後から前から

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『後から前から』(うしろからまえから)は、畑中葉子の楽曲である。

本項では同曲をモチーフとした同名映画作品についても記述する。

楽曲[編集]

後から前から
畑中葉子シングル
初出アルバム『白昼夢』
B面 夢まくら
リリース
ジャンル 歌謡曲
時間
レーベル ビクター
作詞・作曲 豊兵衛(作詞)
佐瀬寿一(作曲)
チャート最高順位
畑中葉子 シングル 年表
ロミオ&ジュリエット'79
1979年
後から前から
(1980年)
もっと動いて
1981年
収録アルバム白昼夢
ナレーション1
(1)
後から前から
(2)
横須賀ストーリー
(3)
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1978年にデビュー曲『カナダからの手紙』(平尾昌晃とのデュエット曲)が大ヒットするも、ソロ歌手転向後低迷が続いていた畑中が1980年ににっかつロマンポルノ『愛の白昼夢』に出演し世間に衝撃を与えた時期と前後してリリースされた。

本楽曲は同名映画共々ヒットするが、歌詞の内容からしてゴールデンタイムテレビ番組には不適切と見られたせいか、畑中がテレビ番組で本楽曲を披露するのは殆ど深夜番組に限られていた。要注意歌謡曲指定制度の適用を受けていたとみられるが、最後に制度が改訂された1983年には指定されておらず、それ以前の指定状況は不明[1]

作詞のクレジットが「豊兵衛」となっているのは、作詞を担当した荒木とよひさが「四季の歌」を作詞・作曲しており、「四季の歌」は教科書に掲載されるほどの真面目な曲であることから「これを作った人間が、このようなエロティックな曲の作詞をしたというのはイメージが悪くなる」ため。

1992年にデビューしたセクシーユニット「ゴールデンヒップス」、2014年には乙女フラペチーノ(おとといフライデー)がカバーした。

かつて中日ドラゴンズ選手だった前原博之の応援テーマとして使用されたことがある(「まえはら」と「前から」の捩りで)。

最近では、プロレスリングWAVEにおいてGAMI中川ともかの連携技である延髄斬りの挟み撃ちをこの曲になぞらえて「後から前から」と名づけられた。このタッグチームは「ハタナカヨウコ」と命名され入場曲もこの曲を使用している。2012年1月4日の大会では畑中本人も来場した。

2016年5月11日にリリースされたアルバム『GET BACK YOKO!!』には、新たなアレンジを施した「新録音バージョン」が収録されている。

その後もセクシー系歌謡の代表的な曲としてラジオ番組などで取り上げられることが多く、畑中本人も好意的な反応を見せている。

収録曲[編集]

  1. 後から前から(3分33秒)
  2. 夢まくら(3分46秒)

映画「後から前から」[編集]

1980年版[編集]

後から前から
監督 小原宏裕
脚本 那須真知子
製作 林功
出演者 畑中葉子
音楽 甲斐八郎
主題歌 畑中葉子「後から前から」
撮影 水野尾信正
編集 鍋島惇
製作会社 にっかつ
配給 にっかつ
公開 1980年12月26日
上映時間 67分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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日活ロマンポルノ作品である。
  • 製作:にっかつ(1980年12月26日封切)
  • 監督:小原宏裕
  • 脚本:那須真知子
  • 企画:成田尚哉
  • 製作:林功
  • 撮影:水野尾信正
  • 美術:川船夏夫
  • 音楽:甲斐八郎
  • 録音:福島信雅
  • 照明:新川真
  • 編集:鍋島惇
  • 助監督:加藤文彦
  • スチール:井本俊康

出演者

  • ヨーコ:畑中葉子
  • 修子:風祭ゆき
  • 恵美:香川ますみ
  • 美沙:潤由起
  • かずこ:岸田麻里
  • 行夫:高瀬将嗣
  • 勇次:田浦智之
  • ブルジョワ女:江崎和代
  • 正昭:今井久

2010年版[編集]

後ろから前から
監督 増本庄一郎
脚本 増本庄一郎
出演者 宮内知美
音楽 中川孝
主題歌 宮内知美「後ろから前から RETURNS」
撮影 根岸憲一
編集 小林由加子
製作会社 日活
スカパー・ブロードキャスティング
配給 日活
公開 2010年2月27日
上映時間 71分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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復活版企画「ロマンポルノRETURNS」の一作として上映された。内容は1980年版とは全くの別物であり、本作の表記は「後から前から」。

出演者

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 森達也『放送禁止歌』光文社知恵の森文庫、2003年 71、108頁 ISBN 9784334782252

外部リンク[編集]