新・仁義なき戦い。

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新・仁義なき戦い。
監督 阪本順治
脚本 高田宏治
原作 飯干晃一
出演者 豊川悦司
布袋寅泰
音楽 布袋寅泰
撮影 笠松則通
編集 荒木健夫
製作会社 東映ビデオ / 東映衛星放送
配給 東映
公開 日本の旗 2000年11月25日
上映時間 109分[1]
製作国 日本
言語 日本語
次作 新・仁義なき戦い/謀殺
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新・仁義なき戦い。』(しん・じんぎなきたたかい。)は、大阪を舞台にした2000年11月25日公開にされたヤクザ映画である。阪本順治監督。

作品について[編集]

深作欣二監督「仁義なき戦い」のリメイクとしながらも、舞台を広島から大阪に移し、抗争も現代的な駆け引きを中心とした全く異なるストーリーとなっている。

深作監督は、公開当時の宣伝用コメントや、各媒体インタビューで「自分が撮ったものとは違うが、これはこれでいい」という旨のコメントをしている。

本作を観た梅宮辰夫は「あまりにも話が暗くてつまらなかった。よっぽど監督や役者の事務所に怒鳴り込もうかと思ったくらい。それを文太さんに伝えたら『お前もそう思うか! 2人で怒鳴り込みに行けば良かったな』って言ったくらいだ」とコメントしている。[2]

また停電のシーンやを食べるシーンなど、随所に深作版のオマージュとも取れる演出が施されている。

キャッチコピーは、俺は生きざま、こいつは死にざまや。

興行収入は2.0億円[3]

あらすじ[編集]

日本最大の暴力団・三代目佐橋組組長松井和久が急死した。若頭の溝口武雄(織本順吉)が跡目を辞退し、跡目となる者の決定には80人の直系組長の同意を得ることを条件として提示した。跡目争いで若頭補佐の粟野和市(岸部一徳)と若手実力者の中平淳史(佐藤浩市)の関係が悪化。そんな中、粟野組幹部の門谷甲子男(豊川悦司)は幼馴染のコリアン実業家の栃野昌龍(布袋寅泰)と再会し、組の抗争へと巻き込まれていく。

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

  • 監督:阪本順治
  • 企画:黒澤満、松田仁
  • プロデューサー:厨子稔雄、豊島泉、椎井友紀子
  • 原作:飯干晃一(角川書店刊)
  • 脚本:高田宏治
  • 音楽監督:布袋寅泰
  • 撮影:笠松則通
  • 照明:杉本崇
  • 美術:秋好泰海
  • 録音:立石良二
  • 編集:荒木健夫
  • 助監督:中川裕介
  • 記録:森村幸子
  • 整音:竹本洋二
  • 装置:増田道清
  • 装飾:極並浩史
  • 背景:西村三郎
  • 衣裳:石倉元一
  • 美粧:諸鍛治恵子
  • 結髪:西村恵美子
  • 助監督:東伸児、山本滋春、相木悟
  • 撮影効果:村瀬治久
  • 音響効果:和田秀明、荒木祥貴
  • 進行:川口彩都美、清水知徳
  • 衣裳デザイナー:武内一志(豊川悦司・布袋寅泰)
  • ヘアメイク:小林真之、田村みずほ(布袋寅泰)
  • 衣裳コーディネーター:有吉麻美、下村由香
  • 擬斗:土井淳之祐
  • 方言指導:尾崎麿基
  • 韓国語指導:金度演、崔哲浩
  • 火薬効果:パイロテック
  • 劇用車:小野順一、土橋淳史
  • 演技事務:山下義明
  • スチール:佐藤俊一
  • 「仁義なき戦いのテーマ」作曲:津島利章 編曲:布袋寅泰
  • 新・仁義なき戦いのテーマ」作曲:布袋寅泰
  • 主題歌:布袋寅泰「BORN TO BE FREE」作詞・作曲:布袋寅泰
  • 音楽エンジニア:伊藤圭一
  • 企画協力:山之内幸夫
  • キャスティング:葛原隆康
  • 進行主任:佐藤鋼太
  • 協力:毎日放送
  • 衣裳協力:MEN'S MELROSE / MEN'S BIGI / MEN'S TENORAS CALZTURE UOMO / 株式会社ナプス
  • 製作:東映ビデオ東映衛星放送
  • 配給:東映

受賞[編集]

  • 第24回日本アカデミー賞 新人俳優賞(布袋寅泰)[4]
  • 第74回キネマ旬報 日本映画監督賞
  • 第22回ヨコハマ映画祭 助演男優賞(村上淳)[5]

映画音楽[編集]

音楽監督は布袋寅泰が務めた。津島利章作曲による旧版テーマ曲のアレンジ・再録音の他、本作オリジナルのテーマ曲「新・仁義なき戦いのテーマ(BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY)」等を作曲。

映画監督のクエンティン・タランティーノは『仁義なき戦いシリーズ』及び深作欣二監督を敬愛しており、なおかつ本作の新テーマ曲を大変気に入り、映画『キル・ビル』のテーマ曲としてそのまま使用したのを機に、世界の各放送媒体、イベント等で使用されるようになった。テレビのスポーツ番組での「対決」をコンセプトとした部分に使用されたり、テレビ朝日系列の野球日本代表試合中継、MLBニューヨークヤンキース松井秀喜選手の打席に向かう際のテーマへの起用、さらに桜塚やっくんの出囃子など、幅広く使われている。

主なロケ地[編集]

サントラCD[編集]

DVD[編集]

新・仁義なき戦い。
発売日 タイトル 規格 品番
2001年8月10日 新・仁義なき戦い。 DVD DSTD-02016

※DVDは2006年12月8日に期間限定出荷の廉価版として再発された後、2014年10月10日に「東映 ザ・定番」として継続的な廉価版として再発されている。Blu-rayは未発売。

ノベライズ[編集]

  • 松本賢吾『新・仁義なき戦い。』(2000年11月1日、角川書店ISBN 978-4043559015
    原作:飯干晃一 ベーシックストーリー:高田宏治、坂本順治

脚注[編集]

  1. ^ 新・仁義なき戦い。 : 作品情報 - 映画.com”. 映画ドットコム. 2022年7月28日閲覧。
  2. ^ 『蘇る!仁義なき戦い―公開40年目の真実―』徳間書店
  3. ^ 「2000年度 日本映画・外国映画 業界総決算 経営/製作/配給/興行のすべて」『キネマ旬報2001年平成13年)2月下旬号、キネマ旬報社、2001年、150頁。 
  4. ^ 第24回日本アカデミー賞優秀作品”. 日本アカデミー賞協会. 2022年7月28日閲覧。
  5. ^ 第22回ヨコハマ映画祭 2000年日本映画個人賞”. ヨコハマ映画祭実行委員会. 2022年7月28日閲覧。

外部リンク[編集]