国立看護大学校

国立看護大学校
大学校設置/創立	2001年1月6日
大学校種別	省庁大学校
設置者	国立研究開発法人国立国際医療研究センター
本部所在地	東京都清瀬市梅園1-2-1
キャンパス	東京（東京都清瀬市）総面積48,065.45㎡
学部	看護学部
研究科	看護学研究科
ウェブサイト	国立看護大学校公式サイト

国立看護大学校（こくりつかんごだいがっこう、英語: National College of Nursing, Japan）は、東京都清瀬市梅園1-2-1に本部を置く日本の省庁大学校である。2001年 1月6日に設置された。

概要[編集]

厚生労働省所管の国立研究開発法人である国立国際医療研究センターが設置する高等教育機関である^[2]。高度専門医療に関する研究等を行う国立研究開発法人に関する法律第16条第6号に基づき、国立高度専門医療研究センターで将来の幹部となる看護職員の養成を目的とする。修業年限は4年で、看護師・助産師（選択）の国家試験受験資格があたえられる。日本の4年制看護学教育のモデル校として位置づけられ、「心と心が通い合う、人間的な看護」というヒューマンケアの理想を基盤とする^[2]。

文部科学省所管の大学とは異なる高等教育機関である。「学士（看護学）」の学位については、4年以上在学し必要な128単位以上取得することにより、卒業時に大学改革支援・学位授与機構から得ることができる^[3]。「修士（看護学）」および「博士（看護学）」の学位に関しては、特別研究論文を作成して学内審査に合格した上で同機構に申請し、論文の審査と試験に合格することで取得できる^[4]^[5]。

2007年より日本看護系大学協議会会員校であり、看護系大学には、省庁大学校である国立看護大学校と防衛医科大学校が含まれる^[6]。

2001年の開校当初は、厚生労働省の国立国際医療センターが設置者であったが、2010年に同センターが独立行政法人国立国際医療研究センターに移行したのに伴い、本大学校も国の直属から独立行政法人の組織の一部に移行した。2025年度以降に創設が予定される国立健康危機管理研究機構においては、国立看護大学校は部局として看護師育成機能を担うとともに、感染症対応や臨床研究・開発を担う人材育成や、臨床研究看護の講座新設などを通じて、パンデミック時に国立病院機構等の病院を束ねる多施設共同臨床試験の実施を担えるリサーチ・ナースの養成方策についても検討が行われる^[7]。

開校の精神[編集]

2001年に厚生労働省により、最先端医療を担う病院で求められる優秀な看護師を育成することを目的として設置された。厚生労働省所管のために名称は大学校であるが、文部科学省所管の大学と総てのレベルにおいて、全く同等あるいはそれ以上の教育機関の設立が目指された。すなわち、頭でっかちな人間を育てるのではない、むしろ厚生労働省にしかできない、豊かな人間性に根ざした看護の心をもちつつ、高度な看護技術を身につけた人々を育成する高等教育機関として設置された^[8]。
政策医療の場で働く看護師の育成を目的としており、高度な看護教育に多くの時間を割くために保健師の国家試験受験資格のための教育は行わない。統合カリキュラムであるため地域や在宅での看護教育や、広く環境や健康についての教育は行われる^[8]。
国策として国際的な医療援助を厚生労働省が担うことから、その活動を担う人材を育成する。このため、国際的な医療援助活動に必要な知識や技術を教育する^[9]。
臨床と学内での教育がとかく遊離しがちであるのを排するために、臨床と学内教育とのユニフィケーションシステム（教育と臨床の一体化）を考えた。これを先進的に行っている大学として、ワシントン大学、ケースウェスタンリザーブ大学、ペンシルバニア大学の各大学に学ぶことも設立準備検討委員会は行った^[10]。ユニフィケーションシステムにより臨床と学内を繋ぐ臨床教員の配置が可能となったのは、病院も学校も厚生労働省の所管のため併任が可能だからである^[11] 。

人間についての理解を深めて人々と心を通わせ、支援していくことの素晴らしさを学ぶ「ヒューマンケアの精神」に導かれた看護が実践できる人材の育成を目指す。

沿革[編集]

前身[編集]

国立東京第一病院附属高等看護学院[編集]

