面白い数のパラドックス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

面白い数のパラドックス(おもしろいかずのパラドックス)は、数学ジョークの一つである。すべての自然数を「面白い」「面白くない」として分類しようとする試みから生じる。 パラドックスは、「すべての自然数は面白い」と述べている。 証明は背理法によるものである。面白くない自然数の空でない集合が存在する場合、最小の面白くない数が存在するが、「最小の面白くない数」はそれ自体が面白い性質であるので、矛盾が生じる。

数学者のゴッドフレイ・ハロルド・ハーディシュリニヴァーサ・ラマヌジャンの間の面白い・面白くない数についての議論で、ハーディは彼が乗ったタクシーの番号1729を「かなりつまらない」と述べた。しかし、ラマヌジャンはすぐにそれが面白いと答えた。 これは、2通りの「2つの立方数の和」で表せる最小の自然数だからである。

性質[編集]

このようにすべての数を分類しようとすると、パラドックスまたは二律背反につながる。自然数面白い・面白くない集合分割することは失敗している。「面白さ」の定義は通常、主観的で直感的な概念だからである。

「面白い」が客観的に定義されている場合、パラドックスは軽減される。たとえば、オンライン整数列大辞典のエントリに現れない最小の自然数は、 2009年6月12日の時点では11630であることが判明していた.[1]。 この定義に適合する数は、2009年11月から少なくとも2011年11月までの間は12407であり、2012年4月の時点で13794になり、 2013年11月から少なくとも2014年4月14日までの間は14228であった[1]。2021年11月現在では、この数は20067となっている。[2]この面白くない数の定義は、OEISが各数列を有限個の要素のみリストアップするため可能である。例えば、 OEIS : A000027はすべての自然数の列であり、無限に継続すると、すべての正の整数が含まれる。しかし、数列は77までしかエントリに記録されていない。[3]

数学者で哲学者のAlex Bellos英語版は、2014年に、247が「英語版ウィキペディアに独立した記事を持たない最小の数」であったため、面白くない最小の数の候補になると提案した。 [4]

ウェブサイト このウェブサイトにない最小の数
英語版ウィキペディア 264
ウィキペディア日本語版 481
Prime curios 492(サイト承認済みの場合は326
Properties of first 5000 integers 291
Notable Properties of Specific Numbers 80
Number properties 309
OEIS 20067

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b Johnston, N. (2009年6月12日). “11630 is the First Uninteresting Number”. 2011年11月12日閲覧。
  2. ^ OEIS FUN facts”. benwiederhake.github.io. 2021年10月9日閲覧。
  3. ^ Charles R Greathouse IV. “Uninteresting Numbers”. 2018年6月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年8月28日閲覧。
  4. ^ Bellos, Alex (June 2014). The Grapes of Math: How Life Reflects Numbers and Numbers Reflect Life. illus. The Surreal McCoy (1st Simon & Schuster hardcover ed.). N.Y.: Simon & Schuster. pp. 238 & 319 (quoting p. 319). ISBN 978-1-4516-4009-0 

参考文献[編集]

外部リンク[編集]