金沢治

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金沢 治(かなざわ おさめ、1899年明治32年)2月14日 - 1981年昭和56年)5月12日[注釈 1])は日本歌人郷土史家方言研究家[1]飯田義資(1894-1973)・一宮松次(1897-1972)と共に徳島県郷土史研究の三大長老の1人とされる[2]

来歴・人物[編集]

1899年2月14日徳島県美馬郡半田町(現:つるぎ町)に金沢与平の長男として生まれる[3]

1918年3月、徳島県師範学校本科第一部を卒業する[3]

1923年4月、上京し国学院大学高等師範部に入学する[3]。在学中は折口信夫に師事する[4]

1926年、国学院大学高等師範部を卒業し[4]神奈川県立商工高等学校に就職する[3]

1927年、帰郷し徳島県立徳島中学校に転任する[3]

1930年10月6日文部省が懸賞応募した「日本青年の歌」に歌詞が当選する[5][注釈 2]

1933年徳島県立美馬高等女学校に転任する[3]

1940年徳島県民歌を作詞する[6]

1942年徳島県立海部高等女学校の校長となる[3]

1945年、徳島県立美馬高等女学校の校長となる[3]

1947年私立香蘭高等学校に転任する[3]

1950年4月から徳島県史編纂を企画する。同年7月、徳島県立辻高等学校の講師となる[3]

1959年11月、「徳島県史編さん委員会」を発足する[3]

1967年、徳島県資料調査員に任ぜられる[3]1973年11月、胸部疾患により退職する[3]

1972年、徳島県文化財専門委員を委嘱せられる[3]

1971年11月、徳島県民賞を受ける[3]

1972年5月、徳島県知事表彰を、同年11月、勲四等瑞宝章を受ける[2]

1981年5月11日、昼過ぎから散歩に出掛けたまま帰らなくなり、翌日に徳島市八万町圓福寺において「これ以上老醜をさらしたくないので自決する」という旨の遺書を残し、首吊り自殺をしているのが発見される[2]

主な著書[編集]

単著[編集]

  • 『阿波の鬼事遊び十二種』地平社書房、1930年8月。 
  • 『阿波美馬郡方言語彙』春陽堂、1934年2月。 
  • 『白庭』徳島歌人社、1948年9月。 NCID BA58502890 
  • 『阿波に於けるアクセントの研究』金沢治、1950年。 NCID BB06667793 
  • 『阿波方言 第1巻 第3号』徳島県教育研究所、1952年1月。 
  • 『柊のうた』金沢治先生環暦記念刊行会、1959年8月。 NCID BN11477000 
  • 『阿波言葉の辞典』徳島県教育会、1960年3月。 NCID BN05756804全国書誌番号:60014446 
  • 『庚午事変の再検討と北海道移住の始末』1960年5月。 
  • 『方言アクセントからみた阿讃の交渉』金沢治、1960年。 NCID BB28958177 
  • 『阿波言葉の語法』徳島市中央公民館付属図書館、1961年3月。 NCID BN05756950全国書誌番号:61009699 
  • 『阿波民俗資料集』金沢治、1962年12月。 NCID BN11481165 
  • 『徳島県史史料』徳島県史編さん委員会、1962年。 
  • 『阿波民俗資料 年中行事』金沢治、1963年。 
  • 『岡本韋庵先生の家系と年譜』1964年。 
  • 『阿波郷土史伝』金沢治、1967年9月。 
  • 『阿波の春秋』徳島県教育会〈とくしま新書〉、1971年1月。 NCID BA80603226 
  • 『徳島』第一法規出版〈日本の民俗 36〉、1974年8月。 NCID BN01544928全国書誌番号:73017172 
  • 『失われつつある阿波言葉』金沢治、1974年3月。 NCID BB06669802 
  • 『徳島県政外史』金沢治、1974年。 
  • 『夕鶏』徳島歌人新社〈徳島歌人叢書 17〉、1975年。 

共著[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 『人物レファレンス事典』では1982年[1]
  2. ^ 作曲は東京音楽学校[5]

出典[編集]

  1. ^ a b 『新訂増補 人物レファレンス事典 明治・大正・昭和(戦前)編Ⅱ(2000-2009)あ~す』日外アソシエーツ株式会社、2010年12月、531頁。ISBN 978-4-8169-2293-0 
  2. ^ a b c 「金沢治さんが自殺」『徳島新聞』、1981年5月13日。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 金澤かなざわおさめ先生(略年譜)」『金澤治先生喜寿記念論集 阿波・歴史と風土』教育出版センター、1976年2月。 
  4. ^ a b 「著者略歴」『徳島』第一法規出版〈日本の民俗 36〉、1974年8月。 
  5. ^ a b 「当選歌を発表 令旨奉答歌と日本青年の歌」『読売新聞』第19260号、1930年10月7日。
  6. ^ 三好昭一郎「かなざわ おさめ 金澤治」『別冊 徳島県歴史人物鑑』徳島新聞社、1994年6月、103頁。ISBN 4-88606-022-6 

外部リンク[編集]