ぴあの

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ぴあの
ジャンル テレビドラマ
脚本 冨川元文宮村優子
演出 大森青児
佐藤峰世
長沖渉
安原裕人
出演者 純名里沙
萬田久子
國生さゆり
松村雄基
西村和彦
升毅
河島英五
尾上寛之
間寛平
段田安則
竹下景子
宇津井健
ナレーター 都はるみ
音楽 久石譲
オープニング JOE'S PROJECTぴあの
純名里沙 & JOE'S PROJECT「ぴあの
時代設定 現代
製作
制作 NHK大阪
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間1994年4月4日 - 10月1日
放送時間月曜日 - 土曜日 8:15 - 8:30
放送枠連続テレビ小説
放送分15分
回数156
番組年表
前作かりん
次作春よ、来い
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ぴあの』は、1994年平成6年)4月4日から10月1日まで放送されたNHK連続テレビ小説の第51作[1]NHK大阪放送局制作。全156話[2]

概要[編集]

現在の大阪・西天満の音楽好きの元小学校教師(宇津井健)の父子家庭に育った4姉妹(竹下景子萬田久子國生さゆり純名里沙)の、一見何気ない日常やさまざまな生き様を、新聞配達や「自転車お使い便」[3]などのアルバイトをしながら童話作家を目指す末っ子・ぴあのを中心に、複数の視点で描いた[4]

タイトルおよびヒロインの役名の「ぴあの」は、近畿方言に準じて「ぴ」にアクセントがつく。

大阪を主舞台とし、大分県別府市杵築市)と京都府綾部市)も舞台となった。大分県が舞台になった最初の作品である[5]

ヒロインには、当時宝塚歌劇団雪組娘役ホープであった純名里沙がオーディションで、852人から抜擢された[6]

  • 彼女は出演していた公演を同期や先輩に代わってもらっての参加であった。
  • 主題歌も、後半(7月18日 - )は純名が担当(主題歌をヒロインが歌うのは史上初かつ、2023年度上期現在までにヒロインが主題歌を担当した唯一の作品だったが、『ブギウギ』〈2023年度下半期の朝ドラ〉では、ヒロイン役の趣里が歌唱者の1人となっている[注釈 1][7])。ドラマ内では童謡も歌った。

現役のタカラジェンヌが主演ということもあり、阪急電鉄の協力によって、クランクアップ後の打ち上げ会場に阪急ホテルが提供され、異例ともいえる大規模な打ち上げとなった。

音楽は、久石譲が担当。主題歌「ぴあの」のほか、劇中でぴあのが創った童謡の作曲も担当した。久石は後にこの縁で、本作ヒロイン・純名のアルバム『Propose』をプロデュースすることになる。

1994年9月には、神奈幸子によるコミック版も出版された。

初回視聴率は28.2%、最高視聴率は30.6%、平均視聴率は25.5%であった(ビデオリサーチ調べ)[8]

2003年3月31日から2003年9月27日までBS2にてアンコール放送された。

放送ライブラリーでは第1回が公開[9]

後日談[編集]

このドラマが話題となったことで、宝塚歌劇団にも「ぴあのちゃんの出演する舞台が観たい」との問い合わせもあったとされ、劇団にとってもその宣伝効果は大きなものとなった。

主演の純名はドラマ終了後、雪組から花組に移り、娘役トップとなり、真矢みきの相手役として1年余りにわたって活躍(1996年に退団)。その後も女優として活動し、『リトル・チャロ』の吹替えも担当していた。

桜井家の建物は、大阪市内の商家の屋敷を用いてロケされたが、1990年代末には建て壊しされビルとなった[10]

出演[編集]

桜井家[編集]

四女(主人公)・桜井ぴあの
演 - 純名里沙[注釈 2]
父・桜井章一郎
演 - 宇津井健
長女・桜井初音(母・香苗=昭和50年秋の回想と二役[11]
演 - 竹下景子(幼少期:尾羽智加子
次女・桜井(柴田)海鈴
演 - 萬田久子(幼少期:早坂理恵
三女・桜井鼓
演 - 國生さゆり(幼少期:吉尾祐紀
海鈴の夫・柴田嘉明
演 - 段田安則
海鈴と嘉明の息子・柴田正樹
演 - 尾上寛之
叔父(章一郎の弟)・桜井慶二郎
演 - 佐川満男
叔母(慶二郎の妻)・桜井英子
演 - 三島ゆり子

