転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す

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転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す
ジャンル ハイ・ファンタジー
小説
著者 十夜
イラスト chibi
出版社 アース・スター エンターテイメント
掲載サイト 小説家になろう
レーベル アース・スターノベル
連載期間 2019年1月6日 -
刊行期間 2019年6月15日 -
巻数 既刊9巻（2023年10月現在）
小説：転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す ZERO
著者 十夜
イラスト chibi
出版社 アース・スター エンターテイメント
レーベル アース・スターノベル
刊行期間 2022年7月15日 -
巻数 既刊4巻（2024年3月現在）
漫画：転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す
A Tale of The Great Saint
原作・原案など 十夜・chibi（原作）
作画 青辺マヒト
出版社 アース・スター エンターテイメント
掲載サイト コミック アース・スター
レーベル アース・スターコミックス
発表期間 2019年12月19日 -
巻数 既刊10巻（2024年3月現在）
漫画：転生した大聖女は、聖女であることをひた隠すZERO
〜The Great Saint of Remembrance〜
原作・原案など 十夜・chibi（原作）
作画 海楠
出版社 アース・スター エンターテイメント
掲載サイト コミック アース・スター
レーベル アース・スターコミックス
発表期間 2023年10月19日 -
巻数 既刊1巻（2024年3月現在）
テンプレート - ノート
プロジェクト ライトノベル・漫画
ポータル 文学・漫画

『転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す』（てんせいしただいせいじょはせいじょであることをひたかくす）は、十夜による日本のライトノベル。イラストはchibiが担当。略称は「転生した大聖女」[1]。2019年1月6日より小説家になろうで連載されており、同年6月15日からはアース・スターノベル（アース・スター エンターテイメント）より書籍化されている。2022年7月15日からはスピンオフの過去編となる『転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す ZERO』が全編描きおろしで刊行されている[2]。

2019年12月19日からは『転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す A Tale of The Great Saint』のタイトルで[3]『コミック アース・スター』（同社）にてコミカライズが連載されている[4]。作画は青辺マヒト。『ZERO』のコミカライズ『転生した大聖女は、聖女であることをひた隠すZERO 〜The Great Saint of Remembrance〜』は海楠の作画により[注 1]2023年10月19日より同サイトで連載[6]。

2024年3月時点でシリーズ累計部数は250万部を突破している[7]。

あらすじ[編集]

少女・フィーア・ルードは、森で黒い鳥に回復薬を使用したところ、黒龍であったその生き物に襲われ、死にかける。死の間際、フィーアは自身の前世が300年前の大聖女・セラフィーナであったことを思い出し、聖女としての力も取り戻す。その力で自身と黒龍・ザビリアを回復させたフィーアはザビリアと契約を結ぶことになる。前世では聖女であることを理由に殺されたことから、フィーアは自身が聖女であることを隠して生きていくことを決める[8]。

騎士団に入団したフィーアは、自身の聖女としての力やザビリアの正体について隠しながら生活を続けてきた。しかしある日、強大な魔物と戦うために能力を使用し、一部の周りの人間にも秘密を公開することになる。しかしそんな中でも、周囲に危害が及ぶことを恐れ、聖女であることは告白できない。

だが、300年の間に「精霊との契約」が行われなくなったことで、聖女の力は低下して傷ひとつ治すのに数人がかりとなっている。さらに騎士と共に戦うのではなく、賓客のように扱われ聖女もそれが当然という感覚になっていた。聖女に関しては300年前の認識でいたフィーアは困惑し、自覚もなく大聖女の力を振るって逆に周囲を困惑させてしまう。

登場人物[編集]

