七戸十和田駅

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七戸十和田駅
南口(2023年10月)
しちのへとわだ
Shichinohe-Towada
八戸 (36.1 km)
(45.7 km) 新青森
地図
所在地 青森県上北郡七戸町字荒熊内67-46
北緯40度43分11.5秒 東経141度9分14.5秒 / 北緯40.719861度 東経141.154028度 / 40.719861; 141.154028座標: 北緯40度43分11.5秒 東経141度9分14.5秒 / 北緯40.719861度 東経141.154028度 / 40.719861; 141.154028
所属事業者 東日本旅客鉄道(JR東日本)
所属路線 東北新幹線
キロ程 668.0 km(東京起点)
電報略号 シヘ
駅構造 地上駅橋上駅
ホーム 2面2線
乗車人員
-統計年度-
569[備考 1]人/日(降車客含まず)
-2022年-
開業年月日 2010年平成22年)12月4日
備考
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北口(2023年10月)

七戸十和田駅(しちのへとわだえき)は、青森県上北郡七戸町字荒熊内(あらくまない)にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)東北新幹線である。

歴史[編集]

駅名決定までの経緯[編集]

駅名決定前の仮称は「七戸駅」(しちのへえき)であった。

七戸町商工会など町商工関係団体が「七戸駅」を要望したのに対し、当時の七戸町長・福士孝衛は、「七戸に新駅が建設されるのは上十三地域の協力があったからこそ。それを無視して行政の立場から『七戸駅』にするとは言えない」と、七戸単独の名称に固執しない考えを明らかにしている。その後、地域団体のひとつである「上十三地域広域市町村圏協議会」は2008年(平成20年)11月5日までに、開業時の駅名として「七戸十和田駅」を要望することで合意した。これに対し福士は、議会や町民の意向も踏まえて駅名案を最終決定し、運行事業者に要請するとしていた[新聞 1]

2009年(平成21年)7月29日、JR東日本盛岡支社は駅名を「七戸十和田駅」とすることを発表した。支社長の福田泰司は「地元の七戸町と観光地として有名な十和田湖への玄関口になるという観点から総合的に判断した」と述べた[新聞 2]

南部縦貫鉄道との接続構想[編集]

東北新幹線はかつて営業されていた南部縦貫鉄道線営農大学校前駅 - 盛田牧場前駅間)と交差しており、特に旧・営農大学校前駅と当駅は徒歩で5分程の距離だった。

両路線を接続する計画もあったが、新幹線の青森県内への延伸決定の延期などで開業が遅れた間に南部縦貫鉄道の路線が1997年に休止、2002年正式に廃止された為、接続計画は結局のところ完全消滅してしまった。

なお、後述の駅弁「桜弁当」のパッケージには、同線で使用されていたキハ10形レールバスが描かれていた。

駅構造[編集]

相対式ホーム2面2線(ホーム長263 m:10両対応)と橋上駅舎を有する地上駅。通過線はなく、安全のために可動式安全柵が設けられている。

直営駅管理駅でもあるが、当駅は自駅のみの単駅管理となっている。みどりの窓口指定席券売機自動改札機が設置されている。

のりば[編集]

番線 路線 方向 行先
1 ■ 東北・北海道新幹線 下り 新青森新函館北斗方面
2 ■ 東北新幹線 上り 盛岡仙台東京方面

(出典:JR東日本:駅構内図

駅舎[編集]

駅舎は、デザインコンセプトを“心安らぐ豊かな自然と歴史の感じられる駅”、デザインイメージを“八甲田を望む大地の息吹と歴史を感じさせる駅”としている[1]

新幹線の駅では初[新聞 3] となる、大きさの異なる3つのボックスで構成されたデザインで、中央のボックスは八甲田連峰を表現し、新青森駅寄りと八戸駅寄りのボックスはそれぞれ「町の未来」と「奥州街道の松並木」を表している[新聞 3]。また外壁の曲線は八甲田の山並と南部馬の背中をモチーフとしており、ライトアップ時に映えるよう設計されている[新聞 3]

当初JRTTにより提示された3案の中から選ばれたものであり、2006年10月25日に七戸町役場で開催された駅舎デザインコンセプト調整会議において、雪害対策の容易さ等が評価され決定した[新聞 3]

駅弁[編集]

2019年頃までは、主な駅弁として下記を販売していた[2]

  • 桜弁当

利用状況[編集]

JR東日本によると、2022年度(令和4年度)の1日平均乗車人員569人である[利用客数 1][備考 1]

