CARNAVAL (大貫妙子の曲)

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CARNAVAL
大貫妙子シングル
初出アルバム『ROMANTIQUE
B面 雨の夜明け
リリース
規格 7"シングルレコード
ジャンル ポップス
テクノポップ
シティ・ポップ
レーベル RCA/RVC
作詞・作曲 大貫妙子
プロデュース 牧村憲一[1]
大貫妙子 シングル 年表
じゃじゃ馬娘
1978年
CARNAVAL
1980年
ふたり
(1981年)
ROMANTIQUE 収録曲
SIDE A
  1. CARNAVAL
  2. ディケイド・ナイト
  3. 雨の夜明け
  4. 若き日の望楼
  5. BOHEMIAN
SIDE B
  1. 果てなき旅情
  2. ふたり
  3. 軽蔑
  4. 新しいシャツ
  5. 蜃気楼の街
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CARNAVAL」(カルナヴァル)は、1980年8月21日に発売された大貫妙子の4枚目のシングル[1]。A面・B面ともにアルバムROMANTIQUE』からリカットされた。

概要・背景[編集]

A面曲「CARNAVAL」は、坂本龍一るアップテンポな楽曲で[2]、クールなテクノポップ風のサウンドが特徴の1曲となっている[3]。この曲の演奏を全面的にバックアップしているのが、テクノポップが流行し始めた年であり音楽業界では ”テクノ元年” とも呼ばれた1978年にデビューし[4]、当時アルバム『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』のヒットによりブレイクを果たしたイエロー・マジック・オーケストラ(YMO)のメンバー3人である。プロデューサーの牧村憲一は、アルバムの中の1曲はテクノサウンドを取り入れたものにしようと考え、その代表曲がこの「CARNAVAL」となった[4]。演奏には、YMOのツアーメンバーとしても活動していた大村憲司松武秀樹も参加している[5]

2018年3月23日には、音楽ユニットのStudio Muleがdip in the pool甲田益也子をヴォーカルに迎えてこの曲をカバーしており、12インチシングルとしてリリース。”Dance Edit”と”Extended Edit”の2バージョンが収録された[6]

B面曲「雨の夜明け」も坂本龍一がアレンジを担当しており、アコーディオンの音色がヨーロッパの街角をイメージさせる印象的なナンバーで[2]、後に発売される大貫のアルバムで数回に亘りセルフカバーが行われている名曲である。前作『MIGNONNE』の売上がやや不振だったことなどから、もう音楽を仕事にするのを止めようかとまで考えた大貫であったが、ある日アルバム『ROMANTIQUE』の制作に携わった加藤和彦の好意で自宅に招かれた際に、加藤の妻の安井かずみから「たあぼおちゃん、今度のアルバムの中の ”雨の夜明け” という曲があるでしょ?あの歌詞は、とってもいいと思うのよ。あなたなら、これからもずっと続けていけると思うから、頑張って!」[4]と励まされ、「どれだけ力をもらったかわからない。その一言があっていままで続けて来られたっていうのも嘘じゃないです。自分の尊敬する人から励まされるってこんなに大きい力がもらえるんだな、ってわかりました」と感謝の意を表している[7]

収録曲[編集]

両曲とも、作詞・作曲: 大貫妙子 / 編曲: 坂本龍一

  1. CARNAVAL[4:47]
  2. 雨の夜明け[4:33]

参加ミュージシャン[編集]

CARNAVAL[編集]

雨の夜明け[編集]

  • Rhodes Piano, Prophet 5: 坂本龍一
  • Drums: 高橋幸宏
  • Strings: 多グループ

カヴァー[編集]

曲名 アーティスト 収録作品 規格 発売日
CARNAVAL Studio Mule(dip in the pool甲田益也子 Carnaval feat. Miyako Koda 12 Inch Single 2018年3月23日

収録作品[編集]

CARNAVAL[編集]

雨の夜明け[編集]

  • 『ROMANTIQUE』(1980年)
  • 『CLASSICS』(1985年)
  • pure acoustic』(1996年)
  • 『History 1978-1984』Disc2(1999年)
  • 『ゴールデン☆ベスト 大貫妙子 〜RCA Years 1978-1984』(2005年)
  • 『Pure Acoustic 2018』(2018年)

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b 4th Single CARNAVAL”. 大貫妙子 Taeko Onuki. 2022年11月20日閲覧。
  2. ^ a b 1999年6月23日発売『ROMANTIQUE』再発盤(BVCK-38010)のライナーノーツより。
  3. ^ レコード・コレクターズ 2020 Vol.39,No.12 - P.55(ミュージック・マガジン)。
  4. ^ a b c 2018年7月25日発売のLP盤『ROMANTIQUE』の大貫本人によるライナーノーツの解説より。
  5. ^ 大貫妙子初期の傑作「ロマンティーク」「アヴァンチュール」のアナログ盤が復刻(7月25日発売)!”. PR TIMES. 2023年1月11日閲覧。
  6. ^ Studio Muleが大貫妙子 “Carnaval”をカバー、甲田益也子がヴォーカルとして参加”. Resident Advisor. 2023年1月10日閲覧。
  7. ^ 大貫40周年 2014, p. 12)

参考資料[編集]

  • 長井英治『Disk Collection 日本の女性シンガー・ソングライター』シンコーミュージック・エンタテイメント、2013年4月16日。ISBN 978-4-401-63804-8 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]