床田寛樹
広島東洋カープ #28 | |
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2017年3月9日 マツダスタジアム | |
基本情報 | |
国籍 | 日本 |
出身地 | 兵庫県尼崎市 |
生年月日 | 1995年3月1日(29歳) |
身長 体重 |
181 cm 90 kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 左投左打 |
ポジション | 投手 |
プロ入り | 2016年 ドラフト3位 |
初出場 | 2017年4月5日 |
年俸 | 1億円(2024年)[1] |
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
この表について
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床田 寛樹(とこだ ひろき、1995年3月1日 - )は、兵庫県尼崎市出身のプロ野球選手(投手)。左投左打。広島東洋カープ所属。
経歴[編集]
プロ入り前[編集]
小学校1年から兵庫県の園田南キッドで野球を始め、中学(尼崎市立園田中学校)時代は兵庫スターズ(ボーイズリーグ)に所属した。
高校時代は大阪府箕面市の箕面学園高等学校にて1年秋からベンチ入りし、2年春の大阪大会でベスト16入り、2年夏予選からエースとしてチームを牽引、3年夏の大会は2回戦・大阪園芸高校戦で13奪三振5安打無四球完封勝利したが、3回戦で豊中高校に3‐4でサヨナラ負け[2]。
中部学院大学では、入学当初は130km/h程度だった球速が140km/h台になり、2年秋に先発2番手の座を掴み、同年の明治神宮野球大会では後に横浜DeNAに入団する駒澤大学の今永昇太と投げ合う[3]。3年秋途中からは副主将を務め、大学公式戦で通算27勝(リーグ戦21勝)、岐阜県学生リーグでベストナイン2回、東海地区選手権で最優秀投手、優秀選手各1回。
2016年10月20日、ドラフト会議で広島東洋カープから3位指名され、契約金6000万円、年俸700万円で入団した[4]。背番号は28。
広島時代[編集]
2017年は、1年目から開幕ローテーション入りを果たし[5]、4月5日の対中日戦(ナゴヤドーム)でプロ入り初登板・初先発、7回途中3失点で勝敗つかず[6]。2回目の先発となる4月12日の対読売ジャイアンツ戦(東京ドーム)で7回5失点プロ入り初勝利[7]。しかし、本拠地デビューとなった4月19日の対横浜DeNAベイスターズ戦(マツダ)にて左肘の違和感で4回で降板、左肘内側筋筋挫傷により登録抹消[8]。安静加療3週間との診断だったが、7月27日に左肘関節内側側副靱帯再建手術と尺骨神経剥離手術を受ける[9]。11月8日に現状維持の年俸700万円で契約更改する[10]。
2018年は、8月8日の二軍戦に登板し実戦復帰[11]、二軍で8試合に登板し1勝1敗防御率2.25[12]。11月12日に50万円減の年俸650万円で契約更改する[13]。
2019年は、2年ぶりに開幕ローテーション入りを果たし、4月6日の阪神タイガース戦(マツダ)でプロ2勝目となる724日ぶりの白星を挙げた[14]。4月13日の対DeNA戦(横浜スタジアム)では9回4安打1失点の投球でプロ入り初の完投勝利を収めた[15]。セ・リーグの監督推薦選手として自身初のオールスターゲームに選出され、第2戦(7月13日・阪神甲子園球場)に登板し1回を無失点に抑えた[16]。規定投球回数には到達しなかったものの、7勝を挙げた。
2020年は開幕から不調が続き、二軍落ちを経験。その後再昇格したが、シーズンでは5勝8敗と負け越した。
2021年は開幕ローテーション入りを果たしたものの、雨天コールドとなった6月3日の日本ハム戦にて3回被安打8、5失点(自責点4)と打ち込まれ二軍落ちとなった[17]。8月29日に一軍昇格し、同日の阪神戦で6回5安打10奪三振無失点で2勝目を挙げると[18]、9月21日の巨人戦では6安打9奪三振でプロ初完封勝利を収めた[19]。9月は4試合に先発して、その1完封を含む3勝1敗、月間防御率0.93の成績を残し、自身初の月間MVPに選出された。同月の月間MVPは打者部門は鈴木誠也が受賞しており、広島の選手が同時受賞するのは15年ぶりだった[20]。
