樫本大進

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樫本 大進
基本情報
生誕 (1979-03-27) 1979年3月27日(45歳)
出身地 日本の旗 日本
ジャンル クラシック
職業 ヴァイオリニスト
担当楽器 ヴァイオリン

樫本 大進(かしもと だいしん、1979年3月27日 - )は、日本ヴァイオリニスト

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団第1コンサートマスタードイツ在住。ベルリン・フィルのコンマス就任前の、各種コンクールでの受賞歴や、ソリストとしての演奏活動も広く知られる。妻はマリンバ奏者の出田りあ[1]

人物・来歴[編集]

幼少時代[編集]

住友重機械工業造船部門に勤務していた父の赴任先であったロンドンで生まれる。 3歳からヴァイオリンを始め、恵藤久美子に師事した。父の転勤により、ニューヨークへ移り、7歳でジュリアード音楽院プレカレッジに入学し、田中直子に師事した[2]

ドイツ留学以降[編集]

1990年、11歳の時にリューベック音楽院で教鞭を執っていたザハール・ブロンに招かれ、リューベックへ移り、ドイツのギムナジウムに通いながら同音楽院の特待生としてブロンにヴァイオリンを師事した。同年、第4回バッハ・ジュニア音楽コンクールで第1位を獲得し、以後、リピンスキ・ヴィエニヤフスキ国際コンクール・ジュニア部門で第3位(1991年)、ユーディ・メニューイン国際コンクール・ジュニア部門で第1位(1993年)、第3回ケルン国際ヴァイオリン・コンクールで第1位(1994年)をそれぞれ獲得した。1995年、日本でアリオン賞を受賞した後も、1996年、フリッツ・クライスラー国際コンクールで第1位、ロン=ティボー国際コンクールでは、史上最年少で第1位を獲得した。1997年10月、ギムナジウム高校課程を修了し、リューベック音楽院に正式に入学した。同年、日本でモービル音楽賞(奨励賞)を受賞。1998年、芸術選奨新人賞(音楽部門)受賞。1999年、19歳までブロンに師事したが、フライブルク音楽大学に移り、ベルリン・フィルコンサートマスターを務めていたライナー・クスマウルに師事する。また、同年、ニューヨークのソニー・クラシカルとレコーディング契約を結び、デビューアルバムが発売された。2002年、NHK大河ドラマ利家とまつ〜加賀百万石物語〜」の音楽でヴァイオリンを担当した。2004年、パリとウィーンでメンデルスゾーンのもう一つのヴァイオリン協奏曲であるニ短調を演奏して話題となった。

1996年12月、フォーバルスカラシップ・ストラディヴァリウス・コンクールで優勝し、1697年製ストラディヴァリウス「レインヴィル」の2年間の貸与を受けた。1998年、日本音楽財団から1722年製ストラディヴァリウス「ジュピター」の貸与を受けた。

2005年以降[編集]

2005年春に音楽院を修了し、本格的なプロ活動に入った。同年、日本でリサイタル・ツアーを行った。日本でのマネージメントはジャパン・アーツと契約している。使用楽器は、1674年製アンドレア・グァルネリ

2007年10月、幼い頃から毎年のように訪れていた母の故郷という縁もある兵庫県赤穂市において、市民手づくりの『赤穂国際音楽祭〜LePont2007〜』を開催、音楽監督を務める[2][3]。以後、姫路国際音楽祭と隔年で開催されていたが2012年より赤穂、姫路両市による共催となった[4]マリンバ奏者の出田りあと結婚。

2009年9月、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団第1コンサートマスターに内定[5]

2010年12月、試用期間を経て、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団第1コンサートマスターに、ベルリン・フィルで長くコンマスを務めた安永徹よりも1歳若い31歳で正式就任。

2011年5月、CHANGEMAKERS OF THE YEAR 2011 クリエーター部門受賞。

2017年3月、第39回姫路市芸術文化賞を受賞[3][6]

ディスコグラフィー[編集]

家族[編集]

脚注[編集]

注釈・出典[編集]

  1. ^ 樫本大進×出田りあ「ベルリン・フィルのヴァイオリニストと、マリンバ奏者。音楽家夫妻の子育ては、自然体」 |芸能|婦人公論.jp”. 婦人公論.jp. 2022年2月6日閲覧。
  2. ^ a b 樫本大進インタビュー|兵庫のすごい人が集結!すごいすと”. sugoist.pref.hyogo.lg.jp. 2022年2月6日閲覧。
  3. ^ a b 第39回姫路市芸術文化賞:樫本さん大賞に 24日表彰 /兵庫”. 毎日新聞. 2022年2月6日閲覧。
  4. ^ Le Pont International Music Festival
  5. ^ Berliner Philharmoniker - The Orchestra
  6. ^ 樫本大進が、姫路市芸術文化大賞を受賞! | クラシック音楽事務所ジャパン・アーツクラシック音楽事務所ジャパン・アーツ”. クラシック音楽事務所ジャパン・アーツ. 2022年2月6日閲覧。

外部リンク[編集]