沈黙シリーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

『沈黙』シリーズ(ちんもくシリーズ)[1]は、日本語版タイトルに「沈黙の」と入るスティーヴン・セガール主演映画作品の総称(一部主演でないものもある)。便宜的にシリーズと称されているが、実際にはそれぞれ作品同士の繋がりは無く、原題も全く異なり、日本オリジナルの分類である。1992年の『沈黙の戦艦』を第1作に数えるが、この映画の正式な続編は1995年の『暴走特急』のみである。

『沈黙のSHINGEKI/進撃』の宣伝担当者によれば、「沈黙の」で始まる類似した邦題を付けることによって、飽きた人や興味がない人にスルーされることがあるとしつつも、それを上回る知名度のためセガールの作品であることが一目瞭然となり、デメリットは大きなものではないという。また、その上でジェームズ・ボンドシリーズと比較し、「『007』シリーズが格式美だとすると、沈黙シリーズは、生まれては死んでゆく、まさに自然との調和を理念とした合気道の精神に則った作品群。四季の移り変わりを楽しむように、楽しんでもらえる」と語った[2]

セガール自身が沈黙シリーズを知っているかどうかについて、『進撃』の宣伝担当者は「確かなことは言えないのですが、公開時には日本版のビジュアルやタイトルなど、きちんと本国の承認を得て進めているので、ご本人が知らないはずはないと思います」と述べ、『沈黙の宿命』の動画コメント[3]で本人が『今度の沈黙シリーズは~』と話していたことも指摘した[2]。2009年には、『Driven To Kill』に『沈黙の××』という仮題を付けた上で、この××に入れる言葉を公募するキャンペーンが行われた。セガール自身が日本語のコメントを寄せたほか、最終選考もセガール自身が行うという触れ込みだった[4]。邦題は『沈黙の鎮魂歌』に決定し、セガール自身がタイトルを読み上げて発表した[5]

作品リスト[編集]

No. 作品 公開年 監督 役名 備考
1 沈黙の戦艦

Under Siege 

1992 アンドリュー・デイヴィス ケイシー・ライバック英語版
2 沈黙の要塞

On Deadly Ground 

1994 スティーブン・セガール フォレスト・タフト
3 沈黙シリーズ第3弾/暴走特急

Under Siege 2: Dark Territory

1995 ジェフ・マーフィー ケイシー・ライバック 『沈黙の戦艦』の続編。VHS化時に『暴走特急』と邦題変更。
4 沈黙の断崖

Fire Down Below

1997 フェリックス・エンリケス・アルカラ ジャック・タガート
5 沈黙の陰謀

The Patriot 

1998 ディーン・セムラー ウェズリー・マクラーレン
6 沈黙のテロリスト

Ticker

2001 アルバート・ピュン フランク・グラス 同時多発テロの影響により、VHS化時に『沈黙シリーズ/TICKER』と邦題変更。
7 沈黙の標的

Out For a Kill

2003 マイケル・オブロウィッツ ロバート・バーンズ
8 沈黙の聖戦

Belly Of The Beast

チン・シウトン ジェイク・ホッパー
9 沈黙の追撃

Submerged

2005 アンソニー・ヒコックス クリス・コーディ
10 沈黙の脱獄

Today You Die

2006 ドン・E・ファンルロイ ハーラン・バンクス
11 沈黙の傭兵

Mercenary For Justice

ジョン・シーガー
12 沈黙の報復

Renegade Justice

2007 サイモン・バリスター 米国版DVDでは「Urban Justice」と表記
13 沈黙の奪還

Shadow Man

ミヒャエル・ケウシュ ジャック・フォスター
14 沈黙のステルス

Flight Of Fury

ジョン・サンズ
15 沈黙の激突

Attack Force

マーシャル・ローソン
16 沈黙の逆襲

The Keeper

2009 キオニ・ワックスマン ローランド・サリンジャー ソニー・ピクチャーズが公開する『斬撃 ZANGEKI』と同日上映(2009年10月3日)
17 沈黙の鉄拳

A Dangerous Man 

2010 シェーン・ダニエルズ
18 沈黙の鎮魂歌

Driven To Kill

ジェフ・F・キング ルスラン・ドラチェフ ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメントジャパンより2010年2月3日にDVD及びBlu-ray Discリリース。沈黙シリーズ初の邦題一般公募企画(2010年2月3日に公式サイトで発表)
19 沈黙の復讐

