ラグビーワールドカップ2015・予選

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大陸間プレーオフ決勝ではウルグアイロシアが対戦し、ウルグアイがワールドカップ出場権の残り1枠を獲得した。

2015年ラグビーワールドカップの予選には、84の国と地域が参加した。本大会出場20カ国のうち、前回大会ベスト12(開催国イングランドを含む)は予選免除。予選では残り8枠を争った。予選は大陸別の地区予選により7枠を決定し、その後大陸間プレーオフにより残り1枠の決定が行われた。大陸別の地区予選による出場枠は、アフリカ地区1枠、アメリカ地区2枠、アジア地区1枠、ヨーロッパ地区2枠、オセアニア地区1枠の割り当てであった。

予選プロセス[編集]

2015年ラグビーワールドカップ出場国の決定は、2011年大会のプールステージより開始された。2011年大会のプールステージは出場全20カ国が5カ国ずつ4つのプールに分かれて争われた。そして各プールで上位3カ国に入った国は次回大会の予選が免除となり、2015年ワールドカップ出場が自動決定となった。すなわち、次の12か国が自動出場となった。

残り8つの出場枠については、大陸別の地区予選および大陸間プレーオフによって争われた。大陸別の地区予選に対する出場枠の配分は国際ラグビー評議会により決定され、アフリカ地区1枠、アメリカ地区2枠、アジア地区1枠、ヨーロッパ地区2枠、オセアニア地区1枠であった。大陸別の地区予選は2012年3月24日よりアメリカ地区の2012年NACRAラグビー選手権にてスタートし、アフリカ地区で行われていた2014年アフリカカップ英語版・ディビジョン1A最終節の2014年7月6日まで続いた。その後オセアニア地区を除く残り4地区からそれぞれ1カ国ずつが敗者復活の大陸間プレーオフへ進出、ノックアウト方式のトーナメント戦により残り1枠の決定が行われた。

地区予選結果[編集]

大陸別の地区予選の結果は、次の通り。

地区 予選参加国数 本大会出場枠 出場決定国 本大会プール 大陸間プレーオフ進出国
アフリカ地区 (CAR) 13[‡ 1] 1  ナミビア C  ジンバブエ
アメリカ地区 (NACRA/CONSUR) 18 2  カナダ D  ウルグアイ
 アメリカ合衆国 B
アジア地区 (ARFU) 17 1  日本 B  香港
ヨーロッパ地区 (FIRA-AER) 31 2  ジョージア C  ロシア
 ルーマニア D
オセアニア地区 (FORU) 5 1  フィジー A なし
合計 84 7 - - -
  1. ^ カメルーンは予選辞退のため集計対象外

大陸別地区予選[編集]

アフリカ予選[編集]

アフリカ地区のワールドカップ予選は2012年7月から始まり、2014年6月から7月にかけて最終予選を兼ねた2014年アフリカカップ英語版・ディビジョン1Aが開催された。この地区予選によるアフリカ地区の出場枠は1枠であり、4カ国による1回戦総当たりのリーグ戦により実施された。2014年アフリカカップ・ディビジョン1Aの優勝国がワールドカップ出場権を獲得、準優勝国は大陸間プレーオフに進出。

アフリカ地区最終予選を兼ねた2014年アフリカカップ英語版・ディビジョン1Aの結果は、次の通り。ナミビアがワールドカップ出場権を獲得し、ジンバブエが大陸間プレーオフに進出した。

2014年アフリカカップ英語版・ディビジョン1A
順位 勝敗 得失点 ボーナスポイント 勝ち点 備考
試合
1  ナミビア 3 2 0 1 135 59 +76 2 10 2015年ワールドカップ出場
2  ジンバブエ 3 2 0 1 105 56 +49 2 10 大陸間プレーオフ進出
3  ケニア 3 2 0 1 73 50 +23 2 10
4  マダガスカル 3 0 0 3 32 180 -148 0 0

アメリカ予選[編集]

