拓郎105分

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拓郎105分』は、1980年8月10日NHK-FMで放送されたラジオ番組である。長年(プロデビュー10周年)音楽業界に貢献してきた吉田拓郎を讃え、他のミュージシャンが拓郎に感謝状を贈るという内容だった。

概要[編集]

スタジオゲストは松任谷由実で、松任谷や小田和正桑田佳祐らからも感謝状が贈られた。松任谷からの感謝状は「女と見れば一様に声をかけ何とか~」という賞だった。

桑田が贈ったのは「サザンのレコード売り上げに貢献してくれたで賞」であった。桑田が『勝手にシンドバッド』でデビューした時「何を言っているか聞き取れない、あれは歌か」などのバッシングもあった[注 1]が、拓郎は「素晴らしい。僕はテレビがダメだったが彼はテレビを壊している」と絶賛したことに応えての感謝状だった。桑田は一番影響を受けた曲として「HAVE A NICE DAY」を挙げた。桑田は拓郎が手がけたコマーシャルソングの音作りに共感したことが、自身が曲作りを始めるきっかけだったと自著等で述べている[2][注 2]

これを受け司会者が「拓郎さんから桑田さんにエールが送られたということで、拓郎さんと桑田さんで次回の番組どうでしょう」と言い、翌1981年3月8日に放送されたのが『激突105分!拓郎vs桑田』という番組である。拓郎と桑田の他、ゲストは中学の時拓郎の大ファンで、深夜放送で拓郎の結婚宣言を聞き布団で泣いたという原由子[4]でトークやセッションなどをした。また前回に続き松任谷もスタジオゲストの予定だった[注 3]が、体調不良で欠席した。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 拓郎も「イメージの詩」でデビューした時、同様に歌謡界の人たちから「あれが歌かよ。ひどい字余りだし、それに20番ぐらいまである歌なんて聞いたこともない」などと相手にされなかった[1]
  2. ^ フォークは大嫌いだったが、唯一拓郎が好きだったのは、拓郎の歌謡曲的な部分だったとも話している[3]
  3. ^ 新聞等に告知もあり。

出典[編集]

  1. ^ 富澤一誠(監修)『ニューミュージックの本』、128頁。 
  2. ^ 桑田佳祐『ロックの子』講談社、1985年、89頁。 
  3. ^ 桑田佳祐『ロックの子』講談社、1985年、52頁。 
  4. ^ 原由子『娘心にブルースを』ソニーマガジンズ、1998年、171頁。