　国立国際医療研究センターの前身である臨時東京第一陸軍病院では1945年10月から看護教育が開始され、1945年12月に病院が厚生省に移管されて国立東京第一病院が発足した。1946年3月に国立東京第一病院看護婦養成所と命名、1948年4月に国立東京第一病院附属高等看護学院と改めた^[12]。当時国立東京第一病院はGHQの指示によってできた塩田委員会（病院の近代化を図る委員会）によりモデル病院に指定された。1948年5月に国立東京第一病院附属高等看護学院は国立病院最初のモデル校に指定され、GHQから看護婦が派遣されて常駐して看護指導を行っていた^[13]。

看護教員による教育指導体制[編集]

　1947年2月から1970年5月まで国立東京第一病院附属高等看護学院の教務主任を務めた古屋かのえは^[14]、GHQ公衆衛生福祉看護課のミス・ハーター（1948年5月-1949年3月派遣）およびスウェーデン系のミス・E・カールソン^[15]（1948年5月-1950年10月派遣）と協力して学院の基礎を築き^[16]^[14]、医師の主導による日本の看護教育から、看護教員による教育指導体制へと変化した^[17]。これは当時国立東京第一病院院長、国立東京第一病院附属高等看護学院長であった坂口康蔵が、病院の近代化については良いチャンスなのでできる限りGHQ公衆衛生福祉看護課の協力をする方針であったため、可能となった^[18]。

大学化への陳情と誓願[編集]

　古屋かのえは、1970年の退職後も毎年関係機関への陳情や誓願など大学化への運動を行い^[19]、「看護教育は大学に――せめて短大なりと」、「大学にならなければ教育の場としての最低の人的、物的条件も整えることができない」と語っていた^[20]。1994年に「少子・高齢社会看護問題検討会(保健婦助産婦看護婦部会の下)」報告書において、看護基礎教育の充実のため「国立病院・療養所附属の看護婦養成所についても、看護系大学の整備の進展に対応して看護教育の向上、幹部看護婦の養成、高度先進医療等の臨床看護研究等を進めるために、修了者が看護の学士を授与され得る課程を持つ4年制看護大学校の整備を行う必要がある」と提言が行われた^[21]。1996年には、日本看護協会が創設の早期実現を支援するため、陳情活動^[22]を行った。

附属看護学校の閉校[編集]

　2001年の国立看護大学校の開校とともに、2000年度で国立国際医療センター病院附属看護学校（前国立東京第一病院附属高等看護学院）、および国立精神・神経センター国府台病院附属看護学校（1987年～2008年は、国立精神・神経センターと国府台病院が統合）は閉校となった^[23]^[24]。

開校[編集]

施設整備費は3年計画で99億円^[25]。第一回入学選抜試験受験者数1,836名（倍率18.4倍）、入学者数100名^[26]。

開校記念式典には秋篠宮妃が出席し、以下の言葉を述べた。「平成8年、皇后陛下は『日本看護協会創立50周年記念式典』において、看護職とは『時としては、医療がそのすべての効力を失った後も患者と共にあり、患者の生きる日々の体験を、意味あらしめる助けをするほどの、重い使命を持つ仕事』、と話されました。看護に携わるとき、いかなる状況においても、的確に判断する力を有し、心身に痛みや傷をもつ人々、加齢によって弱まった人々などに対する様々な心遣いを大切に持ち続けていくことが必要でありましょう」^[27]。

20周年[編集]

　2021年に創立20周年を迎え、医療、国際協力、研究などの分野に1640名の卒業生を輩出^[28]。国立看護大学校図書館は開校20周年に国立大学図書館協会ビジョン2025に準じた発展を目指し、ミッションや将来計画を策定^[29]。 2021年6月29日には秋篠宮妃に国立国際医療研究センター理事長と国立看護大学校学校長から「国立看護大学校20年のあゆみ」についてオンライン説明^[30]^[31]。

年表[編集]

※出典^[32]

1996年 - 「看護婦養成所再編成策定及び看護大学校基本構想検討経費」が予算措置。
2001年 4月1日 - 開校（1学年定員100名）
2005年4月1日 - 研究課程部（修士課程相当）開設
2010年4月1日 - 設置者が厚生労働省（国立国際医療センター）から独立行政法人国立国際医療研究センターとなる
2015年4月9日 - 研究課程部後期課程（博士課程相当）開設

