イームズロボティクス

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イームズロボティクス株式会社
EAMS ROBOTICS Co., Ltd.
種類 株式会社
略称 イームズ、イームズロボティクス
本社所在地 日本
979-2162
福島県南相馬市小高区飯崎字南原65番地の1
設立 2016年
業種 産業用ドローンメーカー
法人番号 8380001026668
事業内容 産業用無人機の設計、製造、販売、講習、ソリューション
代表者 代表取締役社長 曽谷 英司
資本金 2億1,750万円
従業員数 32名
主要株主 ㈱菊池製作所、㈱SMBC信託銀行(特定運用金外信託ロボットものづくりスタートアップ支援)、㈱ジェットシステム、新日本空調㈱、㈱テレビユー福島
外部リンク https://eams-robo.co.jp
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イームズロボティクス株式会社(英:EAMS ROBOTICS Co., Ltd.)は、福島県南相馬市に本社を置く日本ドローンメーカー。

2016年、テレビユー福島・MTS&プランニング・エンルートの共同出資にて株式会社enRouteM’sを設立する。2018年に国内メーカーとして新規参入、イームズロボティクス株式会社に社名変更する。2021年に福島県南相馬市に本社移転[1]

沿革[編集]

  • 2012年 - テレビユー福島関連会社の、MTS&プランニング内にて、ドローンを使用した空撮業務に進出。
  • 2013年 - 自治体の要請により、津波被害地域の復興工事積算業務の空撮を実施。
  • 2015年 - 業務内容の拡大に伴い、株式会社エンルートと業務提携を結び、産業用ドローンビジネスへ本格進出。 エンルート社の国内販売代理店として、主要機体の販売とソリューションの提供を開始。福島市と協定を締結。「災害時における無人航空機による情報収集等に関する協定書」
  • 2016年 - テレビユー福島・MTS&プランニング・エンルートの共同出資にて株式会社enRouteM’sを設立[2]。災害時の中継局にドローン活用。
  • 2017年
    • 福島県浪江町の害獣対策プロジェクト[3]を開始。
    • 浜松医科大学、浜松市とエンルートラボにて協定[4]を結び、中山間地へ医薬品を搬送するプロジェクトを開始。
    • 経済産業省「IoT推進のための新ビジネス創出基盤整備事業」参画。
    • 構造物の新たな維持管理方法の確立へ。
    • ドローンを用いて構造物に水や補修剤を散布できる仕組みを構築。
    • 衛星「みちびき」利用のUAVによる物資輸送実験開始。
    • 10kmを超える長距離通信を実現する。
    • 長野県森林において松枯れ被害調査の実証試験を開始。[5]
    • NVIDIA Jetson Refernce Platformsに登録。
    • 沖縄県総合防災訓練に参加。AIを搭載したUAVを実証を行う。
  • 2018年
    • 国内ドローンメーカーとして新規参入。イームズロボティクス株式会社へ社名変更[1]
    • 産業用UAV(測量・インフラ点検向け)開発、国内生産に着手。
    • 農業用UAV開発、国内生産に着手。
    • UGV、USV、ROVの開発に着手。
    • AI開発キットを研究機関向けに開発、提案の開始。
