ポータブル・ロック

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ポータブル・ロック
ジャンル ポップス
ニュー・ウェイヴ[1]
活動期間 1983年 - 1986年2006年2011年2022年
レーベル 徳間ジャパン
メンバー 野宮真貴中原信雄鈴木智文

ポータブル・ロック(portable rock)は1980年代に活動した日本の音楽グループ。

概要[編集]

1981年にソロ・デビューした野宮真貴(後にピチカート・ファイヴに加入)が、彼女のデビュー・コンサートでバックを務めた、中原信雄鈴木智文と共に1982年に結成した音楽ユニット[2]

鈴木さえ子が作曲したシングル曲『春して、恋して、見つめて、キスして』は1986年春にコーセー化粧品のCF曲となったが、セールス的には成功しなかった。

2006年4月15日に新宿LOFTで開催されたムーンライダーズをメインとしたライブで再結成したが、この日の出演がきっかけとなって活動を再開したシネマとは異なり、一夜限りの活動となっている。なおこの日のMCで野宮真貴は「ポータブル・ロック最後の曲です」というべきところを、「ピチカート・ファイヴ最後の曲です」と言い間違い、会場内を大爆笑させた。

2011年には、サエキけんぞうの発案により、『ビギニングス』にボーナス音源を追加し『ビギニングス+5』として再発。ブックレットにはメンバーによるスペシャル対談を収録。再結成ライブも行われた[1]

2012年に発表された野宮真貴のデビュー30周年記念アルバム、『30 〜Greatest Self Covers & More!!!〜』に、未発表音源である「スウィート・ルネッサンス」がボーナス・トラックとして収録されている。

2022年に発表されたベストアルバム『PAST & FUTURE ~My Favorite Portable Rock』に、厳選された既発曲のリマスターバージョンに加え、新曲2曲が収録された。新曲のレコーディングは20年以上ぶりとなる。

影響[編集]

野宮は、幼少期に父が買ってきたカーペンターズセルジオ・メンデスミッシェル・ポルナレフらのレコードの曲をよく歌っていたという[2]。高校時代にはグラムロックキッスに傾倒する[2]。その後バンドを結成し、ギターを担当していたが、プラスチックスのボーカル佐藤チカに憧れてヴォーカルへ転向[2]

メンバー[編集]

  • ボーカル - 野宮真貴
  • ベース - 中原信
  • ギター - 鈴木智文
  • ドラム - 宮田繁男(準メンバー。ほとんど参加せず)

作品[編集]

シングル[編集]

  • Tu Tu/CINEMIC LOVE(1985年10月、徳間ジャパン・JAPAN RECORD、7JAS-44)
  • 春して、恋して、見つめて、キスして/Tu Tu(1986年3月、徳間ジャパン・JAPAN RECORD、7JAS-57)

アルバム[編集]

  • 『陽気な若き水族館員たち』(1983年、徳間ジャパン、2L-06873)- 水族館レーベルオムニバスアルバム。2曲のみ参加。2005年6月再発
  • 『Q.T』(1985年、徳間ジャパン)- 翌1986年、シングル「春して、恋して、見つめて、キスして」を追加収録し『Q.T+1』として再発売
  • 『サウンドマリオブラザーズ』(1986年5月、徳間ジャパン)- 16BIT SCROLLERS名義
  • 『ダンス・ボランティア』(1987年、徳間ジャパン)
  • 『ビギニングス』(1990年9月、ウルトラ・ヴァイヴ)- 未発表曲集
  • 『ゴールデン・ベスト』(2004年11月、徳間ジャパンコミュニケーションズ)
  • 『PAST & FUTURE ~My Favorite Portable Rock』(2022年5月、徳間ジャパンコミュニケーションズ)

タイアップ一覧[編集]

起用年 曲名 タイアップ
1986年 春して、恋して、見つめて、キスして コーセー「ミスティ フェイス」CFソング

出典[編集]

  1. ^ a b ニューウェイヴほぼ30周年祭でポータブル・ロック復活 ”. ナタリー  (2011年8月25日). 2018年10月1日閲覧。
  2. ^ a b c d 中津海麻子 (2015年11月6日). “歌の道あきらめず、ピチカート・ファイヴへ 野宮真貴(前編)”. 朝日新聞デジタル「and women」. 2018年10月1日閲覧。