ウムクラップ散乱

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通常過程(N過程)およびウムクラップ過程(U過程)。 N過程は全フォノンの運動量を保存するが、Uプロセスはフォノンの運動量が保存しない。
第1ブリルアンゾーン(赤色)を超えるkベクトルは、第1ブリルアンゾーンにおけるkベクトル(黒色)より多くの情報は伝えない。

ウムクラップ散乱(ウムクラップさんらん、: Umklapp scattering、U散乱、U過程)とは、フォノン散乱において、フォノン間で運動量保存が成り立たない散乱のこと。

一方でフォノン間で運動量が保存される散乱のことを正常散乱: Normal scattering, N散乱、N過程)という。

ウムクラップ散乱は、デバイ温度よりも高い温度で頻繁に起こる[1]

参考文献[編集]

  1. ^ 木暮嘉明 著、大槻, 義彦森本, 雅樹 編『フォノンとは何か-音波と量子の世界-』丸善〈フロンティア・サイエンス・シリーズ〉、1988年9月。ASIN 4621033093ISBN 4621033093NCID BN02609552OCLC 47323370全国書誌番号:89001876