Marvel's Spider-Man 2

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Marvel's Spider-Man 2
ジャンル オープンワールドアクションアドベンチャー
対応機種 PlayStation 5
開発元 インソムニアックゲームズ
発売元 ソニー・インタラクティブエンタテインメント
販売元 ソニー・インタラクティブエンタテインメント
人数 1人
メディア ディスク / ダウンロード
発売日 2023年10月20日[1]
対象年齢 CEROC(15才以上対象)
コンテンツ
アイコン
暴力、犯罪、麻薬等・薬物[2]
その他 オンラインはなし
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Marvel's Spider-Man 2』(スパイダーマン 2)は、インソムニアックゲームズが開発し、ソニー・インタラクティブエンタテインメントより2023年10月20日に発売されたPlayStation 5用ゲームソフト[3]

概要[編集]

本作は、アメコミマーベル・コミック)原作のヒーロー「スパイダーマン」を基にしているゲーム作品。『Marvel's Spider-Man』の主人公であるピーター・パーカー及び『Marvel's Spider-Man:Miles Morales』の主人公であるマイルズ・モラレスの2人を操り、ゲームオリジナルの世界観を基に数々の事件に挑む、というゲームである。

ストーリー[編集]

主人公であるピーター・パーカーマイルズ・モラレスは2人でスパイダーマンズとしてニューヨークの治安を守っていた。

そんなある日、セルゲイ・クラヴィノフ(クレイブン・ザ・ハンター)率いるハンター集団が新たな獲物を求め、狩りの場をニューヨークへ移そうとしていた。

システム[編集]

ウェブ・ウィングという機能が追加され、空中を滑空できるようになった。また、ピーターとマイルズにはそれぞれ異なる特殊能力が与えられている。特定イベント中でなければ任意に入れ替えることができるが、ミッションによっては一方でしか参加できない。

評価[編集]

批評[編集]

ゲーム雑誌「ファミ通」でのクロスレビューは、40点満点中38点でプラチナ殿堂入りを果たした[4]

売上[編集]

『Marvel's Spider-Man 2』は発売から最初の24時間で、パッケージ版とダウンロード版を合わせて250万本以上を売り上げ、PlayStation Studiosが開発したゲームの中で史上最速の販売本数を記録した[5][6]。その後、売上は11日間で500万本以上に達し[7]、2024年2月4日に1000万本を達成した[8]

登場キャラクター[編集]

スパイダーマンサイド[編集]

