WBA and IBF cruiserweight titles Fightnews.com 2016年5月21日
  3. ^ レベデフが2回TKO勝ち、クルーザー級王座統一 Boxing News(ボクシングニュース) 2016年5月22日
  4. ^ Bivol stops Berridge, retains WBA interim belt Fightnews.com 2017年2月23日
  5. ^ Bivol destroys Clarkson, retains WBA interim light heavyweight title Fightnews.com 2017年4月14日
  6. ^ Bivol kept his WBA Light Heavyweight interim championship belt WBA公式サイト 2017年4月15日
  7. ^ Bivol elevated to WBA Light Heavyweight Champion WBA公式サイト 2017年10月14日
  8. ^ Dmitry Bivol Crushes Trent Broadhurst in One Round Boxing Scene.com 2017年11月4日
  9. ^ 海外結果 マクドネルvsソリス再戦は無判定試合 Boxing News(ボクシングニュース) 2017年11月5日
  10. ^ Bivol Retains Title by First Round Knockout WBA公式サイト 2017年11月6日
  11. ^ Bivol stops Barrera, retains WBA lightheavy title Fightnews.com 2018年3月3日
  12. ^ Bivol knocked out Barrera and retained his crown WBA公式サイト 2018年3月4日
  13. ^ ビボルがバレラを最終回TKO WBA・L・ヘビー級 Boxing News(ボクシングニュース) 2018年3月4日
  14. ^ Dmitry Bivol Retains WBA 175lb Title WBA公式サイト 2018年8月5日
  15. ^ ビボルが難敵チレンバ下す WBA・L・ヘビー級 Boxing News(ボクシングニュース) 2018年8月5日
  16. ^ Dmitry Bivol Boxes Past Jean Pascal To Win Decision”. Boxing Scene.com (2018年11月24日). 2019年1月5日閲覧。
  17. ^ ビボルがパスカルに大差勝利 WBA・L・ヘビー級V5 Boxing News(ボクシングニュース) 2018年11月25日
  18. ^ Dmitry Bivol Has Few Issues in Outboxing Joe Smith Over Twelve Boxing Scene.com 2019年3月9日
  19. ^ L・ヘビー級ビボル、S・ライト級フッカーが防衛成功 Boxing News(ボクシングニュース) 2019年3月10日
  20. ^ Dmitry Bivol dominates Lenin Castillo in one-sided victory, retains light heavyweight title ESPN.com 2019年10月13日
  21. ^ ウシク7回TKO勝ち ヘビー級&米国デビュー ビボルはWBA・L・ヘビー級V7 Boxing News(ボクシングニュース) 2019年10月13日
  22. ^ Canelo vs. Kovalev has rehydration clause in contract”. Boxing News 24 (2019年11月1日). 2020年1月4日閲覧。
  23. ^ アルバレス、計量一発クリア 2階級上の王者コバレフは4度目でパス…WBOライトヘビー級王座戦”. スポーツ報知 (2019年11月2日). 2019年12月23日閲覧。
  24. ^ Canelo Alvarez stops Sergey Kovalev, becomes 4-division champion ESPN.com 2019年11月3日
  25. ^ カネロが4階級制覇 コバレフを11回に仕留める Boxing News(ボクシングニュース) 2019年11月3日
  26. ^ Dmitry Bivol defeats Craig Richards by unanimous decision to retain WBA light-heavyweight title”. skysports.com. 2021年5月1日閲覧。
  27. ^ カネロに新たな勲章 プラントを11回TKOでS・ミドル級4冠統一 Boxing News(ボクシングニュース) 2021年11月7日
  28. ^ Canelo Alvarez stops Caleb Plant to become undisputed super middleweight champ”. ESPN.com (2021年11月7日). 2021年12月29日閲覧。
  29. ^ Dmitry Bivol Outclasses Umar Salamov En Route To UD, Retains WBA Light Heavyweight Title”. ringtv.com. 2021年12月11日閲覧。
  30. ^ Canelo Alvarez - WBC Approves Request To Next Challenge Makabu For Cruiserweight Title”. Boxing Scene.com (2021年11月16日). 2021年12月26日閲覧。
  31. ^ カネロ次戦でクルーザー級進出も? 参謀レイノソ氏がWBC総会で仰天発言 Boxing News(ボクシングニュース) 2021年11月17日
  32. ^ Donovan, Jake. “Ilunga Makabu Edges Thabiso Mchunu Via Split Decision, Retains WBC Title And Calls For Canelo”. BoxingScene.com. 2022年2月26日閲覧。
  33. ^ カネロがDAZNと複数試合契約 WBA・L・ヘビー級スーパー王者ビボルと5月に対戦 Boxing News(ボクシングニュース)2022年2月27日
  34. ^ カネロがメイウェザー戦以来の敗北「体重差を感じた」 ビボルが不利予想覆して勝利 Boxing News(ボクシングニュース)2022年5月8日
  35. ^ DMITRY BIVOL SHOCKS THE WORLD TO UPSET CANELO ALVAREZ DAZN 2022年5月8日

外部リンク[編集]


先代
カレブ・プラント戦
サウル・アルバレスの試合
2022年5月7日
次代
ゲンナジー・ゴロフキン第3戦