火星の大統領カーター

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

火星の大統領カーター』(かせいのだいとうりょうカーター)は、栗本薫パロディSF短編、およびそれを表題作とする短編集。「S-Fマガジン」誌に掲載されたパロディSF作品5編を収録したもの。1984年11月に早川書房より、「ハヤカワ・SF・スペシャル」として刊行された。のち1988年3月にハヤカワ文庫から発行された。

作品はいずれも、栗本が愛したSF作品(エドガー・ライス・バローズ火星シリーズ』、フレドリック・ブラウン火星人ゴーホーム』、 ロバート・E・ハワード英雄コナン』、トム・ゴドウィン冷たい方程式』)のパロディとなっている。また、ハヤカワ・SF・スペシャル版の装幀は1974年11月を最後に刊行が途絶えた「ハヤカワ・SF・シリーズ」の装幀を忠実に模したものであり、この装幀も含め、作者の愛したSFに対するオマージュ作品となっている。

なお、表題作『火星の大統領カーター』の「カーター」は『火星シリーズ』の主人公ジョン・カーターではなく、ジミー・カーター大統領[1]のことである。

収録作品[編集]

  1. 火星の大統領カーター
    初出:『S-Fマガジン』1981年5月号
  2. エンゼル・ゴーホーム
    初出:『S-Fマガジン』1980年2月号
  3. ロバート・E・ハワード還る
    初出:『S-Fマガジン』1983年2月号
  4. ナマコの方程式
    初出:『S-Fマガジン』1980年6月号
  5. 最後の方程式
    初出:『S-Fマガジン』1983年3月号

刊本[編集]

ミュージカル『ナマコの方程式』[編集]

作者自身の脚本・演出により、収録作品「ナマコの方程式」を原作とするミュージカルが製作され、2000年2月24日~27日にかけて、東京・神楽坂 die pratzeにて上演された。

[編集]

  1. ^ 正確には、執筆時点において大統領(1980年アメリカ合衆国大統領選挙で落選した後であるため)