2022年は、開幕から先発として順調な投球を続ける。5月31日の北海道日本ハムファイターズ戦(マツダ)では8回無失点の好投を見せ、自身交流戦初勝利で、シーズン5勝目を挙げる[21]。オールスターゲームにも3年ぶりに選出された[22]。しかし8月3日のDeNA戦(横浜スタジアム)で打席に入った際に、ファーストゴロで一塁に走り出したところで転倒。そのまま立ち上がる事が出来ずに交代し、広島市内の病院で右足関節骨折と診断され、シーズン絶望となった[23]。17試合の登板でキャリアハイとなる8勝6敗、防御率2.84の成績を残し、契約更改では2000万円増の5000万円で契約を更改した[24]。
2023年は、前年のケガから順調に復帰し開幕第2戦目の東京ヤクルトスワローズ戦でシーズン初登板・初先発を果たした。シーズンを通して安定したピッチングを続け、自身初となる規定投球回に到達した。11勝(7敗)を挙げ、リーグ3位となる防御率2.19を記録。打撃の面でも一年を通し好調を維持し打率.275を記録した。チームの5年ぶりのクライマックスシリーズ進出の原動力となった。
選手としての特徴・人物[編集]
最速152km/h[25]のストレートとスライダー、ツーシーム、パームボールを投げる[26]。
バッティングも良く、自らは「森下暢仁よりも打撃が良い」と語っている。
床田と同級生で岐阜学生リーグで対戦経験豊富な吉川尚輝(2016年度プロ野球ドラフト会議にて巨人から1位指名)に、2016年全日本大学野球選手権大会で優勝した感想として「普段のリーグ戦で床田らの球を見ているので、全国のピッチャーの球が特別すごいとは思わなかったです」と言わしめた[27]。
アクトレスガールズ所属の女子プロレスラーの澄川菜摘は従姉妹にあたる[28]。
兄は大阪でパーソナルジムや飲食店等を経営する経営者である。またYouTubeチャンネル「あめんぼぷらす」の動画に出演している。
詳細情報[編集]
年度別投手成績[編集]
年 度 |
球 団 |
登 板 |
先 発 |
完 投 |
完 封 |
無 四 球 |
勝 利 |
敗 戦 |
セ 丨 ブ |
ホ 丨 ル ド |
勝 率 |
打 者 |
投 球 回 |
被 安 打 |
被 本 塁 打 |
与 四 球 |
敬 遠 |
与 死 球 |
奪 三 振 |
暴 投 |
ボ 丨 ク |
失 点 |
自 責 点 |
防 御 率 |
W H I P |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2017 | 広島 | 3 | 3 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | .500 | 71 | 17.1 | 16 | 2 | 3 | 0 | 0 | 16 | 0 | 0 | 10 | 10 | 5.19 | 1.10 |
2019 | 25 | 24 | 1 | 0 | 0 | 7 | 6 | 0 | 0 | .538 | 590 | 139.2 | 131 | 17 | 48 | 3 | 5 | 101 | 2 | 0 | 54 | 46 | 2.96 | 1.28 | |
2020 | 15 | 15 | 0 | 0 | 0 | 5 | 8 | 0 | 0 | .385 | 343 | 76.2 | 101 | 10 | 23 | 0 | 0 | 56 | 1 | 0 | 51 | 42 | 4.93 | 1.62 | |
2021 | 16 | 15 | 1 | 1 | 0 | 5 | 4 | 0 | 1 | .556 | 374 | 87.1 | 91 | 5 | 24 | 0 | 2 | 80 | 1 | 0 | 32 | 31 | 3.19 | 1.32 | |
2022 | 17 | 17 | 1 | 1 | 0 | 8 | 6 | 0 | 0 | .571 | 446 | 114.0 | 87 | 10 | 28 | 2 | 4 | 74 | 2 | 1 | 36 | 36 | 2.84 | 1.01 | |
2023 | 24 | 23 | 2 | 2 | 0 | 11 | 7 | 0 | 0 | .611 | 636 | 156.0 | 144 | 13 | 28 | 1 | 5 | 86 | 3 | 0 | 46 | 38 | 2.19 | 1.10 | |
