櫛田桔梗

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
櫛田 桔梗くしだ ききょう
久保ユリカ(テレビアニメ)[1][2][3]
高橋未奈美(2015年PV)[4][5]
性別[1]
誕生日 1月23日[6]
身長 155cm[6]
キャラクターデザイン トモセシュンサク[7]
テンプレートを表示

櫛田 桔梗(くしだ ききょう)は、衣笠彰梧によるライトノベル作品『ようこそ実力至上主義の教室へ』の登場人物の一人。作中の舞台となる高度育成高等学校の1年Dクラスに在籍する女子生徒[1]。2年生編にて進級する[8]

作中設定[編集]

来歴[編集]

名門校・高度育成高等学校に入学するが、とある事実(後述)により1年Dクラスに配属される。1学期中間テストでは綾小路清隆とともに先輩からの過去問入手に貢献する。中間テスト終了後、学校の屋上で堀北鈴音への罵詈雑言を飛ばす姿を清隆に目撃され、秘密を厳守させるために彼を脅迫する。船上特別試験および体育祭では鈴音を退学させるためにクラスを裏切り、龍園翔に情報提供を行う。ペーパーシャッフル試験では鈴音を退学させるために龍園と行動するが、清隆と鈴音の暗躍により目論見は外れることとなる。

人物像[編集]

学校では男女問わず人気があり[1]、容姿端麗かつコミュニケーション能力が高い[9]。学校中の生徒と友達になることを目標としており、鈴音に対してもアプローチしている[1]。表向きは善人だが、本性は極度の承認欲求を持ち傲慢で利己的な性格であり、周囲の人間を見下している[9]

幼い頃は周囲より学業と運動両面で優れた成績を残していたが成長するにつれ埋没し、その後はクラスの中心となり相談役になることで承認要求を満たしていた[9]。しかし上述の本性が災いしてストレスを貯めてしまい、それを他者への悪態を陰で吐く事で発散していた。中学生時代、現在のように他人の悪口を声に出すのではなく、匿名ブログに記載する形でストレス発散をしていたことがクラスメイトに発覚し、逆上の末にブログに書いていなかったクラスメイトの秘密を暴露し学級崩壊を招いている[10]。入学当初は孤立する鈴音を気にかけるが、実際には同じ中学の鈴音から自身の過去及び本性が他者に知れ渡る可能性を危険視しており[9]、鈴音が退学すればDクラスに貢献しAクラスを目指してもいいと清隆に語っている。

「一之瀬潰し」が起きた時には、クラス内の人間関係を詳細に語り、入学して1年足らずで他クラスの生徒の秘密を握る描写がある[11]

キャラクター設定[編集]

著者・衣笠彰梧が「ショートの方が可愛いからショートにしよう!」と発言したことにより髪の長さはショートヘアに決まった[12]。イラスト担当・トモセシュンサクによれば、かなり激しい裏があるキャラクターであることから、見た目は「正統派で可愛い」というコンセプトでデザインしたとのこと[12]

展開[編集]

Web動画[編集]

2015年5月22日に『ようこそ実力至上主義の教室へ』を元にしたスペシャルアニメがYouTubeにて公開されており[13]、本動画では高橋未奈美が櫛田桔梗役の声優を務める[4][5]

テレビアニメ[編集]

『ようこそ実力至上主義の教室へ』のテレビアニメは2017年7月から放送されており[14][15]、本テレビアニメでは久保ユリカが櫛田桔梗役の声優を務める[1][2][3]。なお、オーディションでは櫛田桔梗の豹変前と豹変後の差を演じる難しさもあったことから、役が自身に決まったことを知った際は驚愕したと振り返っている[16]

久保とテレビアニメ第1期で監督を務めた岸誠二は櫛田の人物像について以下のように述べている。

久保ユリカ - 彼女は周りの人からよく思われたい、ほめられたいという一心で行動しているんですけど、でもそれって人間ならだれでももっている感情だし、特に女子なら共感しやすいと思うんです。櫛田ちゃんはその究極系のような存在で、逆に言えば「ここが女子の限界なのかな?」とも思っちゃいます[17]

