舞扇

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主に稽古用に用いられる、簡素なデザインの舞扇

舞扇(まいおうぎ)は、日本舞踊に用いられる扇子である。

普通の扇子と材質は同じで、10本ある骨には竹や木、扇面には紙が用いられる。しかし舞踊では扇を投げたり、指で挟んで回す「要返し」などの動作を行ったりするため、扱いやすいよう要の部分に鉛の重りが仕込まれている。また、耐久度を上げるため、親骨と紙は糊で貼られた上に糸で結ばれ、強化されている。

扇面は無地のものや、各流派の流紋をデザインしたものがある。また、舞台用には演目に沿った絵を描いたものが用いられる。舞扇のデザインで稽古の進度を示す井上流のように、デザインに意味を持たせる場合もある。

なお、日本舞踊には必ず舞扇が用いられるわけではなく、中啓や軍扇など他の扇子が用いられる演目もある。

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参考文献[編集]

  • 藤田洋『日本舞踊ハンドブック』三省堂、2001年、64-65頁。