通算:6年 | 100 | 97 | 5 | 4 | 0 | 37 | 32 | 0 | 1 | .536 | 2460 | 591.0 | 570 | 57 | 154 | 6 | 16 | 413 | 9 | 1 | 229 | 203 | 3.09 | 1.23 |
- 2023年度シーズン終了時
- 各年度の太字はリーグ最高
年度別守備成績[編集]
年 度 |
球 団 |
投手 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 | ||
2017 | 広島 | 3 | 3 | 3 | 0 | 0 | 1.000 |
2019 | 25 | 17 | 39 | 1 | 4 | .982 | |
2020 | 15 | 4 | 11 | 2 | 0 | .882 | |
2021 | 16 | 4 | 17 | 0 | 1 | 1.000 | |
2022 | 17 | 6 | 24 | 1 | 3 | .968 | |
2023 | 24 | 12 | 32 | 1 | 5 | .978 | |
通算 | 100 | 46 | 126 | 5 | 13 | .972 |
- 2023年度シーズン終了時
- 各年度の太字はリーグ最高
表彰[編集]
記録[編集]
- 初記録
- 投手記録
- 初登板・初先発登板:2017年4月5日、対中日ドラゴンズ2回戦(ナゴヤドーム)、6回1/3を3失点6奪三振で勝敗つかず
- 初奪三振:同上、1回裏に堂上直倫から空振り三振
- 初勝利・初先発勝利:2017年4月12日、対読売ジャイアンツ2回戦(東京ドーム)、7回5失点8奪三振
- 初完投勝利:2019年4月13日、対横浜DeNAベイスターズ2回戦(横浜スタジアム)、9回1失点6奪三振
- 初完封勝利:2021年9月21日、対読売ジャイアンツ19回戦(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)、9回無失点9奪三振
- 打撃記録
- 初打席:2017年4月5日、対中日ドラゴンズ2回戦(ナゴヤドーム)、3回表に出場、八木智哉から遊ゴロ
- 初安打:2019年6月30日、対横浜DeNAベイスターズ12回戦(横浜スタジアム)、3回表に井納翔一から中前安打
- 初打点:2019年9月5日、対東京ヤクルトスワローズ23回戦(明治神宮野球場)、6回表に高梨裕稔から右越適時二塁打
- その他の記録
背番号[編集]
- 28(2017年 - )
脚注[編集]
- ^ “広島 - 契約更改 - プロ野球”. 日刊スポーツ (2023年12月1日). 2023年12月1日閲覧。
- ^ “「東海地区大学野球岐阜学生リーグ 中部学院大 ドラフト候補床田 スカウト9球団10人の前で完投アピール」”. 中日スポーツ (2016年4月10日). 2017年3月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年8月30日閲覧。
- ^ “カープ・ドラフト3位、中部学院大・床田寛樹がプロを明確に目指すと誓った日――「今永さんのような選手に勝ちたい」”. ベースボールチャンネル (2016年12月14日). 2021年8月30日閲覧。
- ^ “【広島】ドラフト3位・床田が仮契約「同じ新人には負けないようにしたい」”. スポーツ報知. (2016年11月15日). オリジナルの2017年4月7日時点におけるアーカイブ。 2017年11月10日閲覧。
- ^ “ドラ1加藤は開幕1軍ならず”. Full-Count. (2017年3月29日) 2017年11月10日閲覧。
- ^ “ドラ3床田は初先発も勝利ならず”. デイリースポーツ online. (2017年4月5日) 2017年11月10日閲覧。
- ^ “広島D3・床田、両親の前でプロ初星!「とりあえず加藤に並んだ」”. SANSPO.COM. (2017年4月13日) 2017年11月10日閲覧。
- ^ “広島・床田が抹消…左肘内側筋筋挫傷で安静加療3週間”. SANSPO.COM. (2017年4月21日) 2017年11月10日閲覧。
