陳雲 (香港)

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陳 雲
教育 ゲオルク・アウグスト大学民俗学博士
香港中文大学比較文学修士
香港中文大学英文文学士
職業 作家
政治家
政治評論家
社会運動家
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陳 雲(ちん うん、チン・ワン、:Horace Chin Wan-kan、1961年 - )は、香港の学者・作家。本名は陳云根2020年まで香港本土派の政治家として活動し、香港自治運動を提唱・推進した。香港復興会中国語版の会長・創設者としても知られる。

経歴[編集]

香港中文大学比較文学の修士号を、ドイツゲオルク・アウグスト大学ゲッティンゲン民俗学の博士号(副専攻は民族学と中国学)を取得した。嶺南大学に中国語学科助教授として勤めるかたわら、代表的な著作である『香港城邦論中国語版』(2011年発表)などを手掛けた[1]。 2008年には、香港テレビ第五回香港書獎中得獎(芸術批評)を受賞。

2016年8月15日、嶺南大学は契約を更新しないことを決定、7年間の教職生活に終止符を打った[2][3]

2016年7月27日、陳雲は、香港復興会中国語版を代表して、熱血公民などと手を組んで香港立法会選挙に立候補者を立てたが、落選[4]

2021年3月1日、彼の支持者とともに、香港市民党中国語版を立ち上げた。

主な主張[編集]

香港人のための香港を目指し、中国の内政には口出しするべきではないという香港本土派としての香港主体の考え方を主張するものの、香港独立論からは距離をおいており、「香港城邦論中国語版」では香港基本法を改正し最終的着地点はイギリス連邦におけるオーストラリアやニュージーランドと同じような地位と関係を目指している。つまり、独立ではなく完全な自治を目標としている。[5] また、極度に愛国主義が浸透した民主化した中国は共産中国より悪質であると主張している。

2019年-2020年香港民主化デモ[編集]

2019年-2020年香港民主化デモでは香港自治行動の設立を呼びかけ、トランプ大統領に香港支持を呼び掛けたり、G20大阪サミットでのデモを呼び掛けた。[6][7]

国家安全法成立後[編集]

香港での国家安全法成立後は香港城邦論中国語版は図書館などにおいて検閲の対象になっている。[8]また、フェイスブック上で「社会運動からの脱退」を宣言。「国家安全(維持)法は香港社会に安定をもたらす」と述べた。[9]

著作(すべて中国語、訳書なし)[編集]

天地圖書
香港國際政治經濟出版社
青文書屋
花千樹出版有限公司
明報出版社
天窗出版社有限公司
次文化堂
四筆象(次文化堂)
文化工作坊
華夏聖言出版社


脚注[編集]

  1. ^ “城邦論民族論書籍熱賣” (中国語). 蘋果日報. (2016年3月8日). オリジナルの2017年3月26日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20170326051639/http://hk.apple.nextmedia.com/news/art/20150308/19068007 2021年4月14日閲覧。 
  2. ^ “港獨「國師」陳雲不獲嶺大續約 8月中要走”. 東方日報. (2016年4月14日). オリジナルの2016年7月20日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160720133403/http://hk.on.cc/hk/bkn/cnt/news/20160414/bkn-20160414094308685-0414_00822_001.html 2016年8月14日閲覧。 
  3. ^ 『香港城邦論』の陳雲氏、教職契約打ち切り
  4. ^ “【立會選戰】陳雲報名high到震 記者都唔識問…”. 蘋果日報. (2016年7月27日). オリジナルの2016年8月25日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160825195225/http://hk.apple.nextmedia.com/realtime/news/20160727/55414811 2016年8月14日閲覧。 
  5. ^ 香港「本土派」は何を望んでいるのか : 『香港城邦論』の著者に聞く「都市国家」のゆくえ 世界 (886), 267-273, 2016-09 岩波書店
  6. ^ 香港自治行動HP
  7. ^ 香港自治行動Twitter
  8. ^ 民主派書籍、閲覧不可に 国安法で図書館も統制―香港
  9. ^ 香港民主派に恐怖広がる 「逮捕情報」出回る―国家安全法、30日にも成立
  10. ^ 陳雲:《天書Impossible——論香港的中國文化教育》”. 2011年1月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年7月24日閲覧。
  11. ^ 香港城邦論”. 天窗出版社. 2011年12月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年12月9日閲覧。
  12. ^ 陳雲:《術數批判》”. 2010年8月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年8月22日閲覧。
  13. ^ 陳雲、王慧麟編:《九評政府黨》”. 2015年7月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年10月23日閲覧。
  14. ^ 陳雲:《廣東雅言》”. 2016年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年10月23日閲覧。
  15. ^ 陳雲、甄小慧:《殖民地美學》”. 2016年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年10月23日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]