レギュラー出演[編集]

藤芳啓太
演 - 松村雄基
宮下達郎
演 - 西村和彦
安田豊彦
演 - 河島英五
河本大輔
演 - 国広富之
河本信子(大輔の妻)
演 - 紅萬子
水元富子
演 - 三林京子
内山市郎(大学教授)
演 - 大竹まこと[12]
大崎徳乃(香苗の母)
演 - 若尾延子
高山光男
演 - 間寛平
高山明男(光男の弟)
演 - 康すおん
川島進(光男の新聞販売店の従業員)
演 - 森田正明
山内京子(ぴあのの友達)
演 - 福田真子
田辺(安田の店の従業員)
演 - 山田雅人
八百六
演 - 多賀勝一
北川美佐子(学童の職員)
演 - 斉藤とも子
晴菜(学童)
演 - 福岡香純
ひと美(学童)
演 - 波戸麻衣子
淳一(学童)
演 - 西野浩史

ゲストなど[編集]

沢松綾子(鼓の実母)
演 - 鳳蘭[13]
正岡緑
演 - 山本奈々
市川かね子
演 - 吉川佳代子
中崎
演 - 徳田尚美
橋口
演 - 升毅
演 - 小柴圭一郎
大工
演 - 南条好輝
テツオ
演 - 古谷充
その他
演 - 夢路いとし表淳夫田畑猛雄牧野エミ松寺千恵美安田成伸

ほか

スタッフ[編集]

主題歌[編集]

  • JOE'S PROJECT「ぴあの」 - 1994年6月1日発売
  • 純名里沙 & JOE'S PROJECT「ぴあの」 - 1994年8月10日発売

放送日程[編集]

回数 放送日 演出
1 1 - 6 4月4日 - 4月9日 大森青児
2 7 - 12 4月11日 - 4月16日
3 13 - 18 4月18日 - 4月23日
4 19 - 24 4月25日 - 4月30日
5 25 - 30 5月2日 - 5月7日
6 31 - 36 5月9日 - 5月14日
7 37 - 42 5月16日 - 5月21日
8 43 - 48 5月23日 - 5月28日
9 49 - 54 5月30日 - 6月4日
10 55 - 60 6月6日 - 6月11日
11 61 - 66 6月13日 - 6月18日
12 67 - 72 6月20日 - 6月25日
13 73 - 78 6月27日 - 7月2日
14 79 - 84 7月4日 - 7月9日
15 85 - 90 7月11日 - 7月16日
16 91 - 96 7月18日 - 7月23日
17 97 - 102 7月25日 - 7月30日
18 103 - 108 8月1日 - 8月6日
19 109 - 114 8月8日 - 8月13日
20 115 - 120 8月15日 - 8月20日
21 121 - 126 8月22日 - 8月27日
22 127 - 132 8月29日 - 9月3日
23 133 - 138 9月5日 - 9月10日
24 139 - 144 9月12日 - 9月17日
25 145 - 150 9月19日 - 9月24日
26 151 - 156 9月26日 - 10月1日

関連CD[編集]

本作は放映当時に、主題歌やオリジナル・サウンドトラック、劇中の童謡などが相次いでCDリリースされた。

なお、後半主題歌「ぴあの」(歌:純名里沙 & JOE'S PROJECT)については、久石譲によるパイオニアLDC音源からのベストアルバム『Best Selection』にも収録されている。

劇中の童謡[編集]

シングルぴーかぴか
1994年8月21日発売(廃盤[14]
「ぴーかぴか」「へんなまち」(歌:純名里沙)、「ふしぎなポケット」(歌:濱松清香&森の木児童合唱団)を収録
CDシングル「なめくじ君」
1994年11月21日発売(廃盤[15]
「なめくじ君」(歌:間寛平)を収録

オリジナル・サウンドトラック[編集]

久石譲『オリジナル・サウンドトラック ぴあの Vol.1』
1994年6月25日発売
前半主題歌「ぴあの」(歌:JOE'S PROJECT)も併せて収録
久石譲『オリジナル・サウンドトラック ぴあの Vol.2』
1994年8月25日発売
後半主題歌「ぴあの」(歌:純名里沙 & JOE'S PROJECT)、童謡『ぴーかぴか』『へんなまち』(歌:純名里沙)も併せて収録

