一般外科学

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一般外科学(いっぱんげかがく、: General surgery)とは外科学の一分野。

概要[編集]

一般外科では創傷打撲熱傷虫刺傷咬傷虫垂炎鼠径ヘルニア大腸がん胆石症胃がん腸閉塞粉瘤などの外科的治療を行っている[1]。ただし、骨折を伴う外傷頭部外傷整形外科脳神経外科となる。医療機関によっては打撲、捻挫、骨折、脱臼などの整形外科疾患への対応や、消化器外科を中心に外科系専門科と兼務している場合もある[2]外科学は歴史的に消化器系手術を基礎原点としているため、日本で消化器外科学と称されている分野は、欧米等では消化器外科学とは称さずに「General Surgery(一般外科学・総合外科学)」と称していることが多い。

診療所の一般外科と病院の一般外科[編集]

診療所の一般外科では、施設が小規模なため、高度な医療技術を必要とする外科疾患の場合は、大きい病院紹介することが多く、虫刺症など高度な医療技術を必要としない外科疾患の場合は、診療所で診療することが多い。総合病院などでは、胃がん重症外傷など高度な医療技術が必要な疾患を抱えた患者が来院する[3]。また、一般的な病院の一般外科では中等度の医療技術を必要とする鼠径ヘルニア虫垂炎などで来院する患者が多い。

一般外科は専門的な医療技術を必要とする疾患を抱えた患者を各臓器別外科に振り分ける仕事もするが、複数の疾患を同時に持った患者の場合、臓器別外科に振り分けると、患者の受診回数の増加、治療の重複・過多、複合的な問題の看過、治療方針の不一致など患者にとっての不都合が生じることがあるため、総合病院などでは外科系疾患を一人の主治医が総合的に診療し、必要に応じて各臓器専門医に紹介するようになっていることが多い。

標榜科として[編集]

日本においては、医療法施行令および医療法施行規則にて病院・診療所が広告することが可能な診療科名が定められているが、一般や総合と組み合わせることは明示的には許容されておらず、外科となっていることが多い。

主な疾患[編集]

食道[編集]

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胆道[編集]

膵臓[編集]

肝臓[編集]

大腸[編集]

腹膜[編集]

腹壁[編集]

外傷[編集]

皮膚[編集]

術式[編集]

基本術式[編集]

食道[編集]

  • 食道切除術(Esophagectomy)
    • 右開胸開腹食道亜全摘術
    • 腹腔鏡下食道亜全摘術
    • 経裂孔的食道切除術(Transhiatal esophagectomy:THE)
  • ヘラー筋層切除術(Heller myotomy)
  • 噴門形成術(fundoplication)

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  • 胃切除術(Gstrectomy)
    • 幽門側胃切除術(distal gastrectomy)
    • 胃全摘術(total gastrectomy)
    • 噴門側胃切除術(proximal gastrectomy)

小腸・大腸・直腸[編集]

肝・胆・膵・脾[編集]

ヘルニア[編集]

出典[編集]

  1. ^ 怪我・火傷”. 笹生病院外科. 2024年2月6日閲覧。
  2. ^ 外科医として必要な手技”. 民間医局コネクト. 2024年2月6日閲覧。
  3. ^ 外傷診療について”. 高松赤十字病院. 2024年2月10日閲覧。