BMW・3200CS

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BMW・3200CS
インテリア
概要
販売期間 1962年-1965年
デザイン ベルトーネ
ボディ
乗車定員 4人
ボディタイプ 2ドア・ハードトップクーペ
駆動方式 FR
パワートレイン
エンジン V型8気筒・ガソリンOHV3,168cc
変速機 4速MT
前:独立・ダブルウィッシュボーン・トーションバー
後:固定・3リンク・トーションバー
前:独立・ダブルウィッシュボーン・トーションバー
後:固定・3リンク・トーションバー
車両寸法
ホイールベース 2,840mm
全長 4,850mm
全幅 1,760mm
全高 1,470mm
車両重量 1,500kg
系譜
先代 BMW・503
後継 BMW・2000CS
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BMW・3200CS西ドイツ(当時)の自動車メーカー・BMW1962年2月から1965年9月まで生産した大型のクーペ乗用車である。

概要[編集]

デビューは1961年フランクフルトモーターショーであった。3年間に約600台が生産された。1952年デビューのBMW・501/502系列の最終発展型で、V型8気筒エンジン搭載のBMW車は3200CSの消滅後、吸収合併したグラースの最上級モデルで、一時BMWブランドで生産された「3000・V8」を例外として、1992年BMW 740iが登場するまで一時途絶えた。

性格としてはBMWの経営危機のために1959年に製造中止となったBMW・503の後継モデルである。503の製造中止から3200CS登場までの2年間、BMWは一旦ダイムラー・ベンツへの吸収合併寸前の状態に陥った後、ヘルベルト・クヴァントによって救済され、同年に登場したBMW・700と、3200CSとほぼ同時に発表されたBMW・1500(ノイエクラッセ)によって、ようやく破綻の危機から脱しようとしていた。

機構的には502以来のV型8気筒3,168 ccエンジンを踏襲、ゼニス・ストロンバーグのツインキャブレターで160馬力に強化され、最高速度は200 km/hに達した。同時にマイナーチェンジを受けて2600/3200と名乗るようになった502同様、増加したパワーに対応して前輪にはディスクブレーキが装備された。

3200CS最大の特徴は、従来のボディを引き続き用いたセダンとは対照的な、イタリアのベルトーネが製作し、ミュンヘンのBMW工場で架装されることになった、全く新しいボディであった。フロントエンドこそ従来のBMWのイメージを強く残していたが、その後半部は軽快な2ドア・ピラーレスのハードトップクーペで、ベルトーネの新しいチーフデザイナー・ジョルジェット・ジウジアーロの個性が顕著に現われていた。

1500系の成功によって、BMWには大型高級車を少量生産する余裕がなくなったことから、3200CSは1965年9月に生産中止された。それと入れ替わるように1500系シャシーをベースとし車体はカルマンが製造したBMW・2000C/2000CSが同年に誕生し、3200CSを遥かに上回る人気を獲得することになる。

注釈[編集]

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