Born to Raise Hell 

ラウロ・チャートランド ボビー・サミュエル 「男たちのヒート祭り 第5弾」として2010年12月11日劇場公開
20 沈黙の宿命

True Justice Part1 

2011 キオニ・ワックスマン イライジャ・ケイン テレビドラマシリーズ「TRUE JUSTICE」6部作
21 沈黙の啓示

True Justice Part2

22 沈黙の背信

True Justice Part3 

ウェイン・ローズ
23 沈黙の弾痕

True Justice Part4 

24 沈黙の挽歌

True Justice Part5 

25 沈黙の神拳

True Justice Part6 

キオニ・ワックスマン
26 沈黙の男セガール ガチトークバトル

The Voice Versus: Steven Seagal

2012 本人 インタビュー作品。日本ではザ・シネマにて2017年に放送
27 沈黙の絆

True Justice2 Part0

キオニ・ワックスマン イライジャ・ケイン
28 沈黙の嵐

True Justice2 Part1 

キオニ・ワックスマン イライジャ・ケイン テレビドラマシリーズ「TRUE JUSTICE 2」6部作
29 沈黙の掟

True Justice2 Part2

ウェイン・ローズ
30 沈黙の牙

True Justice2 Part3  

ラウロ・チャートランド
31 沈黙の炎

True Justice2 Part4  

キオニ・ワックスマン
32 沈黙の刻

True Justice2 Part5

2013
33 沈黙の魂

True Justice2 Part6

ウェイン・ローズ
34 沈黙の監獄

Maximum Conviction

キオニ・ワックスマン クロス
35 沈黙の処刑軍団

Force of Execution 

2014 アレクサンダー・コーツ
36 沈黙の執行人

A Good Man

アレクサンダー“ゴースト” テレビ放映邦題および配信邦題。DVD邦題は『リターンド・ソルジャー 正義執行人』
37 沈黙のSHINGEKI/進撃

Gutshot Straight

ジャスティン・スティール ポーライン・トランクス
38 沈黙の制裁

Absolution

2015 キオニ・ワックスマン ジョン・アレクサンダー
39 キリング・サラザール 沈黙の作戦

Killing Salazar

2016 ジョン・ハリソン
40 沈黙のアフガン

Sniper: Special Ops

フレッド・オーレン・レイ ジェイク
41 沈黙の粛清

Code of Honor

マイケル・ウィニック ロバート・サイクス
42 沈黙の包囲網 アジアン・コネクション

The Asian Connection

ダニエル・ジリーリ シランキリ
43 沈黙の帝王

The Perfect Weapon

ティトゥス・パール 指揮官
44 エンド・オブ・ア・ガン 沈黙の銃弾

End of a Gun

キオニ・ワックスマン デッカー
45 沈黙の激戦

Contract to Kill

ジョン・ハーモン
46 沈黙の大陸

中国推销员 China Salesman

2017 檀冰 ラウダー 中国映画
47 沈黙の達人

Attrition

2018 マチュー・ウェシュラー アックス
48 沈黙の終焉

General Commander

2019 フィリップ・マルチネス ジェイク・アレクサンダー
49 沈黙の鉄槌

Beyond the Law

ジェームズ・カレン・ブレザック アウグスティーノ・“フィン”・アデル

脚注[編集]

  1. ^ TRUE JUSTICE 『沈黙』シリーズ”. BS-TBS. 2021年3月16日閲覧。[リンク切れ]
  2. ^ a b なぜいつも沈黙、セガール公認? 映画『沈黙』シリーズの謎”. クランクイン!- エンタメの「今」がわかる 映画&エンタメニュースサイト. 2021年3月16日閲覧。
  3. ^ 映画『沈黙の宿命 TRUE JUSTICE PART1』セガール日本語コメント - YouTube
  4. ^ 大反響『沈黙の××』一般公募タイトルが大喜利状態に”. MOVIE WALKER PRESS. 2023年9月12日閲覧。
  5. ^ セガール新作BD/DVDの邦題「沈黙の鎮魂歌」に決定”. AV Watch. 2023年9月12日閲覧。