小鉾岸川

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小鉾岸川
小鉾岸川 2012年7月17日撮影
小鉾岸川(豊浦町大岸) 大岸橋より上流を望む
水系 二級水系 小鉾岸川
種別 二級河川
延長 9.0 [1] km
平均流量 -- m³/s
(小鉾岸川水位観測所)
流域面積 -- km²
水源 金山豊浦町
水源の標高 500.9 m
河口・合流先 噴火湾(豊浦町)
流域 北海道胆振総合振興局管内
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小鉾岸川(おふきしがわ)は、北海道胆振総合振興局管内を流れ噴火湾に注ぐ二級河川。小鉾岸川水系の本流である。

地理[編集]

北海道胆振総合振興局虻田郡豊浦町にある三等三角点金山で源を発し、支流の豊泉川と合流し大岸付近の河口で噴火湾に注ぐ。

名称の由来[編集]

アイヌ語由来であり、その名称となった由来については下記の各説が出されている[2]

小鉾岸、負岸、の表記で下流域の地名ともなっていたが、地名については後年「大岸」に改名されている[2]

アイヌ語 意味 由来
カタカナ表記アコㇿイタㇰ ラテン翻字
オㇷ゚ケㇱ op-kes ・足 秦檍麻呂『東蝦夷地名考』(1824年)による。海岸の形が銛の石突につけるU字型の器具に似ていたため[2][3]。幕末・明治の探検家松浦武四郎は、銛の石突を神が拾ったという伝説を紹介している[2][3]
オㇷ゚ケㇱペシㇼエトゥ op-kespe-sir-etu 槍端岬? 永田方正による。銛の石突に似た岩がある岬から[3]
ただし、山田秀三に「kespe」の語尾の「pe」が語法上おかしいことを指摘されている[2][3]
オプケプシシレトママ 不明 槍の先端に似た岩のある岬 『駅名の起源』(1939年版)より[4]
オㇷ゚ケウㇱペッ op-ke-us-pet 槍・を削る・いつもする・川 『駅名の起源』は1950年版からこの説を採用し[2]、1973年(昭和48年)に国鉄北海道総局が発行した『北海道 駅名の起源』でも同説を紹介[5]
オㇷ゚ケㇱペ op-kes-pe 鉾・末・所 上原熊次郎による。同地の東西に岬があり、この形がアイヌが漁に用いる鉾の末にあるような入り江であったため。山田秀三は語法上、op-kes-un-pe(銛の・末端・にある・もの)などが略されたものではないかと指摘している[2][3]

流域の自治体[編集]

国道大岸橋にある小鉾岸川の河川標識
北海道
胆振総合振興局豊浦町

支流[編集]

括弧内は流域の自治体

  • 岩間沢(豊浦町)
  • 高橋沢川(豊浦町)
  • ペタヌ川(豊浦町)
  • 豊泉川(豊浦町)
  • 芝伏川(豊浦町)

関連項目[編集]

主な橋梁[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 河川施設編(北海道)[リンク切れ]
  2. ^ a b c d e f g 山田秀三 (2018-11-30). 北海道の地名. アイヌ語地名の研究 山田秀三著作集 別巻 (2 ed.). 浦安市: 草風館. pp. 412-413. ISBN 978-4-88323-114-0 
  3. ^ a b c d e アイヌ語地名リスト エン~オニシ P21-30P”. アイヌ語地名リスト. 北海道 環境生活部 アイヌ政策推進室 (2007年). 2017年10月20日閲覧。
  4. ^ 札幌鉄道局 編『駅名の起源』北彊民族研究会、1939年、37頁。doi:10.11501/1029473NDLJP:1029473https://dl.ndl.go.jp/pid/1029473 
  5. ^ 『北海道 駅名の起源』(第1版)日本国有鉄道北海道総局、札幌市、1973年3月25日、67頁。ASIN B000J9RBUY 

外部リンク[編集]