AKRacing

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AKRacing(エーケーレーシング)は、揚州奥凱カー用品有限公司(扬州奥凯汽车用品有限公司)が展開するゲーミングチェアのブランド[1]

概要[編集]

DXRACERとともにゲーミングチェアの黎明期からの定番ブランドである。両ブランドともに、「ゲーミングチェア」と言う概念がまだなかった2000年代前半からオフィスチェアとは違うスタイリッシュなデザインの椅子を製造し、2010年頃より積極的にeスポーツ大会のスポンサーとなって「ゲーミングチェア」と言う概念を確立し、国内外の市場を開拓した。

近年はAKRacingとよく似たデザインで低価格・低品質なブランドも存在しているが、AKRacingは江蘇省揚州市に拠点を構える正規のメーカーであり、イスのフレームなどの基幹部品のサプライヤーを自社の傘下とし、製造から組み立てまで自社で行うことにより品質の安定化を図っている[2]

日本国内では2015年よりテックウインド社を代理店としてゲーミングチェアを展開しており、吉本興業のeスポーツチームとプロモーション契約を締結する[3]など、国内の様々なeスポーツチームをスポンサードしている。また、味の素スタジアムFC東京の主催試合)の選手用シート[4]および明治神宮野球場東京ヤクルトスワローズの主催試合)や東京ドーム読売ジャイアンツの主催試合)の監督用シート[5][6]にも採用されるなど、ゲームに限らずスポーツ界にも進出している。日本国内のゲーミングチェアユーザーを対象とした調査結果では、ゲーマーのお気に入りブランドのトップがAKRacingであった[7]

オフィスチェアやレーシングカー用シートも手掛けており、2011年よりアメリカの特殊部品市場協会(SEMA)にも出展しているが、売り上げはゲーミングチェアが大半とのこと。

なお、「AKRacing」は中国国外向けのブランドで、中国国内向けのブランドは「AKPLAYER」である。

歴史[編集]

2000年に江蘇省揚州市広陵区にて設立される。

設立当初は中国国内向けのレーシングカー用シートを生産すると同時に、オフィスチェアの製造も手掛けていたが、当時のオフィスチェアは「スタイリッシュ感が足りない」、という若者からの要望により[8]、ゲーマー向けのスタイリッシュな椅子を製造するようになる(現代で言うところのゲーミングチェアだが、当時は「ゲーミングチェア」と言う概念はまだ存在せず、世界初のゲーミングチェアは2006年に発売したDXRACERとされている[9])。しかし、当時の中国はゲーム市場が小さかったため、2001年より欧州市場に進出。2003年よりアメリカ市場にも進出する。

2004年に世界最大のレーシングブランドと深く協力してプロ向けレーシングシートを製造・加工した(AKRacingの公式サイトでは社名非公開だが、テックウインド社の公式サイトによると、NISSAN)のを機に、2005年より中国国外向けに「AKRacing」のブランドを用いるようになる。2008年より国外展開を本格化させ、World Cyber Gamesなど国際的なゲーム大会のスポンサーとして試合専用チェアを供給するようになる。

2010年代より中国ゲーミング市場も発展してきたことにより、2011年には「テンセントゲームカーニバル」に協賛、2012年にはChinaJoyに出展するなど、中国国内のゲームイベントにも積極的に関わるようになる。

2015年にはテックウインド株式会社と独占契約を結び、日本に進出。日本国内で販売する製品はテックウインド株式会社が選定・企画している。

製品[編集]

ゲーミングチェアの一般的な機能であるヘッドレストとランバーサポートを備えており、リクライニングにより寝ることもできる。特にAKRacing製品は180度のリクライニングが可能である点が特徴である。表面素材としてはポリウレタンレザー製とファブリック製がある。日本製素材の採用にも積極的であり、岡山県産デニム生地や泉州地域産スウェット生地を使用した製品も展開している。

全チェア製品に対して5年間の製品保証を提供している(コラボ商品など一部モデルを除く)。JIS規格に基づく耐久性試験を実施している。

製品ラインナップ[編集]

