山口正

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山口 正(やまぐち ただし、1909年明治42年)8月26日[1] - 2000年平成12年)5月26日)は、日本国文学者茨城大学名誉教授上代文学、特に『万葉集』が専門だが、作文教育にも関わった。

経歴[編集]

鹿児島県加治木(現・姶良市加治木町)生まれ。鹿児島県立加治木中学校 (旧制)を経て、1930年3月第七高等学校造士館 (旧制)文科卒業[2]1933年東京帝国大学文学部国文科卒業。海城中学校(現・海城高等学校)教諭、1936年長野県飯田中学校(現・長野県飯田高等学校)教諭、釜山高等女学校教諭、水戸高等学校教授茨城大学文理学部助教授教養部教授、1975年定年退官、名誉教授。2000年5月26日、虚血性心不全のため死去[1]

1955年解釈学会を創設、会長。教え子の柴崎芳夫教育出版センターを設立して解釈学会を支えた。娘は柴崎に嫁し、のち銀の鈴社を興した柴崎俊子[3]

著書[編集]

  • 『新葉集』新紀元社 少年国文学叢書、1943
  • 『万葉修辞の研究』武蔵野書院、1964
  • 『児童文の表現』教育出版センター、1968
  • 『レトリック理論と作文指導』明治図書出版、1969
  • 『万葉集百首歌とその研究』教育出版センター、1970
  • 『小学生の目とこころ 児童文の表現』教育出版センター、1972
  • 『レトリックの精神と西尾理論 主題・構想・叙述の理論を中心に』教育出版センター 国語教育叢書、1976
  • 『コスモス咲くところ 作文の人となって』古稀記念随筆集、教育出版、1979
  • 『わが子に作文力をつける お母さんが書ければ子供はぐんぐん伸びる』教育出版センター サンシャインブックス、1982
  • 山口正著作集』全4巻 教育出版センター
    第1巻 (万葉修辞の研究)』1984
    第2巻 (万葉調の研究)』1984
    第3巻 (万葉集序歌の研究)』1985
    第4巻 (万葉集百首歌の研究)』1986
  • 『レトリック理論と作文指導』教育出版センター 国語教育叢書、1984
  • 西郷隆盛の詩魂 大和にしきを心にぞ』銀の鈴社、銀鈴叢書 1988
  • 『物語新葉集』教育出版センター、古典選書 1991

共編著[編集]

  • 『漢字小辞典 よみ方・かき方・意味・使い方の手引』釘本久春共編 港出版合作社、1954
  • 『子どもと父母と教師のための小学生の文章教室』1〜6年生 多田公之助共著 教育出版センター、1974-1976
  • 『言語文化講座』大沢功一郎共著 児童文化と表現の会編 教育出版センター、大学講義 1988

参考[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b 『現代物故者事典2000~2002』(日外アソシエーツ、2003年)p.637
  2. ^ 『第七高等学校造士館一覧 昭和4年4月至5年3月』p142、『第七高等学校造士館一覧 昭和4年4月至5年3月』p287
  3. ^ 柴崎俊子『思い出の編集日記』銀の鈴社、2012