Jin Dogg

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Jin Dogg
2023年
基本情報
生誕 1990年9月10日
出身地 日本の旗 日本大阪府大阪市生野区
ジャンル ヒップホップ
職業 ラッパー
活動期間 2011年 -
公式サイト Jin Dogg - TuneCore Japan
人物
国籍 大韓民国の旗 大韓民国[2]
身長 188 cm (6 ft 2 in)[1]
YouTube
チャンネル
活動期間 2016年 -
ジャンル 音楽
登録者数 約1.22万人
総再生回数 7,303,327回
チャンネル登録者数・総再生回数は
2023年9月25日時点。
テンプレートを表示

Jin Dogg(ジン ドッグ、1990年9月10日 - )は日本で活動する韓国国籍のラッパー。「Jin Dogg」の名前はSnoop Dogg珍島犬:진돗개、Jindotgae)に由来する[2]

来歴[編集]

映像外部リンク
Jin Dogg - 1st High - 抱腹絶倒 - mixed by DJ Bullset (Full Mix) - Youtube
Jin Dogg - AM 2:00 feat. 23vrsz (Official Music Video) - Youtube

生い立ち[編集]

1990年大阪府大阪市生野区桃谷で誕生[2][3]。両親は韓国人で自らは在日3世にあたる[2]。父親は子供の頃からいなかった[4]。保育園まで生野区で育ち、大阪市内を転々としたのち天王寺区に引っ越す[5]。当時の天王寺区は在日韓国人が少なかったためいじめを受ける[5]。10歳で渡韓し、現地の日本人学校に通う[2]。韓国では「日本人である」という理由からいじめを受け、アイデンティティに悩んだ彼は「一回グレた」こともあった[6]

14歳違いの姉の影響からヒップホップ文化に慣れ親しみ[4]、小学5年生のときからヒップホップ音楽を聴きはじめる[7]。中学2年生の後半から3年生でヒップホップを一気に好きになり[8]、スヌープ・ドッグをはじめとするGファンクや、ノトーリアス・B.I.G.などを聴いていた[7]。また、韓国で「当時流行っていた」Deepflow英語版などを好んでいた[注 1]。日本語ラップではZeebraを聴いていたほか、OZROSAURUSの『Rollin’ 045』に衝撃を受けた[2]オーストラリアに半年間留学した際に格闘ゲームのDef Jam: Fight for NY英語版に出会い、影響を受ける[5]。このとき買ったリュダクリスのファーストアルバムが、初めて買ったヒップホップのCDであった[8]。留学後は韓国のアメリカンスクールに入学し、友人が英語でフリースタイルをしていたのをきっかけに、自らもラップを始める[2]。18歳でアメリカンスクールを退学し、日本の高校に転入する[2]

その後も韓国の友人と、スカイプで遊びの一環としてラップを続け、その延長でリル・ウェインの『A Milli英語版』のビートで韓国語ラップを作る[5]。友人に誘われてANARCHY般若のライブを見たことをきっかけに、高校卒業後の2011年よりライブやレコーディングなどをするようになった[2][5]。はじめてレコーディングした曲は『24 BARS TO KILL』の歌詞を英訳したものだった[5]。地元の友人に一二三屋サイファーに連れて行かれ、そこでWILYWNKAYoung Cocoと知り合う[4]

キャリア[編集]

楽曲を録り溜め、2012年3月に初のEP『Welcome to Bang Bang I.K.N』を発表する[2][4]。しかし、EPをリリースした後Jin Doggは違法薬物売買で大々的な失敗を犯してしまい、活動を休止する[4]。「いるのが気まずくなった」Jin Doggはミナミを飛び、3年ほどラブホテルの清掃員などをして過ごした[3]。「もともとハスラーキャラでもないし、ボスって感じでもない」というJin Doggは音楽性と自己の矛盾に悩んでいたが、休止期間にKOHHMonyHorseの「ありのままを歌う」スタイルに出会い、道を見出す[4]。Jin DoggはKOHHらの淡白なリリックに対して「どろどろとした」音楽を作りたいと考え、その中でBones英語版のライブスタイルやSuicideboysに強い影響を受ける[4][10]

2015年ごろ、イベントで紹介されたスタジオオーナーのYoung Yujiro(当時の名義はRadoo)と意気投合する[2]。Jin DoggはYoung Yujiroのスタジオに通うようになり、ファーストミックステープ『1st High ~抱腹絶倒~』をリリースするにあたりレーベル「Hibrid Entertainment」を共同設立した[11]。この頃キース・エイプ英語版Okasian英語版を通してトラップに触れる。このことにより、それまでGファンクの影響が強かったJin Doggの音楽性はトラップに近づいた[2]2017年にはセカンドミックステープ『2nd High』をリリースする[12]。同ミックステープも1stと同様のスタイルで作られたが、ホラー映画のようなイメージが志向された[4]