レギュラーモデル[編集]

  • Premium Monarca - イタリア製本革を張地に採用した最上位モデル
  • デニムシリーズ - 岡山県産の綿100%デニム生地を張地に採用し、耐久性と適度な通気性・吸湿性を併せ持つモデル
  • Premium シリーズ - オフィスでの使用を想定した、落ち着いたデザイン・カラーリングのモデル
  • Pro-X V2シリーズ - AKRacingゲーミングチェアのフラッグシップモデル。AKRacing Europeのスウェーデンチームによりデザインされ、大きめのサイズ感とゆったりとした座り心地が特長
  • Overtureシリーズ - 適度なホールド感のある、スタンダードゲーミングチェア。6色展開というカラーバリエーションも特徴
  • Nitro V2シリーズ - 日本進出当初から発売している、ベーシックなモデル。
  • Wolfシリーズ - 張地に通気性に優れたファブリック素材を採用したエントリーモデル
  • Pinonシリーズ - 同社が初めて若年層向けに開発した、適正身長145~165cmのコンパクトモデル
  • 極坐 V2シリーズ - 日本市場限定で発売されている座椅子タイプモデル

コラボレーションモデル[編集]

  • 本田翼監修 オリジナルデザインモデル - イメージキャラクターの本田翼がデザイン監修し、飽きの来ないデザインとインテリアとの親和性を意識したモデル
  • ONE PIECEモデル
  • Pro-X V2ジャイアンツ
  • 東北楽天ゴールデンイーグルスモデル
  • サッカー日本代表Ver.
  • AKRacing by BEAMS DESIGNモデル

提供番組[編集]

過去提供番組[編集]

公式YouTubeチャンネル[編集]

"AKRacing JP"の名前で公式YouTubeチャンネルを展開している

レギュラーコーナー

イメージキャラクター[編集]

脚注[編集]

  1. ^ AKRracing公式サイト”. AKRracing. 2021年2月11日閲覧。
  2. ^ レーシングシート開発歴10年以上!ゲーミングチェアのAKRacing”. TEKWIND. 2021年2月11日閲覧。
  3. ^ PARTNERS”. よしもとゲーミング. 2021年2月11日閲覧。
  4. ^ FC東京×AKRacing コラボグッズ販売のお知らせ”. FC東京. 2021年2月11日閲覧。
  5. ^ AKRacingゲーミングチェア 明治神宮野球場 セ・リーグ公式戦 監督用シートに採用決定”. TEKWIND. 2021年2月11日閲覧。
  6. ^ AKRacingとオフィシャルサプライヤー契約を締結 - 東京読売巨人軍球団ニュース・2021年3月19日リリース。なお、東京ドームでの巨人主催試合開催時は、バックネットの広告が「AKRacing」のものに変わる(巨人以外の球団主催試合とアマチュア野球開催時は「ラクーア」などの広告に差し替え)。
  7. ^ 【調査】87.9%のユーザーが満足!ゲーマーお気に入りのゲーミングチェアブランドは「AKRacing」”. eSports World. 2021年9月21日閲覧。
  8. ^ ゲーミングチェアブランド「AKRacing」代表李峰氏インタビュー”. GAME Watch. 2021年2月11日閲覧。
  9. ^ The complete history of gaming chairs: 2006-2020”. CHAIRSFX. 2021年2月11日閲覧。
  10. ^ 本田翼さんがAKRacingゲーミングチェアのイメージキャラクターに就任』(プレスリリース)テックウインド株式会社、2020年10月1日https://www.tekwind.co.jp/AKR/specials/entry_562.php2021年6月24日閲覧 
  11. ^ AKRacing 本田翼さん出演の新CM 2編を2月1日より放映開始 ”AKRacing本田翼監修オリジナルカラーモデル”を発売』(プレスリリース)テックウインド株式会社、2023年1月31日https://www.tekwind.co.jp/AKR/information/entry_1140.php2023年11月17日閲覧 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]