ピーター・ベンジャミン・パーカー / スパイダーマン
声:興津和幸[9] / 英:ユーリ・ローエンタール
主人公の1人。25歳。「ブルックリン・ヴィジョンズ・アカデミー」の教員として働き始めるが、暴れるサンドマンの対処に向かった結果「非常事態に生徒を置いて逃げ出した」と判断され、初日にクビを言い渡される。固有能力はDr.オクトパスの技術を参考にしたスパイダー・アームで、特殊効果はない。
その後、ハリーと再会し、彼が起ち上げた「エミリー・メイ財団」で働かないか誘われ、共に働くことを決意する。
クレイブンの事件を追う中で致命傷を負ってしまい、ハリーからシンビオートの力を得る。しかし、逃げ回るリザードに対する苛立ちやハリーの生命線を奪ってしまっている焦りからシンビオートに増幅された激情に支配されて行ってしまう。暴走が加速した結果、コナーズ博士の救出に成功するも本来の目的である「スーツの移譲」は忘れ去られ、力に溺れてマイルズ・MJ・ハリーなどに対して辛辣な態度を取るようになっていく。
マイルズ・モラレス / スパイダーマン
声:勝杏里[9] / 英:ナジ・ジェター
主人公の1人。17歳。「ブルックリン・ヴィジョンズ・アカデミー」の生徒。マーティン・リーに対しては、父親を殺された怒りを抱いている。固有能力は電撃を操るヴェノムパワーで、感電させられる他サンドマンに対して極めて有効。
ハンターによるRAFT輸送船襲撃時にりーと接触した際、ヴェノムとネガティブエネルギーが反応し、エボルヴ・ヴェノムへと進化した。未知の力であるため、当初は完全に解明できておらずストーリー進行に応じていくつもの使い方が発現していく。
ハリー・オズボーン
声:石川界人[9] / 英:グラハム・フィリップス
ピーターとMJの親友。病が完治し、3年ぶりにピーターとMJに再会する。新たに「エミリー・メイ財団」を起ち上げる。
しかし、その薬として使用されたのはシンビオートだった。当初は大人しくしていたものの、ピーターを救うためにシンビオートがピーターのスーツと化したことで病状が進行。さらにシンビオートがピーターの怒りを増幅したこともあり、二人の間に亀裂が入ってしまう。
ピーターが分離したシンビオートをコナーズ博士に破壊してもらおうとしたことで自分をないがしろにされたという怒りがシンビオートと共鳴し、ヴェノムへと変貌してしまう。そして、感情に任せてオズコープ警備員多数とクレイブンを殺害してしまったことで精神が限界に達し、「世界を癒す」という目的のためにシンビオートで世界を覆い尽くそうとする。
凶悪な振る舞いであるものの、目的はあくまで世界から苦痛を取り除くことであり、爆発的に増殖したシンビオートでNY中を覆いつくしはしても破壊活動自体はあまりない。ピーターに対しても捨てられた怒りはあっても殺意は抱いてない様子であり、一緒になろうと積極的に勧誘してきている。
メリー・ジェーン・ワトソン(通称MJ)
声:森なな子[9] / 英:ローラ・ベイリー
ピーターの彼女。大手新聞社「デイリー・ビューグル」の記者として働いている。
ガンケ・リー
声:高木渉[9] / 英:グリフィン・プアトゥ
マイルズの親友。スパイダーマンズに「隣人アプリ」を開発する等協力する。
リオ・モラレス
声:滝沢ロコ[9] / 英:ジャクリーン・ピノール
マイルズの母。市議会議員として知られている。
ヘイリー・クーパー
声:酒井玲 / 英:ナターシャ・オフィリ
マイルズの片思いの相手。失語症で、マイルズやガンケらとは手話でコミュニケーションをとる。
ユリコ・“ユリ”・ワタナベ / レイス
声:恒松あゆみ / 英:タラ・プラット
ニューヨーク市警の元女性警部。フレイム率いるカルト集団を追う。
アーロン・デイビス(通称アーロンおじさん)
声:藤真秀 / 英:アイク・アマディ
マイルズの叔父。前作ではプラウラーというヴィランとして活動していたが、今作では出所しプラウラーとしては引退している。

ヴィラン[編集]