基礎データ[編集]

※出典“国立看護大学校キャンパスツアー【動画】”. 国立看護大学校. 2024年4月23日閲覧。

所在地[編集]

清瀬キャンパス（東京都清瀬市梅園1-2-1）

清瀬キャンパス[編集]

使用学部：看護学部
使用研究科：研究課程部看護学研究科
使用附属施設：図書館
交通アクセス：西武池袋線清瀬駅南口より徒歩15分、清瀬駅南口2番乗場より「久米川駅行」「下里団地行」「滝山営業所行」「花小金井駅行」「所沢駅東口行」の西武バスにて5分「複十字病院」で下車。JR武蔵野線新秋津駅より徒歩20分。

組織[編集]

看護学部[編集]

看護学科[編集]

　定員1学年100名

研究課程部看護学研究科（大学院相当）[編集]

前期課程（修士課程相当）[編集]

　定員1学年15名

後期課程（博士課程相当）[編集]

　定員1学年3名

研修部[編集]

国立高度専門医療センター、国立ハンセン病療養所、及び独立行政法人国立病院機構の各病院に勤務する看護師などを対象に看護学の研修を行う。研修部では、資格取得等を目指す長期研修と数日の短期研修を実施。長期研修は、認定看護師教育課程（感染管理）、がん化学療法看護、皮膚排泄ケアの教育課程、認定看護管理者（セカンドレベル）教育課程、実習指導者講習会を開講。短期研修は、「看護における倫理的課題と解決の方法」【動画】などを実施^[33]。

付属機関[編集]

臨床看護研究推進センター

国立高度専門医療研究センターの病院看護部における臨床看護研究の推進に資する活動を実施。国立高度専門医療研究センターに勤務する看護師・助産師、看護学部卒業生、研究課程部・研修部修了生がセンター研究室(本館棟3階に3部屋配置)を利用可能。教員による研究支援も受けられる(2022年度16件)^[34]。

教育[編集]

人間存在を理解する[編集]

「人間存在の理解」「深い洞察力と共感」「生命の尊厳と自由を貴ぶ倫理観」を養い、ヒューマンケアの精神に基づいた高度専門的看護の実践を目指す^[35]。「人間存在の哲学」など豊かな人間性を培う科目や、「アジアの中の日本」「文化人類学」など国際性を身につける科目を履修でき、英語の他に第二外国語としてスペイン語、中国語、フランス語の選択があることが特徴。

「人体の構造と機能」【動画】^[36]など人間の成長発達について学び、人間理解を通じてヒューマンケアの理想を追求していく。

ユニフィケーションシステム（教育と臨床の一体化）[編集]

実習は国立国際医療研究センターをはじめとする国立高度専門医療研究センターで行なう。病院実習を行う場合は、1病棟に2～3名配置された臨床実習指導者と大学教員との間に、臨床教員が入る。臨床教員は実習体制の整備や大学校と臨床間の調整を行い、必要に応じて学内の教育に参加する^[37]。臨床教員の要件は、4年制看護系大学卒以上の学位取得と、5年以上の臨床経験^[38]。臨床教員は各ナショナルセンターの副看護師長クラスであり、学内の専任教員とともに臨床の情報を取り入れながら授業展開し、実習を中心に活動する^[39]。また臨床教員は自分の臨床看護実践能力を低下させないために、必要時、専門領域において患者の直接看護を実施する^[40]。

看護の専門科目[編集]

基礎看護学[編集]

2年次「生活援助論Ⅱ」で採血の技術演習実施。3年次「フィジカルアセスメント」で「呼吸器系・神経系のアセスメント」の演習実施。

成人看護学[編集]

4年次「災害看護論」で救急救命法の演習実施。

成育看護学[編集]

3年次母性看護学「周産期と看護」で妊婦体験実施。4年次助産学「助産学実習Ⅰ」で両親学級を開催。

精神看護学[編集]

高度先駆的な精神医療と看護実践に関する基本的な知識と技術を習得。

老年・在宅看護学[編集]

2年次「老年看護学概論」で高齢者体験演習実施^[41]。3年次在宅看護学「地域生活とケア」^[42]で医療機器とともに生活する人を理解する演習実施。

国際看護学[編集]