岸誠二 - 誰にでも優しくて、見た目も可愛く、言うことなしかと思いきやブラックな一面が見えましたからね。ただし、この表の顔と裏の顔をハッキリと区別できるのはひとつの能力じゃないかと思います。ビジネススマイルを完璧につくれるのって、すごいですよ[18]

久保は声と台詞のギャップやテンションについて、細かく計算して演じるのではなく台本を読んで浮かんだイメージで演じているという[17]

アフレコの際には監督や音響監督から「めちゃめちゃ明るくていい子であざとく!」「やり過ぎなくらいやってください!」と口酸っぱく言われたため、アフレコの度に「やりすぎじゃないか?」と思ったと久保は明かしている[16]。また、綾小路清隆に対する台詞に関しては毎回「これから告白するかのようにやってくれ」と指示されるという[16]

商品化[編集]

2017年9月に開催されたキュアメイドとのコラボカフェ「『ようこそ実力至上主義の教室へ』カフェ 〜自立への大いなる一歩は満足なる胃にあり。〜」の中で「櫛田ちゃんの秘密Tシャツ」が先行販売された[19]

2018年3月に着替え中の「櫛田桔梗1/7スケールフィギュア」が発売された[20]

反響・評価[編集]

『アニメ!アニメ!』が実施した「(久保ユリカが)演じた中で一番好きなキャラクターは?」と題した読者アンケートでは5位を獲得している[21]

久保はテレビアニメ第1期第1話のオンエア後に櫛田について視聴者から「あざとい!」との声が寄せられたとアニメイトタイムズのインタビューで明かしている[16]。また久保は、テレビアニメ第1期第3話のオンエア以前から世間では「こんな性格の女が、このまま良い奴のわけがない!」と散々言われていたが、オンエア後は自身の想像よりも視聴者が受けた衝撃が強かったことを同サイトのインタビューで明かしている[22]

テレビアニメ第2期第6話を視聴した『Anime News Network』のライター・Richard Eisenbeisは「櫛田は悪役としては弱い」と指摘している。同氏は櫛田について、クラスメイトたちからは愛され、信頼を得ているものの、軽井沢恵のような女子をまとめる能力もなければ綾小路清隆のような知的さも持ち合わせていないと評している[23]

