さだめのように川は流れる

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さだめのように川は流れる
杏真理子シングル
初出アルバム『さだめのように川は流れる〜親愛なるアダモに捧げる』
B面 涙の空に虹が出る
リリース
規格 7インチシングル盤
ジャンル 歌謡曲
時間
レーベル 日本コロムビア
作詞・作曲 阿久悠(作詞)
彩木雅夫(作曲)
馬飼野俊一(編曲)
プロデュース 寺本幸司
チャート最高順位
杏真理子 シングル 年表
 さだめのように川は流れる
(1971年)
理由ある旅
(1971年)
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さだめのように川は流れる」(さだめのようにかわはながれる)は、1971年4月25日に発売された杏真理子のデビュー・シングル。

解説[編集]

  • 作詞家阿久悠は、1971年当時〝作品というものは、特異なものの方が普遍的なものより価値あるものだと思っていた[1]。誰にも親しまれる歌よりは、誰かを戦慄させるものの方が上だと信じていた〟という[1]。阿久が応援演説するなど “頑張った” 価値がありNTV紅白歌のベストテン今月の歌推せんコーナーで選ばれるなど評論家の支持を集めた[1]ものの、同時期にデビューした小柳ルミ子のヒットに埋もれ、売上は2.8万枚、オリコン60位にとどまった。
  • 久世光彦は後に、阿久悠作品集である『移りゆく時代、唇に詩』[2]に寄せたエッセイの中で次のように記している。
    「さだめのように川は流れる」は怖かった。あの歌が聴こえてくると、私は日暮れの墓地の真ん中に一人とり残されたように怖かった。振り返っても、振り返っても、後ろから尾いてくる歌だった。[1]
  • 阿久は「第二回横溝正史賞」を受賞した小説『殺人狂時代ユリエ』でも、キイママになる歌として本作の詞を用いている[1]

収録曲[編集]

  1. さだめのように川は流れる(3分2秒)
    作詞:阿久悠/作曲:彩木雅夫
  2. 涙の空に虹が出る(3分29秒)
    作詞:島村葉二/作曲:馬飼野俊一

備考[編集]

  • オリジナルの杏真理子音源は1971年録音・発表にもかかわらず、何故かISRCでは1972年録音となっている(JPCO07209640)[5]
  • 「涙の空に虹が出る」のJASRAC作品コードは、120-9756-0。出版者は「さだめのように…」と同一である[7]
  • 映画「やくざ刑事 俺たちに墓はない」挿入歌。貴重な本人歌唱シーンも有る。

参考文献[編集]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e 阿久悠. “あまり売れなかったが なぜか愛しい歌 第17回”. 阿久悠オフィシャル・ウェブサイト「あんでぱんだん」. 2018年4月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年4月12日閲覧。
  2. ^ 『移りゆく時代 唇に詩〜阿久悠 大全集〜』1997年5月21日、ビクターエンタテインメント 規格品番:VICG-58271/84(CD-BOX・14枚組)
  3. ^ 1978年録音(ISRC:JPVI07803050)『君の唇に色あせぬ言葉を 阿久悠 作詞集 1978』オムニバス、2008年7月23日、ビクターエンタテインメント 規格品番:VICL-62668/9
  4. ^ NAOKO VS AKU YU』阿久悠作品集、1979年6月21日(ISRC:JPPC07950969)
  5. ^ a b 音楽の森 music Forest データベース検索より
  6. ^ 杏真理子 コンプリートシングルズ+』規格品番:COCP-39897
  7. ^ a b JASRAC作品データベース検索サービス J-WID 検索結果