4年次「国際看護学実習Ⅱ」として2010年からベトナム社会主義共和国のハイズオン医療技術大学と連携^[43]。1期生はタイ王国・ベトナム社会主義共和国のいずれか、2期生からはタイ王国1か国となったが、国際情勢の関係でベトナムへ変更となり、2017年度より選択科目^[44]。病院やハンセン病療養施設、HIV/AIDS予防センター、社会福祉施設などの見学および地域での家庭訪問。

研究[編集]

教員の研究論文登録件数(筆頭著者、責任者又はパブメド収録)、2022年度20件（うち、1件国際学術誌掲載）、2021年度18件（うち、1件国際学術誌掲載）
厚生労働科学研究費などの外部研究費の獲得件数、2022年度43件、2021年度36件、2020年度33件^[45]^[46]。
「国立看護大学校研究紀要」刊行。

共同研究プロジェクト[編集]

2022年度「インドネシアの看護基礎教育課程における教育スキル強化事業（高齢者看護）」では、インドネシア看護師協会・老年看護学会を核として、５つの教育機関（大学・ポリテクニック）と４つの関連実習病院の計 10 機関に対する技術研修指導。
2023年11月「メタバースを活用した看護教育のためのコンテンツ開発と教育」7大学共同研究契約を、佐賀大学、神戸大学、神奈川県立保健福祉大学、東京工科大学、千里金蘭大学、関西福祉大学と締結。メタバースを活用した看護教育のためのコンテンツを共同研究により開発し、看護学生や現役の看護師が学べるプラットホームとして運用^[47]。

学生生活[編集]

大学校祭[編集]

毎年10月に大学校祭「清秋祭」を開催。

学内サークル[編集]

体育棟にサークル室を整備。国立国際医療研究センター病院で、コーラスサークル（廃部）、手話サークル、NCNウインドアンサンブルサークルがコンサートを開催^[48]。

ダンスサークル SNICKERS
手話サークルしゅわわ
茶道サークル
バスケットボールサークル
救命救急サークル HEARTS(Help Everyone arts):心肺蘇生法(BLS)や災害時医療などについて学ぶ。看護実習室で演習^[49]。
NCNウインドアンサンブルサークル
包括的性教育サークルCSEBNs (Comprehensive Sexuality Education by NCN Students)：2021年発足^[50]。
バレーボールサークル
バドミントンサークル

大学校関係者[編集]

歴代学校長[編集]

※出典^[51]

竹尾惠子：2001年4月9日 - （初代学校長）
田村やよひ：2006年9月1日- 瑞宝中綬章受章。
井上智子：2016年4月1日-　日本看護系大学協議会副理事長歴任。
萱間真美：2022年4月1日大学校長挨拶【動画】。「看護研究の道しるべ――先達からのメッセージ　私がブレークスルーした“あのとき”」 ^[52]。

教員[編集]

飯野京子　看護学部長、教授。専門は成人看護学。「～ヒューマンケアの理想を目指す～看護職としてのキャリアの一歩を国立看護大学校からふみ出しませんか」 ^[53]^[54]。
梅田亜矢　講師。専門は成人看護学。「看護教育・実践・研究を結ぶ架け橋に」 ^[55]。「本学の梅田亜矢先生が東京消防庁より感謝状を授与されました」 ^[56]。
杉山文乃　教授。専門は成人看護学。「コロナ禍において変えるものと変えてはならないものを見極める」 ^[57]^[58]。
樋口まち子　前教授。専門は看護学、医療人類学。「グローバル化と看護教育を考える」^[59]。

卒業生[編集]

研究者

浦中桂一　東京医療保健大学東が丘看護学部看護学科准教授^[60]。
高橋聡明　東京大学大学院医学系研究科講師^[61]^[62]。
原口昌宏　東京医療保健大学東が丘看護学部看護学科講師^[63]。
森山潤　　東京医療保健大学東が丘看護学部看護学科助教^[64]^[65]^[66]。

国際活動

土岐翠　国境なき医師団助産師^[67]^[68]。

国立東京第一病院附属高等看護学院[編集]

学校長

坂口康蔵　初代学校長^[69]