フィーア・ルード
ナーヴ王国第一騎士団に所属する少女。15歳。前世は聖女セラフィーナであり、当時の力を受け継いでいるため、聖女が弱体化した現在では桁違いの力となっている。しかし、騎士として求められる剣術を始めとした身体能力は並み以下であり、本来騎士になれる訳がないのだが、自らが付与した「攻撃力を2倍にする剣」や「電撃魔法を付与した剣」で実技試験に合格した。
前世では王族であり、聖女としての務めに励んでいたが、それによって人気が高くなりすぎて他の王族から疎まれていた。魔王を倒し力を使い果たした状態で実の兄弟に見捨てられ、魔王城に置き去りとなり、生き残っていた魔人による拷問で亡くなった。自身を殺した魔人が生まれ変わっても狙っていると言い残したことがトラウマになっていて、聖女であることはひた隠しにしているつもりだが、自身の能力に対する自覚の無さ（前述の武器付与も300年前に失われている技術）と困っている者、苦しんでいる者を放っておけない性格から度々墓穴を掘り、周囲からは何らかの秘密を抱えていることは察せられている。
『このライトノベルがすごい！』女性キャラクター部門では2024年版で6位を獲得している[9]。
ザビリア
フィーアの従魔であり、黒竜。騎士団では、青い鳥・ブルーダブのふりをしている。当初はフィーアと共にいられれば良いと考えていたが、フィーアに降りかかるであろう危難を振り払う力を得るために竜の王となることを目指す。
サヴィス・ナーヴ
ナーヴ王国黒竜騎士団総長。王の弟で、王位継承権一位。隻眼。現国王である兄が「女性を愛せない」とのことで、次期国王候補の筆頭。
シリル・サザランド
ナーヴ王国第一騎士団長。公爵。王位継承権二位。騎士団一の剣の腕前を持つ。大聖女に対して信仰を持つサザランドの領主だが、元聖女の母親によって領民との間には少なからぬ確執があった。
単行本5巻発売を記念して行われたキャラクター人気投票では1位を獲得している[10]。
デズモンド・ローナン
ナーヴ王国第二騎士団長兼憲兵司令官。女性を信頼していない。
クェンティン・アガター
ナーヴ王国第四魔物騎士団長。対峙した相手のエネルギーを感知することができ、フィーアやザビリアの強さにもいち早く気が付いていたが、それによって二人に対しての敬意が天元突破している。
ザカリー・タウンゼント
ナーヴ王国第六騎士団長。男気があり、部下から慕われている。
カーティス・バニスター
ナーヴ王国第十三騎士団長。フィーアから見ても覇気というモノに欠ける。サザランド出身。フィーアと出会ったことを切っ掛けに300年前に大聖女の護衛騎士だった「青騎士・カノープス」の記憶がよみがえる。フィーアの側にいるため団長職を辞する。300年前に大聖女が亡くなった後、王国に起きた事変を知っている。
ドルフ、アルディオ、オリア、レオン
フィーアの家族。全員が騎士団に所属している。基本的に王都勤務ではないため、入団式以降はほぼ登場しない。
父のドルフは複数人いる第十四騎士団副団長を務めている。生真面目な性格。
長男のアルディオは真面目だが家族に対しては関心が薄く、フィーアとも10歳の時に剣の腕にダメ出ししてから5年に渡って言葉を交わしていなかった。騎士団の試験官となっても手加減をする発想がない。
長女のオリアは家族の中ではフィーアの味方。レオンとは仲が悪い。
次男のレオンは脳筋で馬鹿。騎士としての才がないと断じたフィーアが生きていようが死のうが頓着しないどころか、助けに行くと言われて内心不満を抱いている。騎士団の試験官となっても受験者を全員叩きのめして合格者を選ぶという発想がない。

評価[編集]

2019年には、小説家になろうのジャンル別年間ランキングで異世界〔恋愛〕部門の1位を獲得している[11][12]。『このライトノベルがすごい！』単行本・ノベルス部門では2024年版で2位を獲得している[13]。

既刊一覧[編集]

小説[編集]

  • 十夜（著）・chibi（イラスト） 『転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す』 アース・スター エンターテイメント〈アース・スターノベル〉、既刊9巻（2023年10月18日現在）
    1. 2019年6月15日初版第1刷発行（同日発売[書 1]）、ISBN 978-4-8030-1306-1
    2. 2019年11月15日初版第1刷発行（同日発売[書 2]）、ISBN 978-4-8030-1360-3
    3. 2020年5月15日初版第1刷発行（同日発売[書 3]）、ISBN 978-4-8030-1419-8
    4. 2020年12月16日初版第1刷発行（同日発売[書 4]）、ISBN 978-4-8030-1476-1
    5. 2021年5月15日初版第1刷発行（同日発売[書 5]）、ISBN 978-4-8030-1522-5
    6. 2021年12月15日初版第1刷発行（同日発売[書 6]）、ISBN 978-4-8030-1594-2
    7. 2022年8月18日初版第1刷発行（同日発売[書 7]）、ISBN 978-4-8030-1683-3
    8. 2023年2月15日発売[書 8]、ISBN 978-4-8030-1747-2
    9. 2023年10月18日発売[書 9]、ISBN 978-4-8030-1851-6
  • 十夜（著）・chibi（イラスト） 『転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す ZERO』 アース・スター エンターテイメント〈アース・スターノベル〉、既刊4巻（2024年3月15日現在）
    1. 2022年7月15日初版第1刷発行（同日発売[書 10]）、ISBN 978-4-8030-1670-3
    2. 2023年2月15日発売[書 11]、ISBN 978-4-8030-1746-5
    3. 2023年8月18日発売[書 12]、ISBN 978-4-8030-1825-7
    4. 2024年3月15日発売[書 13]、ISBN 978-4-8030-1922-3

漫画[編集]

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 2024年1月以前は「海㮈」名義[5]。

出典[編集]