撮影場所[編集]

その他[編集]

1994年4月23日放送分で「図書館で君の姉さんの借りた本を調べたんや」というセリフがあり、図書館の自由に関する宣言(図書館は利用者の秘密を守る)に抵触するとして日本図書館協会およびロケ地となった大阪府立中之島図書館がNHKに申し入れを行った[16]。この結果、NHKは日本図書館協会に謝罪文を提出し、中之島図書館にも「誤解を与えかねない表現があった」と謝罪した[17]。また、4月25日の放送分では「図書館で」の部分の音声を消すことで対応した[18]。なお、NHKは同年9月18日放送の『中学生日記』で、学校司書が生徒に貸出情報を教えるという似たような問題シーンを放送している[18]

関連項目[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ なお、『ロマンス』(1984年度上半期)は、男性主人公を演じた榎木孝明が、芹洋子と共にイメージソングを歌った。
  2. ^ 昭和50年秋の回想で、ぴあのは乳児だった[11]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i 日本放送協会放送文化研究所 放送情報調査部 編『NHK年鑑'95』日本放送出版協会、1995年10月11日、191頁。 
  2. ^ NHKクロニクル
  3. ^ 朝ドラあるある 第1弾 「ヒロインは自転車に乗りがち」”. NHK「朝ドラ100」. 2019年3月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年3月8日閲覧。画像
  4. ^ 「NHKトピックス」『放送教育』第48巻第12号、日本放送教育協会、1994年2月1日、80 - 81頁、NDLJP:2341147/41 
  5. ^ 「ご当地マップ」を参照。
  6. ^ “朝ドラ史上“唯一”のヒロイン、元宝塚・純名里沙が当時を振り返る”. 週刊女性 (主婦と生活社). (2019年5月27日). https://news.line.me/detail/oa-shujoprime/6799874d2204 2023年7月29日閲覧。 
  7. ^ 歴代の「朝ドラ」主題歌”. 朝ドラ100. NHK (2019年1月25日). 2022年11月21日閲覧。
  8. ^ NHK 連続テレビ小説と視聴者 −“朝ドラ”はどう見られているか −” (PDF). メディア研究部. NHK放送文化研究所 (2020年1月30日). 2023年7月27日閲覧。(「付表1 NHK 連続テレビ小説【作品一覧表】」の154頁の51)
  9. ^ a b c d e f g h i j k l m 放送ライブラリー program番号:177864
  10. ^ 伝統を守る…2人の選択 内藤壽一氏(61期)の選択 商家の屋敷を遺す われら六稜人[3] 1997年11月23日
  11. ^ a b NHKアーカイブスの公開動画より。
  12. ^ 大竹まこと - NHK人物録
  13. ^ 鳳蘭 - NHK人物録
  14. ^ ぴーかぴか - 純名里沙 - Yahoo!ミュージック - archive.today(2012年7月28日アーカイブ分)
  15. ^ なめくじ君 - 間寛平 - Yahoo!ミュージック - archive.today(2012年7月10日アーカイブ分)
  16. ^ 社団法人日本図書館協会図書館年鑑編集委員会 編 1995, pp. 100–101.
  17. ^ 社団法人日本図書館協会図書館年鑑編集委員会 編 1995, p. 101, 134.
  18. ^ a b 社団法人日本図書館協会図書館年鑑編集委員会 編 1995, p. 101.
  19. ^ 第26作「虹を織る」 - NHK朝ドラ100
  20. ^ 第69作「てるてる家族」 - NHK朝ドラ100

参考文献[編集]

  • 社団法人日本図書館協会図書館年鑑編集委員会 編 編『図書館年鑑 1995』社団法人日本図書館協会、1995年6月30日、694頁。ISBN 4-8204-9601-8 

外部リンク[編集]

NHK 連続テレビ小説
前番組 番組名 次番組
かりん
(1993年度下半期)
ぴあの
(1994年度上半期)
春よ、来い
(1994年度下半期 -
1995年度上半期)
NHK BS2 連続テレビ小説・アンコール
チョッちゃん
(2002年度下半期)
ぴあの
(2003年度上半期)
ひまわり
(2003年度下半期)