羽沢町

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羽沢町
町丁
地図北緯35度29分19秒 東経139度35分15秒 / 北緯35.488486度 東経139.587444度 / 35.488486; 139.587444
日本の旗 日本
都道府県 神奈川県の旗 神奈川県
市町村 横浜市
行政区 神奈川区
人口情報2023年(令和5年)4月30日現在[1]
 人口 7,292 人
 世帯数 3,747 世帯
面積[2]
  2.558 km²
人口密度 2850.66 人/km²
設置日 1927年昭和2年)4月1日
郵便番号 221-0863[3]
市外局番 045(横浜MA[4]
ナンバープレート 横浜
ウィキポータル 日本の町・字
神奈川県の旗 ウィキポータル 神奈川県
ウィキプロジェクト 日本の町・字
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羽沢町(はざわちょう)は、神奈川県横浜市神奈川区の町名である。丁番を持たない単独町名である。住居表示未実施区域[5]

地理[編集]

神奈川区北西部に位置し、神奈川区三枚町菅田町羽沢南保土ケ谷区峰沢町東川島町上菅田町と隣接する。現在は、主に住宅地として利用されているが農地も残る。古くは「ハネザ」・「ハネザワ」等とも呼んだが正確には「ハザワ」である。南端部の羽沢南一丁目~羽沢南四丁目を除いて住居表示は実施されておらず、住所は羽沢町○○番地となる。地番は1~1825番まである(欠番がある)。

営農団地「菅田・羽沢農業専用地区」が設けられており、町内は勿論、神奈川区内の農家にとって重要な生産拠点となっている。「農業専用地区」では横浜ブランドの農産物が生産されており、特に、「横浜キャベツ」は市内一の生産高を誇る(農業専用地区は、農産物の供給、自然や田園環境の保全だけでなく、災害時の防災空間としての役目も負っている。現在、横浜市には菅田・羽沢地区を含め、26地区、1,011haの農業専用地区がある)。

歴史[編集]

古くからの農村地帯で、江戸時代には稲作のほか、大麦小麦大豆ソバなどが栽培され、当時の村高享保17年261であった。しかし、水田は少なく、畑勝りの地域だった。

1989年明治22年)の町村制施行から昭和の初めまでは橘樹郡城郷村(9大字)の中の一つとして純農村地帯だった。

戦後、1969年昭和44年)に定められた都市計画法で町内の大部分が、市街化調整区域に線引きされたため、旧城郷村時代の農村風景が色濃く残された。 その後、1972年(昭和47年)に、残された農地を保全し、周辺地域農業の永続的発展を期待して、営農団地「菅田・羽沢農業専用地区」が設けられた。

2006年平成18年)10月23日の町南部での住居表示が実施され、羽沢南一丁目~羽沢南四丁目の4か町が分離、新設された。

地名の由来[編集]

  • 由来は解っていないが、おそらく「端沢」(沢の片側の意)が転じ、「羽沢」になったのではないかと考えられている。また、地名・姓として東北地方の日本海側や新潟などで多く見られる。
  • 戦国武将太田道灌小机城攻めの時に、綱島から六角橋神大寺を通り羽沢に立ち寄ったとされ、「硯松」・「十三塚」といった地名が残っている。

沿革[編集]

小字[編集]

  • 天屋
  • 長谷(一部は現・羽沢南一丁目)
  • 大丸(現・羽沢南二丁目)
  • 高山(現・羽沢南二~四丁目)
  • 浅見
  • 聖天
  • 大道
  • 相原
  • 松原
  • 稲荷
  • 神上
  • 羽沢
  • 綿打
  • 具行

世帯数と人口[編集]

2023年(令和5年)4月30日現在(横浜市発表)の世帯数と人口は以下の通りである[1]

町丁 世帯数 人口
羽沢町 3,747世帯 7,292人

人口の変遷[編集]

国勢調査による人口の推移。

人口推移
人口
1995年(平成7年)[9]
13,628
2000年(平成12年)[10]
14,446
2005年(平成17年)[11]
14,842
2010年(平成22年)[12]
8,142
2015年(平成27年)[13]
7,947
2020年(令和2年)[14]
7,708

世帯数の変遷[編集]

国勢調査による世帯数の推移。

世帯数推移
世帯数
1995年(平成7年)[9]
5,175
2000年(平成12年)[10]
5,795
2005年(平成17年)[11]
6,153
2010年(平成22年)[12]
3,284
2015年(平成27年)[13]
3,349
2020年(令和2年)[14]
3,386

学区[編集]

市立小・中学校に通う場合、学区は以下の通りとなる(2023年4月時点)[15]

番地 小学校 中学校
235番地、241〜242番地
248〜253番地、255〜281番地
283〜301番地、428〜431番地
491〜494番地、496〜588番地
628〜642番地、650〜658番地
横浜市立上星川小学校 横浜市立保土ケ谷中学校
1〜178番地、181番地の1〜3
181番地の5〜223番地
476〜490番、589〜627番地
643〜649番地、659番地以降
横浜市立羽沢小学校 横浜市立菅田中学校

事業所[編集]

2021年(令和3年)現在の経済センサス調査による事業所数と従業員数は以下の通りである[16]

町丁 事業所数 従業員数
羽沢町 253事業所 3,537人

事業者数の変遷[編集]

経済センサスによる事業所数の推移。

事業者数推移
事業者数
2016年(平成28年)[17]
274
2021年(令和3年)[16]
253

従業員数の変遷[編集]