ヴェノム
声:楠大典 / 英:トニー・トッド
セルゲイ・クラヴィノフ / クレイブン・ザ・ハンター
声:岩崎ひろし[9] / 英:ジム・ピリ
著名なハンター。新たな獲物を求め、狩りの場をニューヨークへ移し、ハンター集団を率いて街中で暴れ回る。リザードをメインターゲットに据えて暴走・捕獲を試みるも、コナーズ博士の身柄を確保しようとするブラックスパイダーマンの力を見てシンビオートにも興味を示す。
マーティン・リー / ミスター・ネガティブ
声:宮本充[9] / 英:ステファン・オイヤング
クレイブンの標的の1人で、元億万長者。超破壊的な負のエネルギーを生み出してコントロールする能力を持つ。
「ラフト」に収監されていたが、「レイブンクロフト」へ移送中にハンター集団の襲撃を受け、クレイブンによって身柄を拘束される。当初は悪辣な態度が目立っていたが、捕獲された先で殺し合いを強要されたせいか精神的に疲弊し、マイルズが相対した時はいくらか落ち着いた様子を見せている。自分のネガティブエネルギーにも屈さず、仇である自分を許した彼に心を打たれて改心し、己の命を懸けて暴走したピーターを救う手助けをしている。
フレイム / クレタス・キャサディ
声:咲野俊介 / 英:チャド・ドレック
凶悪なカルト集団のリーダー。本作ではあくまでフレイムとしての活動のみとなっている。
フリント・マルコ / サンドマン
声:かぬか光明[9] / 英:レアンドロ・カノ
クレイブンの標的の1人で、放射線を浴びた特殊な砂でできた怪物。物語開始時、妄想に取り憑かれ、ダウンタウンで巨大化し暴れ出す。
スパイダーマンズによって倒され逮捕された際に、何者かがニューヨークに向かっていることを2人に警告する。理性の一部が結晶と化して分離してしまっており、本来はスーパーパワーの制御が怪しいが穏やかな性格。
カート・コナーズ / リザード
声:根本泰彦[9] / 英:マーク・ウィッテン
クレイブンの標的の1人で、ハリーの主治医。シンビオートの隕石にまつわる事件により右腕を失っている。
もはやリザードにはなりたくないのにリザードに執着するクレイブンによってまた変身させられるも、ピーターの用意した血清で元に戻ることができた。
クエンティン・ベック / ミステリオ
声:速水奨 / 英:ノシル・ダラル
特殊効果のエキスパート。最近釈放され、コニーアイランドにアトラクション「ミステリウム」を開く。
本人には悪意はなかったものの倫理観に問題があり、よりリアルなエンターテインメントのためにクレジットカード情報を抜き取って個人情報を収集するという手段を使っていた。
フェリシア・ハーディ / 二代目ブラックキャット
声:高垣彩陽 / 英:エリカ・リンドベック
クレイブンの標的の1人で、黒いレザースーツにしなやかな身体を包む美術品泥棒。ピーターの元彼女。どうやらバイセクシャルらしい。パリにいる恋人の元に急ぐ必要があったため、古代遺物を使って瞬間移動をしようと騒動を起こす。
ロニー・リンカーン / トゥームストーン
声:乃村健次 / 英:コーリー・ジョーンズ
クレイブンの標的の1人で、元麻薬王。改心し現在はコニーアイランドの整備士として働く。
スクリーム
声:沢海陽子 / 英:ローラ・ベイリー
マクドナルド・“マック”・ガーガン / スコーピオン
声:中尾隆聖 / 英:ジェイソン・スピサック
クレイブンの標的の1人で、殺し屋。サソリのような機械化バトルスーツを着用し、鋭い爪や毒針が付いた強力な尻尾を駆使して戦う。
「ラフト」に収監されていたが、「レイブンクロフト」へ移送中にハンター集団の襲撃を受け、クレイブンによって身柄を拘束される。
その後、クレイブンと直接対決をするが、自らの毒針により殺害される。身に着けていたスーツはトロフィーとして収集された。
マックス・ディロン / エレクトロ
クレイブンの標的の1人で、毎分約1000ボルトの静電エネルギーを生み出せる人間発電機。
直接的な登場はしないが、クレイブンによって殺害され、身に着けていたギアをトロフィーとして収集された。
エイドリアン・トゥームス / バルチャー
クレイブンの標的の1人で、天才的な技術者。飛行スーツを着用し、翼の先端からエネルギー弾を発射して戦う。
直接的な登場はしないが、クレイブンによって殺害され、飛行スーツをトロフィーとして収集された。
アレクセイ・シツェビッチ / ライノ
クレイブンの標的の1人で、サイを模した防護スーツを身にまとう大男。超人的な強さと鋼のように強靭な体を持つ。
直接的な登場はせず、クレイブンの狩りからは生存できた模様。
ハーマン・シュルツ / ショッカー
クレイブンの標的の1人で、ハイテクスーツに身を包む金庫破り。強力な振動波を生み出すガントレットを武器としている。
直接的な登場はしないが、クレイブンによって殺害され、身に着けていたヘルメットとガントレットをトロフィーとして収集された。
オットー・オクタビアス / ドクター・オクトパス
声:中博史 / 英:ウィリアム・サライヤーズ
ピーターの恩師である元科学者。1作目でのメインヴィラン。本作では常時RAFTにおり、本作のメインストーリーに関与はしない。病気の進行により手足は動かなくなっているはずだが、どういう理由か正常に動いている様子。
ドミトリ・スメルダコフ / カメレオン
声:? / 英:ジム・ピリ
クレイブンの異母兄弟でピーターが活動初期に捕らえた悪党。クレイブンの標的の一人であるものの、クレイブンとはかつてコンビで活動していた。