脚注[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f メガミマガジン2017/9 (2017), p. 52.
  2. ^ a b メガミマガジン2022/8 (2022), p. 73.
  3. ^ a b メガミマガジン2024/3 (2024), p. 82.
  4. ^ a b youkosozitsuの2015年6月9日のツイート”. Twitter. 2022年4月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年7月10日閲覧。
  5. ^ a b “ラノベ「ようこそ実力至上主義の教室へ」がテレビアニメ化 7月放送”. ねとらぼエンタ. (2017年5月1日). オリジナルの2022年4月8日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20220408114958/https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1705/01/news086.html 2021年7月12日閲覧。 
  6. ^ a b “Classroom of the Elite: Every Main Character's Age, Height & Birthday”. GAMERANT. (2022年5月22日). オリジナルの2022年6月22日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20220526075126/https://gamerant.com/classroom-of-the-elite-every-main-characters-age-height-birthday/ 2022年6月22日閲覧。 
  7. ^ このラノ2022 (2021), p. 18.
  8. ^ このラノ2022 (2021), p. 38.
  9. ^ a b c d ようこそ実力至上主義の教室へ”. マンガペディア. 2022年4月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年11月5日閲覧。
  10. ^ 小説/1年生編第6巻 (2017), pp. 203–209.
  11. ^ 小説/1年生編第9巻 (2018), p. 224-240.
  12. ^ a b トモセシュンサク Art Works第1弾 (2017), p. 103.
  13. ^ “『ようこそ実力至上主義の教室へ』スペシャルアニメ、『のんのんびより りぴーと』PV第2弾…昨日公開された動画を紹介”. Anime Recorder. (2015年5月23日). オリジナルの2022年4月8日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20220408115001/https://www.anime-recorder.com/none/86796/ 2021年7月12日閲覧。 
  14. ^ “ようこそ実力至上主義の教室へ|アニメ声優・キャラクター・登場人物・最新情報一覧”. animate Times. オリジナルの2022年5月5日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20220505124816/https://www.animatetimes.com/tag/details.php?id=6701 2021年12月21日閲覧。 
  15. ^ “ようこそ実力至上主義の教室へ:テレビアニメ第2期が7月スタート 第3期が2023年放送 「1年生編」全てアニメ化”. MANTANWEB (MANTAN). (2022年3月6日). オリジナルの2022年4月13日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20220413043143/https://mantan-web.jp/article/20220306dog00m200038000c.html 2022年3月6日閲覧。 
  16. ^ a b c d “TVアニメ『ようこそ実力至上主義の教室へ』3話の櫛田桔梗(CV:久保ユリカ)から声優陣が感じた恐怖と安心/声優対談”. animate Times. (2017年8月2日). オリジナルの2021年10月28日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20211028194657/https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1501575739 2021年9月25日閲覧。 
  17. ^ a b 月刊ニュータイプ2022/9 (2022), p. 17.
  18. ^ アニメージュ2017/9 (2017), p. 73.
  19. ^ “『ようこそ実力至上主義の教室へ』×『キュアメイドカフェ』コラボカフェ開催!「櫛田ちゃんの秘密Tシャツ」の先行販売も決定”. animateTimes. (2017年9月1日). オリジナルの2021年11月21日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20211121053221/https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1504251935 2021年11月21日閲覧。 
  20. ^ “『ようこそ実力至上主義の教室へ』より着替え中の佐倉愛里1/7スケールフィギュアが2018年3月発売”. ラノベニュースオンライン. (2017年12月16日). オリジナルの2021年11月11日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20211111111313/https://ln-news.com/articles/66053 2021年11月11日閲覧。 
  21. ^ “久保ユリカさんお誕生日記念!一番好きなキャラは?20年版 「ラブライブ!」小泉花陽 2年連続トップなるか!?”. アニメ!アニメ!. (2021年4月15日). オリジナルの2022年5月10日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20220510061323/https://animeanime.jp/article/2020/05/19/53732.html 2021年11月24日閲覧。 
  22. ^ “TVアニメ『ようこそ実力至上主義の教室へ』新たな展開に突入した8話!鬼頭明里さん&久保ユリカさんが思わず笑ってしまったシーンとは”. animate Times. (2017年9月6日). オリジナルの2022年7月16日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20220716110716/https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1504691819 2022年8月18日閲覧。 
  23. ^ “Classroom of the Elite II Episode 6”. アニメニュースネットワーク. (2022年8月9日). オリジナルの2022年8月15日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20220815013639/https://www.animenewsnetwork.com/review/classroom-of-the-elite-ii/episode-6/.188502 2022年8月16日閲覧。 

参考文献[編集]

小説[編集]

  • 衣笠彰梧(著) / トモセシュンサク(イラスト)『ようこそ実力至上主義の教室へ』 第2巻、KADOKAWA〈MF文庫J〉、2015年9月30日。ISBN 978-4-04-067778-1 
  • 衣笠彰梧(著) / トモセシュンサク(イラスト)『ようこそ実力至上主義の教室へ』 第6巻、KADOKAWA〈MF文庫J〉、2017年5月25日。ISBN 978-4-04-069231-9 
  • 衣笠彰梧(著) / トモセシュンサク(イラスト)『ようこそ実力至上主義の教室へ』 第9巻、KADOKAWA〈MF文庫J〉、2018年9月25日。ISBN 978-4-04-065157-6 

関連書籍[編集]

  • トモセシュンサク『ようこそ実力至上主義の教室へ トモセシュンサク Art Works』KADOKAWA、2017年9月23日。ISBN 978-4-04-069291-3 

雑誌[編集]

ガイドブック[編集]

  • 『このライトノベルがすごい!』編集部『このライトノベルがすごい!2022』宝島社、2021年12月9日。ISBN 978-4-299-02264-6 

外部リンク[編集]