ユーゲント・フィルハーモニカー

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ユーゲント・フィルハーモニカー
Jugend Philharmoniker
基本情報
出身地 日本の旗 日本 東京都
ジャンル クラシック音楽
活動期間 2005年10月16日 -
公式サイト Jugend Philharmoniker

ユーゲント・フィルハーモニカーJugend Philharmoniker)は、日本アマチュア・オーケストラ

概要[編集]

財団法人日本青年館の音楽行事(全国高等学校選抜オーケストラフェスタ、全国高等学校選抜オー ケストラ・ヨーロッパ公演、日本ユンゲ・オーケストラ・ヨーロッパ公演)に参加したメンバーが中心となり創設された。定期演奏会を中心に、福祉施設や普段生のオーケストラに触れる機会のない農村への訪問演奏、その他行楽施設の各種イベントやテレビ番組での依頼演奏など幅広い活動を行う。

理念[編集]

音楽的、人間的に成熟した団体作りに励みながら、「アマチュア・オーケストラだからできること(≒プロには出来ないこと)」を追求し、演奏者だけでなく聴衆も楽しめる音楽活動を通して社会にオーケストラがどのように貢献していけるか[1] を模索していく。

「日本青年館」の音楽イベントから立ち上がったため、名前が無いに時代に「青年館オケ」と呼んでいたことに由来して、ドイツ語訳されたJugend(ユーゲント)と命名された。ジュニアオーケストラを指しているわけではなく、年齢制限なども特に設けていない。「ユーゲント」とは「心の若さ」であり、いつまでも高い意識と情熱を絶やさずに音楽に取り組んで行こうという精神そのものを指す。また、様々なマエストロの音楽を吸収し、それらを自分達の頭で噛み砕けるような柔軟な姿勢をもったオーケストラを目指していくといった理念の下常任指揮者は置かず、演奏会ごとに異なる指揮者を客演として招聘している。

来歴[編集]

2005年

  • 10月16日:財団法人日本青年館主催の日本ユンゲ・オーケストラ・ヨーロッパ公演2005で知り合った仲間数人が集まり、横浜のレストランで語り合っていた際「オーケストラを作ろう」という話が持ち上がり、そのままmixiにユーゲントフィルのコミュニティを創設。以後、運営委員会を発足させ会議を重ね本格的に始動する。

2006年

  • 1月3日:日本青年館にて「音出しオフ」というイベントを開催する。
    • 財団法人日本青年館の音楽行事参加者や所属する大学オーケストラの団員などをターゲットに、「音楽的に人間的に信頼できる人を集めよう」という知人紹介型(当時は「mixi方式」と呼んでいた)のコンセプトで声かけをして人を集め、開催に至った。
    • 以後「音出し会」と名称を変え、団員のリクルートも兼ね年に数回開催されている。
  • 11月5日:第1回定期演奏会に向けての初の合奏練習が行われる。

2007年

  • 1月6日:読売新聞の全国版にユーゲントフィルの記事 [1] が掲載される。
  • 3月23日:第1回定期演奏会を開催。

2008年

2009年

  • 9月24日:東信ジャーナルに「第2回里の秋コンサート」の記事 [3] が掲載される。

2010年

  • 1月31日:第1回室内楽演奏会が開催される。

2011年

2012年

  • 10月5日:東信ジャーナルに「第5回里の秋コンサート」の記事 [5] が掲載される。

2013年

2014年

活動[編集]

定期演奏会[編集]

年に1回、3月に定期演奏会を開催する。曲目はモーツァルトベートーヴェン等の古典派のものから、ラヴェルウォルトン等近現代の作曲家の作品にも積極的に取り組んでいる。2013年に行われた第7回定期演奏会では、団員により管弦楽版に編曲されたドビュッシー亜麻色の髪の乙女を演奏した。これまでに河地良智田中一嘉時任康文三河正典の各師が指揮をとっている。

第5回定期演奏会[編集]

東日本大震災から8日後の2011年3月19日に行われた第5回定期演奏会は、東京電力が当日は計画停電を実施しないと発表した他、会場であっためぐろパーシモンホールの点検による安全確認が取れたこと、会場からも理解を得られたこと、当日の交通網の確保の見通しがついたこと、以上のことから総合的に判断し実施することとなった。当日は577名の聴衆が来場し、チャリティーコンサートとして開催され、ホールホワイエにて募金活動を実施する他全てのチケット売り上げと併せて日本赤十字社を通じて被災地へ寄付された。 開演に先立って行われた追悼演奏では、作曲家の嶋津武仁氏が編曲を手がけたモーツァルトのアヴェ・ヴェルム・コルプスを演奏した。また、リヒャルト・シュトラウスのオーボエ協奏曲では元楽団員の鷹栖美恵子がソリストを務めた。

農村プロジェクト[編集]

普段生のオーケストラに触れられないような山奥の農村へ赴き演奏会を開催する。団員は農家にホームステイし、昼は農作業の手伝い等をして地元住民と交流をはかる他、現地の学校を訪問し中学生との交流や福祉施設への訪問演奏を行う。夜はリハーサルを行い、最終日に受け入れ先をはじめ現地の方々を招いての演奏会「里の秋コンサート」を開く。

  • 創設当初から構想にあった企画で、2008年の始動以降毎年夏に長野県上田市武石地域を訪問しており、信州せいしゅん村の協力によって実現している。
  • 上田市出身の楽団員がいたため、武石地域を訪問する事となった。

福島公演[編集]

東日本大震災被災地への社会貢献を模索する一環として2017年より開始。ソリストやエキストラには福島出身者や現地学生を招聘している。

室内楽演奏会[編集]

年に1回、楽団員と関係者向けに開かれる。アンサンブル力を高め、お互いの音を聴き、お互いを知るというコンセプトで、団の結束力とアンサンブル能力の向上を主眼に置いて行われている。弦楽合奏や吹奏楽をはじめ、四重奏から独奏まで幅広い編成の作品を有志を募り演奏する他、楽団員自作の作品を演奏するなど多種多様な音楽性を持ち寄る場となっている。ここで結成された弦楽四重奏団は定期演奏会にてロビーコンサートを行う他、独立して演奏会を開くなど団内外での活躍が見られる。

その他[編集]

訪問演奏[編集]

東京都内の福祉施設を訪問し、演歌や民謡などを含むプログラムを小編成の演奏で行う。また、よこはま動物園ズーラシア金沢動物園で行われるドリームナイト・アット・ザ・ズーにも定期的に出演。2011年8月には福島県双葉町の方々が避難していた埼玉県加須市にてAUNJクラシックオーケストラと共演し演奏会を行った。

テレビ出演[編集]

2008年8月に日本テレビの24時間テレビ31「愛は地球を救う」誓い〜一番大切な約束〜の中のコーナー「実験の嵐」に出演。ヘリウムガスの中でオーケストラが演奏するとどうなるか、という実験企画で「となりのトトロ」を演奏した。

脚注[編集]

  1. ^ 楽団紹介 - ユーゲント・フィルハーモニカー
  2. ^ 24時間テレビ「実験の嵐」@日本テレビ - ユーゲント・フィルハーモニカー
  3. ^ 2008年 第25回 日本管打楽器コンクール本選結果 - 公益財団法人 日本音楽教育文化振興会
  4. ^ 第6回JTB交流文化賞 受賞作品紹介 - JTB
  5. ^ 2014年 第83回 日本音楽コンクール審査結果 - 日本音楽コンクール

外部リンク[編集]