MAN TGシリーズ
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TGシリーズ(英語: TG-Series)は、ドイツのMANグループのMAN Truck & Bus(旧:MAN Nutzfahrzeuge AG)、一部はオーストリアのシュタイア[1][2]が製造・販売する中型及び大型トラックとバンのシリーズである。
車種[編集]
すでに廃止された車種を含むと合計6台。
- TGA - F2000シリーズの後継モデルとして登場。 総重量18 - 50トンの大型車で、トラックとトレーラーヘッドの両方をラインナップした。長距離輸送向けモデルで、ドイツでは2007年まで生産された。
- TGL - L2000シリーズの後継モデルとして登場。総重量7.5 - 12トン級の中型車で、トラックのみをラインナップする。 汎用性が高く、多数の現場で使用される。 生産はオーストリアのシュタイア社が担当する[1][2]。
- TGM - M2000シリーズの後継モデルとして登場。総重量12 - 26トン級の中大型車で、トラックのみをラインナップする。生産はオーストリアのシュタイア社が担当する[1][2]。
- TGS - TGAの後継モデルとして登場。総重量18 - 41トン級の大型車で、トラックとトレーラーヘッドの両方をラインナップする。
- TGX - MANのフラッグシップモデルとして登場。総重量18 - 41トン級の大型車で、トラックとトレーラーヘッドの両方をラインナップする。
- TGE - 以前のTGシリーズとは全く異なる車種として登場。詳細は下記を参照。
初代(2000年 - 2020年)[編集]
- 2000年 - TGAがドイツで登場。
- 2001年 - TGAがトラック・オブ・ザ・イヤーを受賞。
- 2005年 - 不足していた中型トラックのラインナップを充実させるため、TGLとTGMが登場。
- 2006年 - アムステルダムで開催されたショーでTGLがトラック・オブ・ザ・イヤーを受賞。
- 2007年 - TGAがドイツで生産終了。
- 2007年 - TGXとTGSが登場。TGAはMT仕様のみであったが、TGXとTGSはMT仕様に加えて同社が開発したAT仕様もラインナップされた。また、TGXはターボエンジンがオプションで設定された。
- 2008年 - TGXがトラック・オブ・ザ・イヤーを受賞。
- 2012年 - 全モデルのフロントグリルを変更。
- 2016年 - フェイスリフトが実施され、MANを代表するライオンロゴがついたグリルに変更された。TGXとTGSはエンジンが強化された。一部のモデルは、姉妹ブランドのスカニアとギアボックスを共有している。
- 2019年 - インテリアが変更され、TGXとTGSにマイナーチェンジが実施された。再びエンジンも強化された。
フォルクスワーゲン・メテオ[編集]
- 2020年9月1日にブラジルのフォルクスワーゲン・トラック&バスが初代TGXの改良版である同様のボディを持つ大型トラックを発売した。フォルクスワーゲンのフラッグシップトラックモデルとして販売される。TGXとの違いは、主にフロントグリルで、形状が異なる。なお、インテリアはエンブレム以外の違いはない。
2代目(2020年 - )[編集]
- 2020年2月10日にスペインのビルバオで開催されたイベントで、2代目モデルが一般公開された。約20年ぶりのモデルチェンジとなる。初代から引き継いだ4台がフルモデルチェンジされ、すべて新型のスタイルとなった。キャブやフレームは先代モデルと同様のものを使用しているが、フロントグリルなどは大きく変更され、快適性が向上した。ルーフは3種類、エンジンはこれまでと同じの4種類。TGX専用の15.2LのD38型、12.4LのD26型、TGXとTGSが搭載する9.0LのD15型。TGMとTGLは4気筒が4.6L、6気筒が6.9LのD08型を搭載する[1]。
- 新型TGXが、欧州の商用車ジャーナリストが選ぶインターナショナル・トラック・オブ・ザ・イヤー2021を受賞したと発表された。審査員は、TGXの完全デジタル化されたディスプレイ表示や、快適な運転操作が行える運転性能、マルチメディア機能を持つステアリングなど、ドライバーの運転快適性を高く評価した。空気抵抗の少ないキャブ設計とGPSクルーズコントロールシステムにより、従来のモデルと比較して8.2%の燃費改善を実現したことも評価された [3]。このシステムは、車両の転回や車線変更を支援する機能、車線逸脱防止支援システムなどを装備し、他車や歩行者の安全にも配慮している。インターナショナル・トラック・オブ・ザ・イヤーの代表を務めるジアネンリコグリッフィーニは、受賞理由について「新しいMAN・TGXは、ドライバーの快適性や燃費効率、(通信などの)接続性、ドライバーと車両の協調において、大きく前進している。未来志向のトラックだ」と総評した[3]。
- 新型TGXをベースとした自動運転レベル4の無人トラックを開発、ロジスティクス4.0の実現を目指しているという。MANは多くの企業・団体とともにATLAS-L4プロジェクトを進めており、このプロジェクトを通じてドライバーレスで物流拠点間を走行できるバスの開発に取り組み、ドライバー不足や事故・渋滞などの解消につなげていく考えだという。2020年代半ばには高速道路での自動運転トラックのテストを終え、生産に移行する予定だという[4]。
TGE[編集]
- 2017年 - TGシリーズに新たなモデル「TGE」が登場。TGEはフォルクスワーゲン・クラフターのバッジエンジニアリングモデルだが、フロントグリルが異なる。100 - 177PSを発揮する2.0Lディーゼルと6段MT、8段ATを組み合わせる[2]。クラフター同様、フォルクスワーゲン商用車が生産している。主にバンとして使われるが、小型トラックやキャンピングカーなどとしても使われることがある。
モータースポーツ[編集]
脚注[編集]
- ^ a b c d “ワイルド&ゴージャス!! 20年ぶりにフルモデルチェンジしたMANの新世代中大型トラックシリーズが超COOL!!”. トラック総合情報誌「フルロード」公式WEBサイト (2022年1月2日). 2024年1月22日閲覧。
- ^ a b c d “トレードマークは百獣の王ライオン!! 世界初の実用ディーゼルエンジンを開発したドイツの老舗「MAN」とは?【世界のトラック】”. トラック総合情報誌「フルロード」公式WEBサイト (2023年3月6日). 2024年2月5日閲覧。
- ^ a b “MAN「TGX」が国際トラック・オブ・ザ・イヤー受賞”. www.logi-today.com. 2024年2月5日閲覧。
- ^ 自動運転ラボ編集部 (2022年4月14日). “独MAN、レベル4自動運転トラックで「ロジスティクス4.0」実現へ | 自動運転ラボ”. 2024年2月6日閲覧。