江戸川学園校長解任事件

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江戸川学園校長解任事件(えどがわがくえんこうちょうかいにんじけん)は、2004年学校法人江戸川学園が運営する江戸川学園取手中学校・高等学校校長の解任に係る事件。最高裁まで争われた。

概要[編集]

学校法人江戸川学園は、2004年7月の理事会で当時の江戸川学園取手中学校・高等学校の校長を解任した。これによりそれまで校長によって行われていた講話の道徳教育は行われないこととなった。これに対して生徒保護者は、校長の道徳授業があるから入学させた、校長の道徳授業が行われないことは約束違反であると反発し、訴訟に発展した[1]

裁判[編集]

2006年9月26日東京地方裁判所で第一審の判決では学校側の裁量権が認められ、保護者側の敗訴となった[2]

2007年10月31日東京高等裁判所で二審判決では、入学後の学校側による教育内容変更は親の学校選択の自由を侵害しているとして一審判決を変更。江戸川学園の逆転敗訴となった。江戸川学園はこれを承服せず、上告受理の申し立てを行い、これが認められて上告審が開かれることになった。なお二審判決直後の新聞記事では、学園側は憲法問題であるとして最高裁判所に上告する意向であると[3]とあったが、最終的な最高裁判決では、上告受理のみ行われたとなっている[4]

2009年12月10日、上告審判決が最高裁判所で下される。これにより保護者側の逆転敗訴が確定した。教育内容の決定は学校設置者や教師の裁量に委ねられるべきであり、学校側が生徒募集の際の説明の際の教育内容の変更が不法行為になるのは社会通念上是認できない場合に限るとの判断が下された[4][5]

外部リンク[編集]

脚注[編集]