樫尾幸雄

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樫尾 幸雄(かしお ゆきお、1930年昭和5年)11月29日[1] - )は、日本の実業家カシオ計算機創業メンバーの「樫尾四兄弟」の一人(末弟)。四兄弟の役割分担では主に生産面を統括し、カシオミニのヒットに貢献。カシオ計算機副社長、特別顧問を歴任した。

経歴・人物[編集]

東京都出身。東京都立第四商業学校を経て、1949年に日本大学専門部機械科を卒業。1957年、カシオ計算機兄弟とともに創業メンバーとなる。

カシオ計算機では、カシオの名を広めた世界初の個人向け電卓であるカシオミニの生産、デジタル式腕時計のG-SHOCKデジタルカメラを一般化させたQV-10の生産にも関与し、カシオ計算機を世界的メーカーに育て上げる一翼を担った。社内では、取締役、専務、常務、副社長、特別顧問を歴任した。また、環境問題にも造詣が深く、環境先進企業としての取り組みも指揮した。科学技術庁長官賞「科学技術功労者」を受賞した経験もある。

後年、読売新聞の求めに応じて、樫尾四兄弟の歩み、カシオ計算機の歩みをオーラルヒストリー形式で語り、読売新聞に「時代の証言者」として連載された。

著書に「電卓四兄弟」がある。2002年から2004年までビジネス機械・情報システム産業協会会長を務めた[2]

親族[編集]

カシオ計算機設立時の社長である樫尾茂(1898〜1986)は父で、樫尾忠雄樫尾俊雄樫尾和雄は兄弟である。

2015年よりカシオ計算機社長を務める樫尾和宏[3]。公益財団法人カシオ科学財団評議員長やカシオ計算機取締役専務執行役員を歴任した樫尾彰、カシオ科学振興財団理事長やカシオ計算機執行役員、上席執行役員法務・知的財産統括部長、コーポレートコミュニケーション統括部長、営業本部国内営業統括部副統括部長などを務めた樫尾隆司はおいにあたる。カシオテクノ取締役や公益財団法人カシオ科学財団評議員、カシオ計算機執行役員、上席執行役員CS本部長を務めた樫尾哲雄は息子。

栄典[編集]

脚注[編集]

  1. ^ カシオマイクロニクス株式会社 有価証券報告書(2007年)p.21
  2. ^ 歴代会長 ビジネス機械・情報システム産業協会
  3. ^ カシオ、27年ぶり社長交代 長男の和宏氏が昇格 和雄氏は会長に 日本経済新聞 2015年5月13日付
  4. ^ 平成17年春の叙勲 旭日小綬章等受章者 東京都” (PDF). 内閣府. p. 1 (2005年4月29日). 2005年5月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月25日閲覧。

外部リンク[編集]

先代
御手洗冨士夫
ビジネス機械・情報システム産業協会会長
2002年 - 2004年
次代
桜井正光