    • 全国各所にてパートナーネットワークと協力し、企業向けのデモフライトの実施。
    • 利用者向け講習サービスの実施。
    • 農業用途製品の開発に関し、EAMS JAPAN株式会社と事業提携。
  • 2019年
    • 農薬散布ボート USV ZR-6を発表。
    • 農薬散布ドローン UAV エアロスプレイヤーAS5Ⅱを発表。
    • イームズドローンスクールを開校(JUIDA認定校)。
    • ドローンマッパーによる衝突回避・群制御アルゴリズム開発[6]に協力。
    • 沖縄地方非常通信協議会 受賞(救急・災害時ドローンプラットフォームネットワークに関して[7])。
    • 準天頂衛星「みちびき」を活用したUGV開発・改造事業に着手。
    • 準天頂衛星「みちびき」を活用したユニット開発に着手。
    • 準天頂衛星「みちびき」を活用したUAVによる飛行実験を実施。
    • テロ対策 対処ドローンの開発に着手。
    • 下水道管点検用ドローンの開発に着手。
    • 自社製セルラーモジュール内臓型フライトコントローラーの開発に着手。
    • リモートIDモジュールの開発に着手。
  • 2020年
    • 株式会社イームズラボと合併。
    • イームズロボティクスR&Dセンターを設立。
    • ドローンによる高品質医療物流サービスの実現に向けた実証試験に参画(熊本赤十字病院と共同)。
  • 2022年
    • 第28回 東北ニュービジネス大賞表彰 革新的技術開発賞[8] 受賞。
    • リモートIDソリューション[9] 発表。
    • 東京大学、佐川急便と共同でAiドローンによる物流実証実験を実施。[10]
    • 産業用ドローン向けLTE通信モジュールを開発、携帯電話会社3キャリアに対応した製品として販売開始。[11]
    • 共同印刷と『ドローン飛行情報確認システム』を共同構築、リモートIDソリューションサービスを開始。[12]
    • ドローンジャパンと共に『ドローンオープンプラットフォーム』[13]についてリリース。国内ドローン関連の製品・サービスの社会実装を加速するため、各ドローン関連企業の技術連携が可能なプロジェクトとしてスタート。
    • ジャパンドローン2022においてBest of Japand drone award 2022[14] 審査員特別賞を受賞。
    • ロボットものづくりスタートアップ支援投資事業有限責任組合(以下、「ロボットものづくりファンド」)、新日本空調株式会社より第三者割当増資を受ける。[15]
  • 2023年
    • 都内におけるドローン物流サービスの社会実装を目指すプロジェクト[16]に選定。佐川急便株式会社、一般財団法人日本気象協会、株式会社サンドラッグと共同でドローンによる物資輸送の試験を開始。
    • 型式認証取得へ向けた取り組みを発表。
    • 新型ドローン「イームズ式E600-100型」、「イームズ式E6150TC型」を発表。
    • 経済産業省 中小企業イノベーション創出推進事業「行政ニーズ等に対応したドローンの開発・実証」[17]に採択。交付額上限は5ヶ年で約30億円。
    • 岐阜県中津川市にてドローン・自動配送ロボットとの連携を利用した配送[18]の実証実験を開始。
  • 2024年
    • 2024年1月1日に発生した能登半島地震において、被災地でのドローンによる支援活動を開始。