アメリカ地区のワールドカップ予選は、北米予選、カリブ予選、南米予選に分けて実施された。北米予選はアメリカ地区第1代表決定戦として2013年8月にホーム・アンド・アウェー方式で実施され、1位はワールドカップに自動出場。

カリブ予選と南米一次予選は、各予選の1位同士にてプレーオフを実施し、プレーオフ勝者が南米・カリブ最終予選(兼、2013年南米選手権Aクラス)に進出。そして南米・カリブ最終予選1位は北米予選2位とホーム・アンド・アウェー方式でアメリカ地区第2代表決定戦を行い、勝者がワールドカップ出場権を獲得、敗者は大陸間プレーオフに進出。

アメリカ地区の代表決定戦の結果は、次の通り。カナダアメリカ合衆国がワールドカップ出場権を獲得し、ウルグアイが大陸間プレーオフに進出した。

アメリカ地区第1代表決定戦    
2015年ワールドカップ出場
大陸間プレーオフ進出
アメリカ地区第2代表決定戦進出
順位 勝敗 得失点
試合
1  カナダ 2 2 0 0 40 20 +20
2  アメリカ合衆国 2 0 0 2 20 40 -20
 
  アメリカ地区第2代表決定戦
順位 勝敗 得失点
試合
1  アメリカ合衆国 2 1 1 0 59 40 +19
2  ウルグアイ 2 0 1 1 40 59 -19
 
南米・カリブ最終予選  
順位 勝敗 得失点 勝ち点
試合
1  ウルグアイ 2 2 0 0 81 16 +65 6
2  チリ 2 1 0 1 47 45 +2 3
3  ブラジル 2 0 0 2 73 50 -67 0

アジア予選[編集]

アジア地区のワールドカップ予選は2012年4月から始まり、2014年4月から5月にかけて最終予選を兼ねた2014年アジア5カ国対抗が開催された。この地区予選によるアジア地区の出場枠は1枠であり、5カ国による1回戦総当たりのリーグ戦により実施された。2014年アジア5カ国対抗の優勝国がワールドカップ出場権を獲得、準優勝国は大陸間プレーオフに進出。

アジア地区最終予選を兼ねた2014年アジア5カ国対抗の結果は、次の通り。日本がワールドカップ出場権を獲得し、香港が大陸間プレーオフに進出した。

2014年アジア5カ国対抗
順位 勝敗 得失点 ボーナスポイント 勝ち点 備考
試合
1  日本 4 4 0 0 342 33 +309 4 24 2015年ワールドカップ出場
2  香港 4 3 0 1 196 65 +131 3 18 大陸間プレーオフ進出
3  韓国 4 2 0 2 122 126 -4 2 12
4  フィリピン 4 1 0 3 58 284 –226 1 6
5  スリランカ 4 0 0 4 48 258 –210 1 1

ヨーロッパ予選[編集]

31チームが参加した。2012-14シーズンのラグビー欧州ネイションズカップ(ディビジョン1A)の優勝チームと準優勝チームがワールドカップ出場権を獲得。ディビジョン1Aの3位のチームと、2012-14シーズンのディビジョン1Bと2012-13シーズンのディビジョン2の代表チームが対戦し、勝者は大陸間プレーオフに進出。

2012-14シーズンのラグビー欧州ネイションズカップ(ディビジョン1A)の結果は、次の通り。ジョージアルーマニアがワールドカップ出場権を獲得した。また、ディビジョン1Aの3位 ロシアが、ディビジョン1Bとディビジョン2の代表 ドイツを破って、大陸間プレーオフに進出した。

2012-14シーズン欧州ネイションズカップ(ディビジョン1A)

順位 勝敗 得失点 ボーナスポイント 勝ち点 備考
試合
1  ジョージア 10 9 1 0 286 106 +180 3 41 2015年ワールドカップ出場
2  ルーマニア 10 8 1 1 242 106 +136 4 38 2015年ワールドカップ出場
3  ロシア 10 6 0 4 219 249 -30 4 28 ヨーロッパ地区3位決定戦に進出
4  スペイン 10 2 2 6 159 243 -84 3 15
5  ポルトガル 10 2 1 7 145 222 –77 2 12
6  ベルギー 10 0 1 9 134 259 -125 4 6


