因州いなば節

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因州いなば節(いんしゅういなばぶし)は、幕末の流行歌である。明治初年までうたわれた。本調子。宴席でこれに合せて踊った。

概略[編集]

もとうたは、万延元年の「色葉韻歌沢大全」にもあるが、男性を初めて知った感想を歌う歌詞は卑猥であるとされる。 その「因州いなばの鳥取川の しかも大道のまん中で 娘が三人出逢うて 先なる娘が十六で 中なる娘は十七で あとなる娘は十八で 先なる娘が云ふことにや はじめて殿御とねたよさは 三つ目のきりでもむがごと きりりきりりと痛とごんす 中なる娘の云ふことにや はじめて殿御と寝たよさは 朝倉山椒をかむがごと ひりりひりりとようごんす あとなる娘が云ふことにや はじめて殿御とねたよさは 麦飯とろろを吸ふがごと とろりとろりとようごんす」 という形式は、流行歌史上大きな影響をおよぼした。

文久2年刊の「粋の懐」にもその替え歌があり、関東関西でおこなわれた。

明治維新のときの替え歌、明治22年ころの再流行の開化因州いなば節など、いずれも風刺的な歌である。

もとは因幡地方の童謡からでたのであろうという。