洗骨 (映画)

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洗骨
監督 照屋年之
脚本 照屋年之
製作 高畑正和
小西啓介
製作総指揮 白岩久弥
片岡秀介
出演者 奥田瑛二
筒井道隆
水崎綾女
大島蓉子
坂本あきら
山城智二
前原エリ
内間敢大
外間心絢
城間祐司
普久原明
福田加奈子
古謝美佐子
鈴木Q太郎
筒井真理子
音楽 佐原一哉
主題歌 古謝美佐子「童神
撮影 今井孝博J.S.C.
編集 堀善介
制作会社 ファントム・フィルム(制作プロダクション)
よしもとクリエイティブ・エージェンシー(制作)
製作会社 『洗骨』製作委員会
配給 ファントム・フィルム
公開 沖縄県の旗 2019年1月18日沖縄県先行公開)
日本の旗 2019年2月9日(全国公開)
上映時間 111分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
興行収入 1億7000万円[1]
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洗骨』(せんこつ)は、2019年公開の日本映画[2]

主演は奥田瑛二、監督・脚本はガレッジセールゴリが本名の「照屋年之」名義で担当した[3]

概要[編集]

一定期間の風葬後に遺骨を洗い清め、改めて納骨するという沖縄県の離島・粟国島に伝わっていた風習を通して、生命の連鎖を感じ、家族の絆を紡いでいく姿を描くドラマ[2]2016年に照屋が発表した短編映画『born、bone、墓音。』を原案とする[3]

第40回モスクワ国際映画祭正式出品[4]。 第12回JAPAN CUTS 観客賞受賞[5]。また、同作をもって、監督の照屋が同業者の映画監督が選ぶ第60回日本映画監督協会新人賞に選出されており[6]、同賞の上映記念シンポジウムで照屋は選考委員5人の内、締切ギリギリまで選出に手を挙げなかった最後の1人がゲスト出演した中村義洋だった事を、出席直前(同日)に中村と行われたトークイベント中に知ったと明かしている[注 1][7]

あらすじ[編集]

沖縄諸島の粟国島では新城信綱の妻の恵美子が亡くなり、東京の大企業に勤める息子の剛、名古屋の美容院で働く娘の優子が島に駆け付け、伯母の信子と共に葬儀を済ませる。それから4年、洗骨のため再び親族が集まる。 洗骨とは、遺体を棺のままホコラに納めて風葬し、数年後に白骨化した骨を海水で洗い清め、死者との命の繋がりを確認し改めてあの世へ送り出す、沖縄の一部の島に残る風習である。 一人暮らしの信綱は未だに妻の死が受け入れられず、酒浸りの生活を送っていて、そこへ臨月間近の優子と、妻子を東京に置いて来た剛が訪れる。 早速、優子のお腹の子の話が近隣の話題になり、優子は「勤務する美容室店長との子で、シングルマザーで育てるつもり」と宣言する。剛は怒り、信綱は黙っているだけだ。そこへお腹の子の父である店長の神山が謝罪と挨拶に訪れる。 その夜更け、一人で酒を飲んでいた信綱が酔い潰れて、割れた瓶で怪我をして病院に運ばれるという事故が起きる。帰り際に剛は「自分だけ辛いと思うな」と信綱を責めた。 ある日、スクという小魚の群れがやって来たという知らせがあり、男たちは海に入り網を操り、力を合わせてスクの水揚げに成功する。その帰り、剛は妻と離婚したことを皆に打ち明ける。 洗骨の日、新城家の親族は恵美子が風葬されている浜へと向かい、4年ぶりに棺の蓋を開け、風化した恵美子の骨を取り出す。皆で恵美子の骨を海水で洗い清め、再び埋葬しようとしたその時、急に優子の陣痛が始まり、彼女を助けようとした信子がぎっくり腰で動けなくなってしまう。 それでも信子は横になったまま優子を励まし、信綱に指示をして、その場で優子の出産を無事終える。信綱は恵美子の頭蓋骨を赤ん坊の近くに寄せた。

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

  • 監督・脚本:照屋年之
  • 音楽:佐原一哉
  • 主題歌:古謝美佐子童神
  • 製作総指揮:白岩久弥
  • 製作:藤原寛、小西啓介、宮崎伸夫、武富和彦
  • エグゼクティブ・プロデューサー:片岡秀介
  • プロデューサー:高畑正和、小西啓介
  • 協力プロデューサー:飯田雅裕、具志堅毅
  • アシスタントプロデューサー:南陽
  • ラインプロデューサー:金森保
  • 撮影:今井孝博J.S.C.
  • 照明:鳥越博文
  • 録音:横澤匡広
  • 美術:木下沙和美
  • 装飾:石上淳一
  • ヘアメイク:荒井ゆう子
  • スタイリスト:むらたゆみ
  • キャスティングディレクター:杉野剛
  • 沖縄コーディネート:鳥越一枝
  • 編集:堀善介
  • 音響効果:佐藤祐美
  • 助監督:丸谷ちひろ
  • 制作担当:刈屋真、柴野淳
  • 宣伝協力:新垣尊大、須藤淳子、平野誠也
  • スペシャルサンクス:粟国村、粟国村の皆さん
  • 助成:文化庁文化芸術振興費補助金(映画創造活動支援事業) 独立行政法人日本芸術文化振興会
  • 制作プロダクション・配給・宣伝:ファントム・フィルム
  • 制作協力:キリシマ1945
  • 制作:よしもとクリエイティブ・エージェンシー
  • 製作:『洗骨』製作委員会(吉本興業、ファントム・フィルム、朝日新聞社沖縄タイムス社

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 最終的には選出に同意しているが、理由は映画監督として新人では無い事を挙げている
  2. ^ 試写会前に死去し、本作は遺作となる[8]

出典[編集]

  1. ^ 『キネマ旬報』2020年3月下旬特別号 72頁
  2. ^ a b c d “奥田瑛二×筒井道隆×水崎綾女、ガレッジセール・ゴリの監督作「洗骨」予告編”. 映画ナタリー (ナターシャ). (2018年10月30日). https://natalie.mu/eiga/news/305757 2019年9月13日閲覧。 
  3. ^ a b “ガレッジセール・ゴリの監督作「洗骨」完成、奥田瑛二が主演”. 映画ナタリー (ナターシャ). (2018年2月27日). https://natalie.mu/eiga/news/271286 2019年9月13日閲覧。 
  4. ^ “ガレッジセール・ゴリ監督作『洗骨』 モスクワ国際映画祭に出品決定「努力が報われます」”. ORICON NEWS (oricon ME). (2018年4月12日). https://www.oricon.co.jp/news/2109445/full/ 2019年9月13日閲覧。 
  5. ^ “映画『洗骨』がJAPAN CUTSで観客賞を受賞! 照屋年之(ガレッジセール・ゴリ)監督、奥田瑛二から喜びの声が到着”. アネモ(anemo) (anemo編集部). (2018年8月7日). https://www.anemo.co.jp/movienews/newmovie/senkotu-2-20180807/ 2019年9月13日閲覧。 
  6. ^ “ゴリさんに監督新人賞 映画「洗骨」 日本映画監督協会”. 沖縄タイムス+プラス ニュース. (2020年3月26日). https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/551682 2020年5月14日閲覧。 
  7. ^ 日本映画監督協会第60回新人賞上映記念シンポジウム”. YouTube. 2020ー11ー20閲覧。
  8. ^ “ゴリ監督作「洗骨」にも出演 福田加奈子さん死去 沖縄芝居役者、75歳”. 沖縄タイムス+プラス ニュース. (2018年11月24日). https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/349351 2020年5月14日閲覧。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]