その他[編集]

ノーマン・オズボーン
声:堀内賢雄[9] / 英:マーク・ロルストン
ハリーの父。元ニューヨーク市長。「エミリー・メイ財団」の起ち上げに協力する。本作ではハリーがメインストーリーに関わってくるため、良くも悪くも愛情深い父親としての面が多い。
J・ジョナ・ジェイムソン
声:菅生隆之[9] / 英:ダリン・デ・ポール
MJの上司で、「デイリー・ビューグル」の発行人。スパイダーマンには否定的。大規模な人員整理を行おうとしており、MJを通じてブラックスパイダーマン暴走の要因の一端となった。
一方で、ヴェノムが大暴れした際はその凶行を嬉々として発信するようなことはせず、「変身してしまった」「あれがスパイダーマンと仮定するなら」とむしろスパイダーマンではないと認識しているようであり、逆説的に普段の活動による被害は救助活動の結果であることはわかってはいると思われる。
ビューグルの面接でのピーターとのやり取りが作中で描かれており、遅刻している彼に対し「コーヒーが覚めたら」と厳しいようで非常に曖昧な時間制限を提示し、発破をかけながら彼が来るまで待ち続けた。さらに、その上で彼が面接用に記事写真としてスパイダーマンが大写しになった写真を提示した際は文句も言わずに採用した。
ダニカ・ハート
声:渡辺明乃 / 英:アッシュリー・バーチ
人気番組「ダニキャスト」をポッドキャストで配信している女性。ジェイムソンとは対立的で、スパイダーマンを肯定する。ただし、ブラックスパイダーマンの凶悪な活動ぶりにはさすがに恐怖を覚えている。
ジェファーソン・デイビス
声:鈴木琢磨 / 英:ラッセル・リチャードソン
マイルズの父。リーに殺され、既に故人。
メイ・パーカー(通称メイおばさん)
声:土井美加[注 1] / 英:ナンシー・リナリ
ピーターの育て親でもある叔母。既に故人。

関連項目[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 『Marvel's Spider-Man』では滝沢久美子[要出典]が声を担当していた。

出典[編集]

  1. ^ 『Marvel's スパイダーマン2』情報まとめ。ストーリー、ゲームシステム、レビュー、インタビュー、プレイ動画などを紹介”. famitsu.com. 2023年10月20日閲覧。
  2. ^ 公式サイトより
  3. ^ PS5『Marvel's スパイダーマン2』本日(10/20)発売。スパイダーマンカラーの限定PS5など豪華賞品が抽選で当たるキャンペーンも実施中”. famitsu.com. 2023年10月20日閲覧。
  4. ^ クロスレビュー: Marvel's Spider-Man 2. 週刊ファミ通. 2023年10月19日
  5. ^ “Spider-Man 2 fastest-selling game made by PlayStation” (英語). BBC News. (2023年10月25日). https://www.bbc.com/news/technology-67214722 2024年2月14日閲覧。 
  6. ^ Sony says Spider-Man 2 is the fastest selling PlayStation Studios game in history” (英語). VGC (2023年10月23日). 2024年2月14日閲覧。
  7. ^ Yin-Poole, Wesley (2023年11月9日). “Marvel’s Spider-Man 2 Sells More Than 5 Million Copies in 11 Days” (英語). IGN. 2024年2月14日閲覧。
  8. ^ PS5 shipments top 54.8 million, Marvel’s Spider-Man 2 sales top 10 million” (英語). Gematsu (2024年2月14日). 2024年2月14日閲覧。
  9. ^ a b c d e f g h i j k l PS5用ソフト「Marvel's Spider-Man 2」本日発売。2人のスパイダーマンがヴェノムやリザードなどヴィランに挑む”. 4Gamer.net (2023年10月20日). 2024年4月7日閲覧。

外部リンク[編集]