経済センサスによる従業員数の推移。

従業員数推移
従業員数
2016年(平成28年)[17]
3,694
2021年(令和3年)[16]
3,537

交通[編集]

鉄道[編集]

羽沢町の最寄り駅は、横浜市営地下鉄ブルーライン片倉町駅三ツ沢上町駅相鉄新横浜線JR線が相互直通運転する羽沢横浜国大駅(2019年11月30日開業、所在地は羽沢南)である。

羽沢横浜国大駅の開業により渋谷新宿などといった東京都心へのアクセスが向上した。さらに2023年には、東急東横線東急目黒線日吉駅から新横浜駅を経由して羽沢横浜国大駅を結ぶ約10キロの連絡線(相鉄東急直通線)が新設され、相鉄・JR直通線を経由しての相鉄線と東急線の相互直通運転が開始された。相鉄・東急直通線の開業により新横浜駅へのアクセスが容易になった。

なお、羽沢横浜国大駅に隣接した横浜羽沢駅東海道貨物線)は貨物駅であり、旅客営業を行っていない。

路線バス[編集]

鉄道空白地域であったことからも比較的充実しており、相鉄バス横浜駅上星川駅間・横浜駅~八反橋(三枚町)間・横浜駅~西菅田団地(菅田町)間・横浜駅〜上菅田東部公園(上菅田町との境界)間、横浜市営バス新横浜駅鶴ヶ峰駅間、神奈川中央交通が新横浜駅~保土ケ谷駅間の路線バスを運行している。

道路[編集]

鉄道に比して道路交通の便は比較的良い。町内を環状2号線が貫通する他、第三京浜道路羽沢インターチェンジがある。

また当地区を通る横浜市の都市計画道路として、山下長津田線および羽沢池辺線(ともに同市における3環状10放射道路の一つ)が現在整備中である。

文化[編集]

町内には道祖神が4つあり、庚申塔も多く残っている。庚申塔は市の文化財に指定されている。また、地神講、稲荷講、念仏講といった、昔ながらの農村文化も地域に残る多くの農家によって受け継がれている。

硯松[編集]

町内に硯松(すずりまつ)という松があった。初代は1500年頃にすでに存在した大木で、戦国武将太田道灌小机城攻めの時に、兵を励ますためにこの松の下に腰掛け、歌を詠んだと言われている。「小机は まづ手習ひの始めにて いろはにほへと ちりぢりになる」 しかし、その後枯れてしまったのでもう一度松を植え、その松も枯れてしまったので、1940年頃に四代目の松が植えられ、その後も枯れては植え直しを繰り返している。

施設[編集]

保土ケ谷料金所(奥)と保土ケ谷PA(手前)

その他[編集]

日本郵便[編集]

警察[編集]

町内の警察の管轄区域は以下の通りである[19]

番・番地等 警察署 交番・駐在所
全域 神奈川警察署 羽沢交番

関連項目[編集]

参考文献[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b 令和5(2023)年 町丁別人口(住民基本台帳による)町丁別人口_令和5年4月” (XLSX). 横浜市 (2023年5月10日). 2023年5月15日閲覧。 “(ファイル元のページ)(CC-BY-4.0)
  2. ^ 横浜市町区域要覧、1 - 9頁
  3. ^ a b 羽沢町の郵便番号”. 日本郵便. 2021年8月11日閲覧。
  4. ^ 市外局番の一覧”. 総務省. 2019年6月24日閲覧。
  5. ^ 住居表示実施町名一覧 (令和2年10月19日現在)”. 横浜市 (2020年10月29日). 2021年8月28日閲覧。
  6. ^ 横浜市町区域要覧、3 - 56頁
  7. ^ 横浜市町区域要覧、3 - 60頁
  8. ^ 横浜市町区域要覧、3 - 61頁
  9. ^ a b 平成7年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年3月28日). 2019年8月16日閲覧。
  10. ^ a b 平成12年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年5月30日). 2019年8月16日閲覧。
  11. ^ a b 平成17年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2014年6月27日). 2019年8月16日閲覧。
  12. ^ a b 平成22年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2012年1月20日). 2019年8月16日閲覧。
  13. ^ a b 平成27年国勢調査の調査結果(e-Stat) - 男女別人口及び世帯数 -町丁・字等”. 総務省統計局 (2017年1月27日). 2019年8月16日閲覧。
  14. ^ a b 令和2年国勢調査の調査結果(e-Stat) -男女別人口,外国人人口及び世帯数-町丁・字等”. 総務省統計局 (2022年2月10日). 2023年4月27日閲覧。
  15. ^ 小・中学校等の通学区域一覧(通学規則 別表)”. 横浜市 (2023年4月1日). 2023年4月8日閲覧。
  16. ^ a b c 経済センサス‐活動調査 / 令和3年経済センサス‐活動調査 / 事業所に関する集計 産業横断的集計 事業所数、従業者数(町丁・大字別結果)”. 総務省統計局 (2023年6月27日). 2023年9月15日閲覧。
  17. ^ a b 経済センサス‐活動調査 / 平成28年経済センサス‐活動調査 / 事業所に関する集計 産業横断的集計 都道府県別結果”. 総務省統計局 (2018年6月28日). 2019年10月23日閲覧。
  18. ^ 郵便番号簿PDF(2022年度版) 表紙等付属資料” (PDF). 日本郵便. 2022年12月16日閲覧。 “郵便番号データダウンロード 郵便番号簿PDF(2022年度版)
  19. ^ 交番案内”. 神奈川警察署. 2021年8月21日閲覧。

外部リンク[編集]