開業後以降の推移は下記のとおりである。

乗車人員推移
年度 1日平均
乗車人員
出典
2010年(平成22年) 475 [利用客数 2]
2011年(平成23年) 497 [利用客数 3]
2012年(平成24年) 638[備考 2] [利用客数 5]
2013年(平成25年) 672[備考 3] [利用客数 7]
2014年(平成26年) 686[備考 4] [利用客数 9]
2015年(平成27年) 721[備考 5] [利用客数 11]
2016年(平成28年) 757[備考 6] [利用客数 13]
2017年(平成29年) 774[備考 7] [利用客数 15]
2018年(平成30年) 775[備考 8] [利用客数 17]
2019年(令和元年) 761[備考 9] [利用客数 19]
2020年(令和02年) 361[備考 10] [利用客数 21]
2021年(令和03年) 418[備考 11] [利用客数 23]
2022年(令和04年) 569[備考 1] [利用客数 1]
備考
  1. ^ a b c JR東日本集計の「各駅の乗車人員(2022年度)」では、592人と記載されている[利用客数 24]
  2. ^ JR東日本集計の「各駅の乗車人員(2012年度)」では、628人と記載されている[利用客数 4]
  3. ^ JR東日本集計の「各駅の乗車人員(2013年度)」では、673人と記載されている[利用客数 6]
  4. ^ JR東日本集計の「各駅の乗車人員(2014年度)」では、688人と記載されている[利用客数 8]
  5. ^ JR東日本集計の「各駅の乗車人員(2015年度)」では、722人と記載されている[利用客数 10]
  6. ^ JR東日本集計の「各駅の乗車人員(2016年度)」では、763人と記載されている[利用客数 12]
  7. ^ JR東日本集計の「各駅の乗車人員(2017年度)」では、780人と記載されている[利用客数 14]
  8. ^ JR東日本集計の「各駅の乗車人員(2018年度)」では、782人と記載されている[利用客数 16]
  9. ^ JR東日本集計の「各駅の乗車人員(2019年度)」では、773人と記載されている[利用客数 18]
  10. ^ JR東日本集計の「各駅の乗車人員(2020年度)」では、373人と記載されている[利用客数 20]
  11. ^ JR東日本集計の「各駅の乗車人員(2021年度)」では、436人と記載されている[利用客数 22]

駅周辺[編集]

  • 七戸町観光交流センター
  • 駅前駐車場 - 七戸町が管理する駐車場。北口側2か所に約350台分、南口側1か所に約250台分が確保されている[3]。1時間まで無料。1日最大200円。利用者確保のため、開業当初から長く無料で供用されてきたが、満車の常態化などを受け、2019年8月1日から有料化された[新聞 4]。また、南口側には臨時駐車場が4か所設置されていた。[注釈 2]
  • イオン七戸ショッピングセンター
  • 道の駅しちのへ
  • 国道4号七戸バイパス
  • 七戸警察署
  • 中部上北広域事業組合消防本部・中央消防署
  • 青森県営農大学校
  • 七戸養護学校
    • もみのき学園
  • 七戸工業団地 - 富士通ゼネラル青森事業所などが立地している。
  • 東八甲田温泉(旧名は「やまびこ温泉」)
  • 東八甲田家族旅行村
  • 南部縦貫鉄道線営農大学校前駅 - 徒歩5分ほどの距離にあったが1997年に休止、2002年に廃止されており両駅が並立していた時期はない。

バス路線[編集]

路線バス[編集]

その他、バスが運行されない夜間時間帯において当駅 - 十和田市街間を結ぶ乗合タクシーが運行されていたが、2022年3月31日をもって廃止されている[5]

夜行高速バス[編集]

コミュニティバス[編集]

その他[編集]

  • 初代駅長は、当駅開業準備駅助役が昇格した上でそのまま2010年12月4日付で就任した[新聞 5]
  • 2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震東日本大震災)を受け、JR東日本が翌4月から展開した復興キャンペーン「つなげよう、日本。」において、新幹線が朝焼けをバックに走り抜けるテレビCMおよび写真ポスターは、当駅付近が撮影地となっている。

隣の駅[編集]

東日本旅客鉄道(JR東日本)
■ 東北・北海道新幹線
八戸駅 - 七戸十和田駅 - 新青森駅

脚注[編集]

記事本文[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 盛岡駅 - 新青森駅間で、特定特急券扱いを使って空いている普通車指定席を利用する場合に限る[報道 4]
  2. ^ COVID-19禍の影響により利用台数が減少し、臨時駐車場設置の意味合いが薄れたことを理由に、2020年5月8日から閉鎖されている。[4]

出典[編集]

報道発表資料[編集]