  1. ^ このラノ2024 (2023), p. 84.
  2. ^ 『＜全編書き下ろし＞シリーズ累計100万部突破の人気ノベル『転生した大聖女』番外編第1巻ほか＜7/15発売＞アース・スターノベル 新作情報』（プレスリリース）アース・スター エンターテイメント、2022年7月8日。https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000022.000101562.html。2023年2月15日閲覧。 
  3. ^ “転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す A Tale of The Great Saint”. コミック アース・スター. アース・スター エンターテイメント. 2022年5月12日閲覧。
  4. ^ 「「転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す」アース・スターでマンガ版開始」『コミックナタリー』ナターシャ、2019年12月19日。2022年5月12日閲覧。
  5. ^ 海楠 [@sea_na7] (2024年1月23日). "【お知らせ】 編集部の方と御相談いたしまして、諸事情によりペンネームを変更する事になりました。". X（旧Twitter）より2024年3月14日閲覧。
  6. ^ 『＜新連載＞『転生した大聖女は、聖女であることをひた隠すZERO ～The Great Saint of Remembrance～』コミック アース・スターにて連載スタート』（プレスリリース）アース・スター エンターテイメント、2023年10月19日。https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000187.000101562.html。2023年10月19日閲覧。 
  7. ^ 原作小説『転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す ZERO』第4巻帯の表記より。
  8. ^ “『転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す』有能な騎士団長たちが一人の少女に振り回される傑作コメディ！”. Days (2020年12月11日). 2024年3月15日閲覧。
  9. ^ このラノ2024 (2023), p. 88.
  10. ^ 「『転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す』キャラクター人気投票の結果が発表　1位となったキャラクターの書き下ろしSSも公開」『ラノベニュースオンライン』Days、2021年7月3日。2024年3月15日閲覧。
  11. ^ “ジャンル別年間ランキングBEST5”. 小説家になろう. ヒナプロジェクト. 2019年8月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年5月12日閲覧。
  12. ^ “「転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す A Tale of The Great Saint」1巻（帯付き） [画像ギャラリー 1/14]”. ナターシャ. 2022年5月12日閲覧。
  13. ^ このラノ2024 (2023), p. 56.

書誌情報[編集]

以下の出典は『アース・スター エンターテイメント』内のページ。書誌情報の発売日の出典としている。

  1. ^ “転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す １”. アース・スターエンターテイメント. 2022年5月12日閲覧。
  2. ^ “転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す ２”. アース・スターエンターテイメント. 2022年5月12日閲覧。
  3. ^ “転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す ３”. アース・スターエンターテイメント. 2022年5月12日閲覧。
  4. ^ “転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す ４”. アース・スターエンターテイメント. 2022年5月12日閲覧。
  5. ^ “転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す ５”. アース・スターエンターテイメント. 2022年5月12日閲覧。
  6. ^ “転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す ６”. アース・スターエンターテイメント. 2022年5月12日閲覧。
  7. ^ “転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す ７”. アース・スターエンターテイメント. 2022年8月18日閲覧。
  8. ^ “転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す ８”. アース・スターエンターテイメント. 2023年2月15日閲覧。
  9. ^ “転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す　９”. アース・スターエンターテイメント. 2023年10月19日閲覧。
  10. ^ “転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す ZERO １”. アース・スターエンターテイメント. 2022年8月18日閲覧。
  11. ^ “転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す　ZERO ２”. アース・スターエンターテイメント. 2023年2月15日閲覧。
  12. ^ “転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す　ZERO ３”. アース・スターエンターテイメント. 2023年8月22日閲覧。
  13. ^ “転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す　ZERO ４”. アース・スターエンターテイメント. 2024年3月15日閲覧。
  14. ^ “転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す A Tale of The Great Saint １”. アース・スターエンターテイメント. 2022年5月12日閲覧。
  15. ^ “転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す A Tale of The Great Saint ２”. アース・スターエンターテイメント. 2022年5月12日閲覧。
  16. ^ “転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す A Tale of The Great Saint ３”. アース・スターエンターテイメント. 2022年5月12日閲覧。
  17. ^ “転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す A Tale of The Great Saint ４”. アース・スターエンターテイメント. 2022年5月12日閲覧。
  18. ^ “転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す A Tale of The Great Saint 5”. アース・スターエンターテイメント. 2022年5月12日閲覧。
  19. ^ “転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す A Tale of The Great Saint ６”. アース・スターエンターテイメント. 2022年5月12日閲覧。
  20. ^ “転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す A Tale of The Great Saint 7”. アース・スターエンターテイメント. 2022年10月12日閲覧。
  21. ^ “転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す A Tale of The Great Saint 8”. アース・スターエンターテイメント. 2023年4月12日閲覧。
  22. ^ “転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す A Tale of The Great Saint 9”. アース・スターエンターテイメント. 2023年10月12日閲覧。
  23. ^ “転生した大聖女は、聖女であることをひた隠す A Tale of The Great Saint 10”. アース・スターエンターテイメント. 2024年3月13日閲覧。
  24. ^ “転生した大聖女は、聖女であることをひた隠すZERO ～The Great Saint of Remembrance～ 1”. アース・スターエンターテイメント. 2024年3月14日閲覧。

参考文献[編集]

  • 『このライトノベルがすごい！』編集部『このライトノベルがすごい！2024』宝島社、2023年12月9日。ISBN 978-4-299-04899-8。 

外部リンク[編集]

コミック アース・スター連載中の漫画作品（2023年10月19日現在）
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