- ^ “広島・床田が左ひじを手術 4月に違和感訴え”. デイリースポーツ online. (2017年7月28日) 2017年11月10日閲覧。 “広島の床田、左肘手術で今季絶望=プロ野球”. 時事ドットコムニュース. (2017年7月28日) 2017年11月10日閲覧。
- ^ “カープ床田、現状維持でサイン プロ初勝利も故障に泣く”. デイリースポーツ online. (2017年11月8日) 2017年11月10日閲覧。
- ^ “広島)長いトンネル抜け、1軍復帰も視野 床田寛樹選手”. 朝日新聞デジタル. (2018年9月4日) 2019年1月18日閲覧。
- ^ “最速154キロ右腕、強打の高卒捕手… 広島、2019年ブレイク期待の5選手”. Full-Count. (2019年1月3日) 2019年1月18日閲覧。
- ^ “床田が50万減の年俸650万円で契約を更改「結果を残して給料を上げたい」”. デイリースポーツ online. (2018年11月12日) 2019年1月18日閲覧。
- ^ “床田が724日ぶり白星、プロ2勝目 トミー・ジョン手術で復活”. デイリースポーツ online. 2019年11月1日閲覧。
- ^ “広島の連敗が5でストップ 床田が“救世主”プロ初1失点完投で2勝目”. デイリースポーツ online. 2019年11月1日閲覧。
- ^ “床田「持ち味を出せた」球宴初登板で1回無失点”. デイリースポーツ online. 2019年11月1日閲覧。
- ^ “広島床田2軍降格、がむしゃらさ見えず「こんな投球じゃあ無理」佐々岡監督”. 日刊スポーツ (2021年6月3日). 2021年8月30日閲覧。
- ^ “広島床田寛樹94日ぶり1軍登板で復活2勝目 「100点満点」佐々岡監督”. 日刊スポーツ (2021年8月29日). 2021年8月30日閲覧。
- ^ “広島・床田がプロ初完封「鳥肌が立ちました」八回後に、佐々岡監督と続投話し合う”. デイリースポーツ (2021年9月21日). 2021年9月21日閲覧。
- ^ “広島鈴木誠也、床田寛樹の同学年コンビが月間MVPダブル受賞 床田は初”. 日刊スポーツ. (2021年10月6日) 2021年10月6日閲覧。
- ^ “【広島】床田寛樹プロ6年目で交流戦初勝利 リーグトップタイ5勝目 日本ハム戦8回無失点”. 日刊スポーツ. (2022年5月31日) 2022年10月5日閲覧。
- ^ “マイナビオールスターゲーム2022 監督推薦でカープから3選手が選出!”. 広島東洋カープ公式サイト. (2022年7月13日) 2022年10月5日閲覧。
- ^ “プロ野球 広島 床田寛樹 右足骨折で1軍登録抹消 先発の柱離脱”. NHK. (2022年8月4日) 2022年10月5日閲覧。
- ^ “【広島】床田寛樹が大幅増5000万円更改 右足関節骨折から4カ月「8割ぐらいで走れるように」”. 中日スポーツ (2022年12月14日). 2022年12月14日閲覧。
- ^ “広島・床田、6勝目ならずも7回零封 自己最速152キロに「ビックリ」”. スポーツニッポン (2019年6月1日). 2021年8月30日閲覧。
- ^ “「硬式野球部 床田寛樹投手 広島東洋カープから3位指名される」”. 中部学院大学 (2016年10月20日). 2017年3月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年8月30日閲覧。
- ^ “【2016年ドラフト交差点 隠し玉】大学NO.1野手・吉川の“宿敵”床田寛樹(中部学院大)にプロ注目。「全国の左投手の中で上位」とも”. ベースボールチャンネル (2016年10月16日). 2021年8月30日閲覧。
- ^ “【広島】尼崎出身の床田、甲子園人生初登板も阪神のヤジ歓迎「むしろうれしい」”. スポーツ報知 (2019年5月17日). 2021年1月20日閲覧。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 個人年度別成績 床田寛樹 - NPB.jp 日本野球機構
- 選手の各国通算成績 Baseball-Reference (Japan)、The Baseball Cube
- 28 床田 寛樹 - 広島東洋カープ公式サイト