川村深雪

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川村 深雪
出身地 日本の旗 日本
ジャンル クラシック
職業 ピアニスト
担当楽器 ピアノ

川村 深雪(かわむら みゆき、1927年 - )はピアニストハンドベル指揮者。東京芸術大学卒業、元創価大学教授。

人物[編集]

ピアニスト活動[編集]

川村はピアニストとして、日本の西洋音楽の初期の受容において、とりわけフランス近・現代の作品や、シェーンベルク等の現代音楽作品の演奏と紹介に貢献した人物である。また歌曲合唱曲の伴奏者としても知られた。東京芸術大学に学び、この頃、山田耕筰より直接に指導も受けている。

1940年代から1950年代、福澤アクリヴィの来日の際に主たるピアノ伴奏者をつとめた。この時、福澤と川村は、1950年代の日本においてはほとんど知られていなかったフォーレドビュッシーフランクの歌曲などを演奏している。

特筆すべきは1954年8月3日、実験工房主催により指揮者入野義朗福澤アクリヴィらとともにシェーンベルクの「月に憑かれたピエロ」の日本初演を行ったことである。その後、同じメンバーにより同年10月9日にやはり実験工房主催の演奏会で、公開初演もされた(山葉ホール)。1954年8月3日の放送初演の記録は幸いにも残されており、2001年ビクターよりCD復刻されている。

1964年TBSの委嘱で作曲された高田三郎の混声合唱組曲「水のいのち」の初演の際、川村深雪はピアノ伴奏をつとめている(この時の演奏は日本合唱協会、指揮者は山田和男である)。また同じ年の1964年に、中田喜直作曲の混声合唱組曲「昇天」を演奏している。

中田喜直「六つの子供の歌」「昇天」、高田三郎「水のいのち」により、川村深雪は芸術祭奨励賞を受賞。1970年には、ソプラノ歌手伊藤京子による「中田喜直歌曲集」のピアノ伴奏で芸術祭優秀賞も受賞している。

1981年には「琴とピアノのための幻想曲“周桜”」を作曲。1983年に創価大学第4次訪中団として、北京その他で同曲を演奏している。

ハンドベル指導者[編集]

彼女はまたハンドベル指導者としても知られる。1987年7月に創価大学ゴールデンベルリンガーズ(当初は学内のハンドベル愛好会)が学内で発足され、その指導に川村はあたる。このチームは彼女の指揮・指導の下、高度なハンドベル編曲、演奏を行った。それ以前のハンドベル演奏では取り上げられなかったポップソングや歌謡曲、ジャズ・ナンバー、クラシック作品などを意欲的に取り上げ、日本ハンドベル連盟からもその演奏技術や指導方法は高く評価された。また前田憲男は同団体の演奏を「一生のうちにめったに聴けるものではないシロモノ」と評している。彼は創価大学ゴールデンベルリンガーズの演奏技術を高く評価し、「ドレミの歌」「チャタヌーガ・チュー・チュー」「A列車で行こう」「タイースの瞑想曲」「ストリングスの休日」などを、同団体のためにハンドベル用に編曲もしている。

彼女の指導した創価大学ゴールデンベルリンガーズの演奏活動の幅は非常に広く、1990年から1994年まで5年連続で東京ディズニーランドミュージック・フェスティバルに出演。また1992年には前田憲男音楽監督による演奏会「TOPS4」にゲスト出演・共演をしている。

主な演奏記録・音源[編集]

ピアノ伴奏[編集]

ハンドベル演奏音源[編集]