企業理念・ロゴ[編集]

経営理念[編集]

Autonomous(自己自律的)はこれからの産業のキーワードとなる。イームズロボティクスはUAVを含めたすべての製品とソリューション提案によって「人間が行うには危険な仕事」「人間とって極めて重い労働」「多数の人数と労力、時間を必要とするもの」をロボティクス技術に置き換えていく。過疎化、高齢化の進む地方、人口減と経験者不足、そういった課題解決のため、技術のための技術ではなく、私たちは、社会に必要とされる「道具」としてのソーシャル・ロボティクス企業を目指す。

ロゴ[編集]

イームズロボティクス ロゴ
イームズロボティクス ロゴ

ロゴにあるEAMSの略称は「Engineering for Autonomous Mobility and Systems」の頭文字。[1]

UAVやUGVなどの自律飛行・自律走行できるガジェットを用いて、クライアントが抱える問題に対し、解決力を持って提案(ソリューション)をする会社というコンセプト。

製品[編集]

フライトコントローラーPixhawkを内蔵した国産ドローン。フライトコントローラーは機種により異なり、Pixhawk2.1、Pixhawk miniなどが主に使用される。Ardupilotの強みを活かした製品が特長である。

産業用UAV[編集]

  • E470SU1(2020年)
  • E470MP(2020年)
  • E695MP(2020年)
  • E6106FLMP(2021年)
  • E6150MP(2023年)
  • イームズ式 E-600-100型/第一種型式認証申請機種(2024年)
  • イームズ式 E6150TC型/第二種型式認証申請機種(2024年)

農薬散布用UAV[編集]

  • エアロスプレイヤー AS5(2019年)
  • エアロスプレイヤー AS5Ⅱ(2020年)
  • エアロスプレイヤー AS10(2020年)

小型UAV[編集]

  • LAB445(2019年)

農薬散布USV(ラジコンボート)[編集]

  • ZR-6(2020年)

付帯機器[編集]

  • リモートID送信機 外付けタイプ(2022年)
  • リモートID受信機 ソフトウェア付(2022年)
  • 産業用ドローン向け LTE通信モジュール(2022年)

サービス[編集]

イームズドローンスクール
一般社団法人JUIDA認定校として2020年に開校。2021年4月2日より、休校中。
イームズストア
自社ECサイト。主にLAB445など自作ドローンを取り扱っている。

事業拠点[編集]

本社[編集]

2016年、福島県福島市内にあるMTS&プランニング内の一角に設立された。その後、2021年に福島県南相馬市へ移転した。

R&Dセンター[編集]

埼玉県ふじみ野市に開発拠点としてR&Dセンターがある。

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c イームズロボティクス会社概要”. イームズロボティクス. 2022年5月2日閲覧。
  2. ^ “テレビユー福島、ドローンの新会社4月設立”. 映画.com. (2016年3月31日) 
  3. ^ ドローンおよび無人地上車輌による害獣対策と 物資輸送サポート技術の開発”. 2022年5月2日閲覧。
  4. ^ 浜松ドローン・AI利活用協定を締結”. 2022年5月2日閲覧。
  5. ^ 国内初!松くい虫被害木抽出ドローンの実証実験を開始”. 2022年5月2日閲覧。
  6. ^ ドローン同士の直接通信でニアミスを自動的に回避する実験に成功”. 2022年5月2日閲覧。
  7. ^ ドローンを用いた高品質医療物流サービスの実証試験にかかる合同記者会見を実施”. 2022年5月2日閲覧。
  8. ^ 出展企業紹介|ビジネスマッチ東北 2022秋”. zz107.secure.ne.jp. 2023年2月15日閲覧。
  9. ^ イームズのリモートID”. 2022年5月2日閲覧。
  10. ^ 【佐川急便】|ニュースリリース”. www2.sagawa-exp.co.jp. 2023年2月15日閲覧。
  11. ^ LTEを利用したドローン制御が可能に!LTE通信モジュール(産業用ドローン向け)の販売を発表”. プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES. 2023年2月15日閲覧。
  12. ^ ドローン飛行情報確認システムをイームズロボティクスと共同構築”. TOMOWEL 共同印刷株式会社. 2023年2月15日閲覧。
  13. ^ 株式会社インプレス (2022年6月21日). “国内ドローン企業が連携する「ドローン オープンプラットフォーム」”. Impress Watch. 2023年2月15日閲覧。
  14. ^ Kawase (2022年6月24日). “Best of Japan Drone Award 2022各賞決定。2年連続でソニーAirPeakS1がハードウェア部門賞受賞ほか[Japan Drone 2022]”. DRONE. 2023年2月15日閲覧。
  15. ^ 資本金増資のお知らせ”. イームズロボティクス株式会社. 2023年2月15日閲覧。
  16. ^ 都内におけるドローン物流サービスの社会実装を目指すプロジェクト
  17. ^ 経済産業省 第1回 経済産業省中小企業イノベーション創出推進事業統括運営委員会「行政ニーズ等に対応したドローン技術実証」(PDF形式:1,059KB
  18. ^ 岐阜県「ドローン・自動配送ロボットとの連携を利用した配送」について

外部リンク[編集]