  1. ^ 東北新幹線の新駅の駅名について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2009年7月29日。 オリジナルの2020年8月2日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20200802031404/https://www.jreast.co.jp/press/2009/20090713.pdf2020年8月2日閲覧 
  2. ^ 東北新幹線 新青森開業等について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2010年5月11日。 オリジナルの2020年8月2日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20200802031412/https://www.jreast.co.jp/press/2010/20100505.pdf2020年8月2日閲覧 
  3. ^ 「新幹線eチケットサービス」が始まります!』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、北海道旅客鉄道、西日本旅客鉄道、2020年2月4日。 オリジナルの2020年2月26日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20200226110513/https://www.jreast.co.jp/press/2019/20200204_ho01.pdf2020年5月25日閲覧 
  4. ^ a b タッチでGo!新幹線 サービスエリア拡大について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2020年11月12日。 オリジナルの2020年11月13日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20201113025314/https://www.jreast.co.jp/press/2020/20201112_ho01.pdf2020年11月13日閲覧 

新聞記事[編集]

  1. ^ “新幹線駅名「七戸十和田」きょう知事に報告”. デーリー東北. (2008年11月6日). オリジナルの2009年7月22日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20090722104349/http://www.daily-tohoku.co.jp/news/2008/11/06/new0811060802.htm 2020年8月2日閲覧。 
  2. ^ “電子号外 東北新幹線 新駅名決定「七戸十和田」駅に” (PDF). デーリー東北. (2009年7月29日). オリジナルの2011年3月19日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20110319175014/http://www.daily-tohoku.co.jp/extra/pdfdata/2009/dtex090729_01.pdf 2009年7月29日閲覧。 
  3. ^ a b c d “新幹線七戸駅舎のデザイン決定”. 東奥日報 (東奥日報社). (2006年10月26日) 
  4. ^ “七戸十和田駅の駐車場、8月にも有料化/七戸町”. デーリー東北. (2019年3月1日). オリジナルの2019年9月2日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20190902180528/https://www.daily-tohoku.news/archives/9399 2019年9月2日閲覧。 
  5. ^ “新青森駅長に赤坂氏/JR東日本”. 東奥日報. (2010年11月9日). オリジナルの2011年3月20日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20110320075459/https://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2010/20101109090157.asp 2020年8月2日閲覧。 

利用状況[編集]

  1. ^ a b 新幹線駅別乗車人員(2022年度)”. 東日本旅客鉄道. 2023年7月14日閲覧。
  2. ^ 各駅の乗車人員(2010年度)”. 東日本旅客鉄道. 2018年3月4日閲覧。
  3. ^ 各駅の乗車人員(2011年度)”. 東日本旅客鉄道. 2018年3月4日閲覧。
  4. ^ 各駅の乗車人員(2012年度)”. 東日本旅客鉄道. 2021年7月12日閲覧。
  5. ^ 新幹線駅別乗車人員(2012年度)”. 東日本旅客鉄道. 2018年3月4日閲覧。
  6. ^ 各駅の乗車人員(2013年度)”. 東日本旅客鉄道. 2021年7月12日閲覧。
  7. ^ 新幹線駅別乗車人員(2013年度)”. 東日本旅客鉄道. 2018年3月4日閲覧。
  8. ^ 各駅の乗車人員(2014年度)”. 東日本旅客鉄道. 2021年7月12日閲覧。
  9. ^ 新幹線駅別乗車人員(2014年度)”. 東日本旅客鉄道. 2018年3月4日閲覧。
  10. ^ 各駅の乗車人員(2015年度)”. 東日本旅客鉄道. 2021年7月12日閲覧。
  11. ^ 新幹線駅別乗車人員(2015年度)”. 東日本旅客鉄道. 2018年3月4日閲覧。
  12. ^ 各駅の乗車人員(2016年度)”. 東日本旅客鉄道. 2021年7月12日閲覧。
  13. ^ 新幹線駅別乗車人員(2016年度)”. 東日本旅客鉄道. 2018年3月4日閲覧。
  14. ^ 各駅の乗車人員(2017年度)”. 東日本旅客鉄道. 2021年7月12日閲覧。
  15. ^ 新幹線駅別乗車人員(2017年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月3日閲覧。
  16. ^ 各駅の乗車人員(2018年度)”. 東日本旅客鉄道. 2021年7月12日閲覧。
  17. ^ 新幹線駅別乗車人員(2018年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年7月8日閲覧。
  18. ^ 各駅の乗車人員(2019年度)”. 東日本旅客鉄道. 2021年7月12日閲覧。
  19. ^ 新幹線駅別乗車人員(2019年度)”. 東日本旅客鉄道. 2020年7月11日閲覧。
  20. ^ 各駅の乗車人員(2020年度)”. 東日本旅客鉄道. 2021年7月12日閲覧。
  21. ^ 新幹線駅別乗車人員(2020年度)”. 東日本旅客鉄道. 2021年7月11日閲覧。
  22. ^ 各駅の乗車人員(2021年度)”. 東日本旅客鉄道. 2022年8月2日閲覧。
  23. ^ 新幹線駅別乗車人員(2021年度)”. 東日本旅客鉄道. 2022年8月2日閲覧。
  24. ^ 各駅の乗車人員(2022年度)”. 東日本旅客鉄道. 2023年7月14日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]