教務主任

古屋かのえ　初代教務主任^[69]
壁島あや子　2代教務主任^[69]

卒業生

遠藤恵美子　武蔵野大学名誉教授、ニューマン・理論・研究・実践研究会理事長^[70]
佐藤みつ子^[71]　山梨大学名誉教授^[72]、SBC東京医療大学看護学科長^[73]。
杉森みど里^[74]　千葉大学看護学部教授、群馬県立医療短期大学学長、群馬県立県民健康科学大学学長を歴任
宮崎徳子　愛知医科大学看護学部教授、四日市看護医療大学教授を歴任^[75]。

「Category:国立看護大学校の教員」を参照

施設[編集]

※出典：国立看護大学校清秋祭2022 360°ビュー^[76][編集]

本館棟[編集]

講堂、玄関ホール、講義室、階段教室、自習室。

看護実習室[編集]

基礎看護実習室：ベッド25台（酸素吸入・吸引配管）。採血・注射・吸引シュミレーター。
成人看護実習室：ベッド15台（酸素吸入・吸引配管）。集中治療室(ICU)のモデル病室、ナースステーション。
在宅・老年看護実習室：和室タイプと洋室タイプ(ベッド1台)の自宅モデル。浴室、階段、トイレ設置。高齢者体験グッズ^[77]。
母性・小児看護実習室：分娩台、分娩型監視装置、未熟児用保育器、新生児沐浴槽。妊娠初期から末期まで10個の胎児モデル、胎動を感じる教材、妊婦体験教材、新生児人形^[78]^[79]。

清瀬市立中央公園と国立看護大学校キャンパスの一体整備[編集]

　2024年2月5日「清瀬市立中央公園と国立看護大学校キャンパスの一体整備及び連携・協力に関する協定」を清瀬市と締結。清瀬市は隈研吾の設計により2026年2月オープン予定の「森の中の家」をテーマとした児童館、図書館、市民センターの機能が入った複合施設、および2026年10月中央公園全体オープンの計画を進めている^[81]^[82]^[83]。中央公園と国立看護大学校との境界にあるフェンスを取り払ってインターロッキング舗装（車両対応）し、公園とキャンパス内のグランドを自由に往来できる環境を整備する予定^[82]^[84]。

　複合施設内は無料wifiサービスが予定されており、学生の学習スペースとしては、1階の学習室の利用が想定されている。この他にも、飲食が可能な127㎡のエントランスホールやテラスを自由に利用することができる^[85]。長く庇がはり出した大屋根の下、外部階段から昇ることのできる2階に公園テラスと読書テラスが設けられる計画である^[86]。既存の伐採樹木は、複合施設内の什器（本棚やベンチ等）への利用が検討されており^[85]、緑の街にふさわしいリビングルームのような空間が計画されている^[81]。

　公園内の各所にもベンチや縁台の設置が検討されており、公園は24時間利用可能とし、防犯カメラを設置予定。公園内の平和の塔や石碑等については現状の位置のまますべて残し、夜間にはライトアップも検討されている^[82]。オープンスペースには、シロツメクサ等の草原が想定されている^[85]。

東京オリンピック・パラリンピック2020への支援[編集]

　国立看護大学校では、外国人診療について看護管理の管理職を対象とした研修を行ってきた^[87]。

　東京オリンピック・パラリンピック2020で国立国際医療研究センター国際協力局と共に、COVID-19 濃厚接触者と特定されたアスリートやコーチ等に、選手村内の検査施設で鼻咽頭スワブPCR検査を実施した。これにより、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会から国立国際医療研究センターは感謝状を授与された^[88]。

支援期間：53日間、のべ273名の職員を派遣、うち国立看護大学校はのべ50名（看護師39名、事務11名）派遣。
支援内容：検査体制構築と運営管理、検査実施、検体採取指導、物品管理、検査データ集計と記述統計作成、多言語サポートなど^[89]

ドクターヘリのランデブーポイント[編集]

　2022年8月東京都と協定締結し、グランドがドクターヘリの場外離発着場（ランデブーポイント）として使用されている^[90]。東京都のドクターヘリは杏林大学医学部付属病院を基地病院として2022年3月31日に開始し、都内に約100 箇所のランデブーポイントが指定されている^[91]。

関係機関[編集]