2012-14シーズン欧州ネイションズカップ(ディビジョン1B)、2012-13シーズン欧州ネイションズカップ(ディビジョン2A、2B、2C、2D)

各リーグ戦の1位以外はワールドカップ予選敗退

  • ディビジョン1B(1位 ドイツ、2位 モルドバ、3位 ウクライナ、4位 ポーランド、5位 スウェーデン、6位 チェコ)
  • ディビジョン2A(1位 オランダ、2位 スイス、3位 クロアチア、4位 マルタ、5位 リトアニア)
  • ディビジョン2B(1位 イスラエル、2位 ラトビア、3位 デンマーク、4位 アンドラ、5位 セルビア)
  • ディビジョン2C(1位 スロベニア、2位 ハンガリー、3位 ブルガリア、4位 オーストリア)※キプロスとの対戦結果を除く

※ディビジョン2Cに参加していたキプロスは、IRB(現:ワールドラグビー)非加盟であったため、ワールドカップ予選には参加できなかった。

  • ディビジョン2D(1位 ルクセンブルク、2位 ノルウェー、3位 ボスニア・ヘルツェゴビナ、4位 ギリシャ、5位 フィンランド)
Round1 Round2 Round3 Round4
-
  ルクセンブルク(ディビジョン2D優勝) 22
-
  スロベニア(ディビジョン2C優勝) 10
  ルクセンブルク 12
  イスラエル(ディビジョン2B優勝) 26
 
-
 
  イスラエル 8
  オランダ(ディビジョン2A優勝) 52
 
 
 
 
 
-
 
  オランダ 7
  ドイツ(ディビジョン1B優勝) 17
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
   
   

ヨーロッパ地区3位決定戦


 ドイツ 20-31  ロシア

オセアニア予選[編集]

オセアニア地区のワールドカップ予選は2013年FORUオセアニアカップ、およびシード国であるフィジーとの最終予選1試合によって実施された。2013年FORUオセアニアカップは2013年7月に実施され、クック諸島が優勝した。最終予選は2014年6月28日にフィジーラウトカで実施され、フィジーがワールドカップ出場権を獲得した。

2013年FORUオセアニアカップ    
2015年ワールドカップ出場
オセアニア地区最終予選進出
順位 勝敗 得失点 勝ち点
試合
1  クック諸島 3 3 0 0 116 48 +68 15
2  パプアニューギニア 3 2 0 1 99 93 +6 12
3  ソロモン諸島 3 1 0 2 57 90 -33 5
4  タヒチ 3 0 0 3 59 100 -41 3
 
  オセアニア地区最終予選
 フィジー    クック諸島
108 29 前半 6 6
79 後半 0
T G PG DG   T G PG DG
5 2 0 0 前半 0 0 2 0
12 8 0 1 後半 0 0 0 0
 
シード国  
 フィジー

大陸間プレーオフ[編集]

大陸別の地区予選終了後、各地区でワールドカップ出場権を得られなかった国のうち成績最上位の国同士(オセアニア地区を除く)により、最後の1枠を争う敗者復活の大陸間プレーオフが実施された。

大陸間プレーオフは勝ち残り式トーナメントで開催された。準決勝はIRB世界ランキング上位国ホームで1試合、決勝はホーム・アンド・アウェー方式で2試合行われ、決勝の勝者1カ国がワールドカップ出場権を獲得。

大陸間プレーオフの結果は、次の通り。決勝ではウルグアイロシアが対戦し、1勝1敗となったが、総得点によりウルグアイがワールドカップ出場権を獲得した。

  準決勝 決勝
                       
  ロシアヨーロッパ予選3位) 23  
  ジンバブエアフリカ予選2位) 15  
      ロシア 22 27 49
    ウルグアイ 21 36 57
  ウルグアイアメリカ予選3位) 28
  香港アジア予選2位) 3  

外部リンク[編集]