オーストラリア楯状地

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オーストラリア楯状地
層序範囲: 太古代[1]
種別 楯状地
面積 700,000 km2[1]
厚さ 4.5キロメートル (2.8 mi)
所在地
地域 オセアニア
オーストラリアの旗 オーストラリア

座標: 南緯26度00分00秒 東経129度00分00秒 / 南緯26.00007744度 東経129.00005163度 / -26.00007744; 129.00005163

オーストラリアの基本的な地質学的地域、年代別。

オーストラリア楯状地は、西オーストラリア楯状地または西部高原英語版とも呼ばれ、オーストラリア大陸の半分以上を占めている。楯状地という言葉は、冷えて固まった古代の溶岩を指すために使われる[2]。オーストラリア楯状地の深度は4.5kmで推定年代は28億から35億年前[3] [4]。より年代の若い堆積岩が楯状地の先カンブリア時代の表面を覆っている[5]

範囲[編集]

この楯状地が位置するのはオーストラリア西部で、大きく見ると、北はアーネムランド東岸もしくはカーペンタリア湾から、南は南オーストラリア州エア半島まで、ほぼまっすぐ南北に走る線の西側にあたる。内陸部ではシンプソン砂漠の西側。平均標高は305 and 460メートル (1,001 and 1,509 ft)。楯状地は、2つのクラトン(北部のピルバラクラトンと南西部のイルガーン・クラトン)を含む、いくつかの異なる断層地塊に分かれる。この2つのクラトンは、楯状地の最も古い部分であり、どちらも年代は23億年以上前である[6]。これらのブロックのいくつかは隆起して高地を形成している。またいくつかは陥没して低地や盆地を形成してる。低地には、グレートサンディ砂漠ギブソン砂漠グレートビクトリア砂漠ナラボー平原があり、それぞれ楯状地の北西部、中央部、南部、南東部にある。ナラボー(語源はラテン語のnullaarborで「無木」の意)は乾燥した事実上無人の石灰岩高原である。西オーストラリア楯状地とグレートディヴァイディング山脈(大分水嶺山脈)の間はグレートアーテジアン盆地(大鑽井盆地)になっている。

高地には、西オーストラリアでは、西部と北西部の沿岸地域のハマーズリー山脈キンバリー山脈[7]、そして南西端のパースから内陸のダーリング崖が含まれる[4]マクドネル山脈ノーザンテリトリーの南部にあり、スチュアート山脈とマスグレーヴ山脈は南オーストラリア州の北部にある。楯状地のいくつかの地域では、浸食と風化で形成されたメサビュートと呼ばれる孤立して切り立った岩場が見られる。たとえば西オーストラリアのキンバリー地域ピルバラ地域、ノーザンテリトリーであればアーネムランドなどで見られる。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b Hunter, D.R. (1981). Precambrian of the Southern Hemisphere. Elsevier. p. 33. ISBN 0080869017. https://books.google.com/books?id=BpF9CiuFBDgC 2014年6月13日閲覧。 
  2. ^ Barrett; Dent (1996). Australian Environments: Place, Pattern and Process. Macmillan Education AU. p. 4. ISBN 0732931207. https://books.google.com/books?id=9AUcU_35C9sC 2014年6月13日閲覧。 
  3. ^ Condie, Kent C. (2011). Earth as an Evolving Planetary System. Academic Press. p. 29. ISBN 0123852285. https://books.google.com/books?id=WEh96FvxMOMC 2014年6月13日閲覧。 
  4. ^ a b Dixon, Kingsley (2011). Coastal Plants: A Guide to the Identification and Restoration of Plants of the Perth Region. Csiro Publishing. p. 5. ISBN 0643102221. https://books.google.com/books?id=GqGiHLYKPsIC 2014年6月13日閲覧。 
  5. ^ Singh, G. (2009). Earth Science Today. Discovery Publishing House. p. 31. ISBN 8183564380. https://books.google.com/books?id=iL8762HeViEC 2014年6月13日閲覧。 
  6. ^ Twidale, C. R.; E. M. Campbell (2005). Australian Landforms. Rosenberg Publishing. p. 35. ISBN 1922013382. https://books.google.com/books?id=WCbCAgAAQBAJ 2014年6月13日閲覧。 
  7. ^ 現地名は特に縁のないレオポルド2世にちなむキング・レオポルド山脈(: King Leopold Ranges)だったが、2020年にウナアミン・ミリウンディ山脈(: Wunaamin Miliwundi Ranges)と改められた。 Collins, Ben; Parke, Erin (2020年7月1日). “WA Government confirms King Leopold Ranges to be renamed the Wunaamin Miliwundi Ranges”. ABC News (Australian Broadcasting Corporation). https://www.abc.net.au/news/2020-07-03/wa-king-leopold-ranges-renamed-wunaamin-miliwundi-ranges/12416254 2020年7月3日閲覧。 

参考文献[編集]

  • Hughes, F. E. (1990) "Chapter 3: Proterozoic Orogenic Domains and PreCambrian Cover Sequences of Western Australia" Geology of the mineral deposits of Australia and Papua New Guinea: Volume 1 Australasian Institute of Mining and Metallurgy, Parkville, Victoria, Australia, pages 605–676, ISBN 978-0-949106-53-7