2019年12月にアルバム『SAD JAKE』『MAD JAKE』の2枚組アルバムをリリースする。両アルバムでは激しさと感傷的さの二面性がテーマとなった[8][10]。2023年12月に2ndアルバム『Blood&Bones (BLOOD)』をリリースする[13]。同アルバムも2枚組であり、2月17日に対となるアルバムである『Blood&Bones (BONES)』がリリースされた[14]

音楽性[編集]

リリックの書き溜めはあまりせず、基本的にはスタジオで全てを仕上げるスタイルを取っている[8]。楽曲制作のときには感情を重視しており[7]、音楽を自分なりのストレス発散方法であるとしている[6]。押韻をあまり重視せず、関西弁を生かした、話しているようなスタイルのラップを得意とする[2]

好きなアーティストとしてBones英語版SmokepurppGhostemane英語版を挙げる[11]。また、影響を受けたアーティストとしてANARCHY・MACCHOメシアTHEフライGizmoBaneを挙げる[8]

ディスコグラフィー[編集]

アルバム[編集]

タイトル 発売日 備考
SAD JAKE 2019年12月13日
MAD JAKE 2019年12月13日
Blood & Bones (BLOOD) 2023年12月16日
Blood & Bones (BONES) 2023年2月17日

EP・ミックステープ[編集]

タイトル 発売日 備考
Jin Dogg - 1st High - 抱腹絶倒 - mixed by DJ BULLSET 2016年4月19日
JIN DOGG - 2nd High -魑魅魍魎- mixed by DJ BULLSET 2017年10月13日
3rd High "起死回生" (mixed by DJ BULLSET) 2020年11月30日
HELL GATE 2019年10月25日 OVER KILLとのコラボEP。
You Don't Know 2021年10月7日

出演[編集]

映画[編集]

インターネットテレビ[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ ただし、Jin Doggと同じ日本語学校に通っていたValkneeは「それは...彼だけ聴いてたんだと思います(笑)」と、このことを部分的に否定している[9]

出典[編集]

  1. ^ RESOUND CLOTHING - JOEMONTANA×RESOUND コラボロングスリーブポケットビッグTシャツ / RCJ-T-001 / グレー”. LUKE ONLINESTORE. 2023年9月25日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m FNMNL 2017.
  3. ^ a b blackfilestv 2021.
  4. ^ a b c d e f g h HARDEST 2019.
  5. ^ a b c d e f HIP HOP DNA 2021a.
  6. ^ a b Red Bull 2019.
  7. ^ a b c lute 2018.
  8. ^ a b c d e JASON RODMAN 2020.
  9. ^ 【日本と韓国 : 隣国で暮らしてみて Vol.3 】”. FNMNL (2020年7月9日). 2022年3月6日閲覧。
  10. ^ a b HIP HOP DNA 2021b.
  11. ^ a b Qetic 2018.
  12. ^ 注目ラッパーJin Doggのミックステープ『2nd High』がリリース”. FNMNL (2017年10月13日). 2022年3月6日閲覧。
  13. ^ Jin Dogg 待望の2nd アルバム 2部構成の大作から『BLOOD』発表 DADA、Watson、TAKABOが参加|THE MAGAZINE”. THE MAGAZINE. 2024年1月2日閲覧。
  14. ^ Jin Dogg 2部構成の2ndアルバム『Blood&Bones』後編『BONES』待望のリリース KEIJUやYoung Coco、Lil Foggy、Yvngboi P、Young Zetton、BLAISE、S TILL I DIEらが客演参加 プロデューサーにはHomunculu$、DJ BULLSET、Koshy、Lil G、Hadihaad、Hokuto、Lil Yamagucci、youngsavagecoco、GeG、DJ Ezel|THE MAGAZINE”. THE MAGAZINE. 2024年2月27日閲覧。
  15. ^ Sin Clock : 作品情報”. 映画.com. 2023年1月29日閲覧。
  16. ^ Inc, Natasha. “Sin Clock | あらすじ・内容・スタッフ・キャスト・作品情報”. 映画ナタリー. 2023年1月29日閲覧。
  17. ^ my name is:#18 Jin Dogg”. abemagraph.info. 2023年6月2日閲覧。

参考資料[編集]

外部リンク[編集]