稲村耕雄

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稲村 耕雄(いなむら やすお、1908年12月21日 - 1967年4月24日)は、日本無機化学者。元東京工業大学教授。インターカラー共同設立者。

人物・経歴[編集]

東京出身[1]。父は中型ゆかた本舗の染色会社社長で、経営者になるため当初は東京高等商業学校(現一橋大学)を志望していたが、戦後恐慌のため家業が倒産し、1930年に東京高等工業学校染料科を卒業。1933年東京工業大学染料化学科卒業。1938年から日仏交換留学生としてコレージュ・ド・フランスモンペリエ大学科学研究所に留学[2][3]。東京工業大学講師、東京工業大学助教授を経て、東京工業大学教授[4]。1949年大阪大学理学博士[5]。1953年日本流行色協会発起人[6]。1963年インターカラー設立[7]

著書[編集]

  • 『研究と条件』生活社 1942
  • 『研究と動員』日本評論社 1944
  • 『色彩論』岩波書店 1955
  • 『色彩調節』オーム社 1955
  • 『化学』開隆堂出版 1956
  • 『色いろは : 小事典』光文社 1957
  • 『色彩入門 : 現代人のカラー・ガイド』講談社 1965
  • 『カラーABC : 暮しのための色彩案内』保育社 1966

編集[編集]

  • 『フランス科学の展望』白水社 1949
  • 『工業と色彩』修道社 1956

翻訳[編集]

  • セルジュ・チャコチン『研究と組織』白水社 1942
  • ジョルジュ・ユルバン『一般化学 : 基本概念と基礎原理』白水社 1949
  • ジェームス・ストークレー『科学は世界を創造する』新教育事業会 1950
  • アンリ・シャトリエ 『実験科学方法論』白水社 1951
  • アンリ・ジベロ『ヴィニル樹脂』イブニングスター社 195
  • マルセル・ボル, ジャン・ドゥルニョン『色彩の秘密』白水社 1955

脚注[編集]

  1. ^ 稲村耕雄(読み)いなむら やすおデジタル版 日本人名大辞典+Plus
  2. ^ 岡田大士「東京工業大学における 『戦後大学改革』— その過程と大学 基準協会発足における役割」,大学史研究 第 20 号,46–60, 2004
  3. ^ 先輩の目を通してみた戦後の東工大史東京工業大学博物館2021年4月21日 17:28
  4. ^ 稲村 耕雄(読み)イナムラ ヤスオ20世紀日本人名事典
  5. ^ トランス-及びシス-デカリンのラマン・スペクトル 稲村, 耕雄 イナムラ, ヤスオ
  6. ^ 日本流行色協会発足東京文化財研究所
  7. ^ インターカラーの設立 (JAFCA ファッションカラーハンドブック 2002 年より)