灯油取り

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灯油取り(あぶらとり)は、日本の説話集『今昔物語集』で語られている怪事件。

内容[編集]

延喜時代のこと。仁寿殿にある灯油が夜な夜な何者かに持ち去られていた。持ち去った者の正体をつきとめるよう勅命が下り、公忠という名の殿上人がその任に志願した。

ある大雨の真夜中、公忠は仁寿殿に近づく大きな足音を聞く。灯油取りの正体かと思いきや、姿は何も見えない。しかし仁寿殿の灯油は、ひとりでに宙へと浮かび上がっていく。とっさに公忠が、目に見えない相手目掛けて蹴りを入れると、灯油は落ち、足音も消え去った。灯りを照らしてよく見ると、自分の足の指の爪が剥がれているだけだった。

翌朝、灯油取りが現れたと思われる場所を見ると、多くの血の跡が残されていたものの、灯油取りの姿はどこにもなかった。しかしそれ以降、灯油取りの怪事件が起きることはなかったという。

参考文献[編集]