下海岸

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下海岸(しもかいがん)とは、北海道函館市が編入した銭亀沢村、東部地区のうち津軽海峡に面した地域である。

概要[編集]

箱館(のちの函館区)からみて東側の津軽海峡沿岸地域をいう。江戸時代末期から明治時代初期にかけて呼ばれたもので箱館を中心に西側地域を「上(かみ)」、東側地域を「下(しも)」と呼ばれていたことからこのように呼ばれるようになった。さらに時代を遡ると、松前の西側地域を「上(かみ)」、東側地域を「下(しも)」と呼んだことが元になったと言われている。行政区分では旧・銭亀沢村、旧・戸井町、旧・恵山町の3町村が当たる。文献によっては「下(シ)モ在」とも記述している[1]

歴史[編集]

年表[編集]

安東氏時代(1223年-1589年)[編集]

松前氏時代(1590年-1798年)[編集]

幕府直轄時代[編集]

明治政府への引き継ぎと箱館戦争[編集]

箱館戦争後(1869年-)[編集]

北海道開拓使時代(1871年-)[編集]

  • 1879年明治12年)2月12日 - 松岡定次郎が中心となった根崎村が成立

函館県時代(1882年-)[編集]

  • 1883年(明治16年)
    • 月日不明 - 下湯川村から根崎村が分離独立
    • 月日不明 - 上湯川村より鷲巣地区(旧・鷲巣郷→鷲巣村。現・函館市高松町)を錢龜澤村が編入

内務省北海道庁時代(1886年-)[編集]

第二次世界大戦後[編集]

  • 1946年(昭和21年)9月15日 - 函館市銭亀沢村の根崎温泉地区を編入、函館市から銭亀沢村へ旧・亀尾村の字鐵山の一部と字蛾眉野の一部を編入
  • 1956年(昭和31年)6月1日 - 函館市交通局(現・函館市企業局交通部)が函館市営バス下海岸線(函館駅前 - 石崎間)を開設[11]
  • 1960年(昭和35年) - チリ地震津波銭亀沢村、銭亀沢港で1.43m、志苔海で2.05m、石崎村谷地で2.02mを記録する[9]
  • 1961年(昭和36年)4月20日 - 銭亀沢村函館空港が開港

函館市へ編入[編集]

  • 1966年(昭和41年)12月1日 - 銭亀沢村函館市に編入合併
  • 1975年(昭和50年)8月29日 - (銭亀沢村)根崎川濯神社にて円空仏が発見される[12]
  • 2004年平成16年)12月1日 - 戸井町恵山町函館市に編入合併

脚注[編集]

  1. ^ 恵山町史 p1030-p1031
  2. ^ 「とい」のあゆみ (近代)|函館市”. 函館市 (2016年3月15日). 2016年7月9日閲覧。
  3. ^ 温泉案内 鉄道省編 1931年版 p612
  4. ^ 函館市史 銭亀沢編 p377-378
  5. ^ a b c 函館市史 銭亀沢編 p99 - p100
  6. ^ a b c d 椴法華村史 p772-p773
  7. ^ 函館市史 銭亀沢編 p104-105
  8. ^ 恵山町史 p1071-p1073
  9. ^ a b 函館市史 銭亀沢編 p168-169
  10. ^ 函館市史 銭亀沢編 p302
  11. ^ 恵山町史 p1116-1117
  12. ^ 函館市史 通説編第1巻 p411

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • 函館市史 通説編第1巻 函館市 1980年
  • 函館市史 銭亀沢編 函館市史編さん室編 函館市 1998年
  • 恵山町史 恵山町史編纂室編 函館市恵山支所 2007年
  • 鉄道省『温泉案内 鉄道省編』博文館、1931年