ペプシマン

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ペプシマンのコスプレイヤー。Anime Central英語版 2005にて撮影。

ペプシマンは、コーラ飲料・ペプシのマスコットキャラクターであり、コンピュータグラフィックスを使った日本オリジナルのキャラクターである[1]

コマーシャル[編集]

1996年3月からテレビCMが放映された[2]。キャラクターの企画を大貫卓也が担当し、コンピュータグラフィックスの制作はアメリカインダストリアル・ライト&マジック(I.L.M.)が担当したが、アメリカでは使用されていない[1]。そのため、日本国外ではあまり知られていなかった[3][注 1]

飲料への首掛け景品ボトルキャップブームを創り出し、オープン懸賞も『2001年宇宙の旅』プレゼント(主催企業の解散により中止、希望者には1000万円の補償金が支払われた)やペプシマンの愛車、シボレー・コルベットのプレゼントなど、話題性の高い懸賞を次々と実施してきた[注 2]


2003年にペプシツイストが発売されると、頭にレモン色のニット帽を首までかぶった形で「ペプシツイストマン」として再登場。さらに女性版といえる「ダイエットペプシツイストウーマン」も登場した[注 3]

なお、サントリー食品インターナショナルは、ニュースサイト「 J-CASTトレンド」の取材に対し、マーケティング戦略の変更により、2000年ごろからペプシマンによる宣伝は展開していないと述べている[6]

キャラクター設定[編集]

公式設定ではNASAが研究していた謎の宇宙金属が意思を持って活動をはじめ、近くにいた研究員が飲んでいたペプシコーラと融合してペプシマンが誕生したとされる[1]。身長 190cm、体重 95kg[1]

弱者を助ける正義のヒーローとして登場し、困った人を助ける為に主にペプシコーラを届けるなどの活躍を見せるが[1]、弱点は「かっこよさが15秒以上続かないこと」[1]で、それにちなむドジでマヌケな面があり、親しみやすいキャラクターとしてCMで表現された。このCMが人気を集め、シリーズ化された。また、ペプシマンのCMは日本のほか韓国でも放送された[1]

当初は胸から下にかけて太い赤のライン、その上にペプシのマークが入ったデザインであったが、パッケージデザインがリニューアルされた1998年からは、左肩から右腹部、及びその下まで青いカラーリングへと変化した。どちらの時も、常に少し大きなチェーンのネックレスをかけており、走ると音を立てて揺れる。

CMの最後に表示される缶は、ペプシマンが最後に陥った状況を反映している。例えば、ペプシマンがスノーボードでジャンプからの着地に失敗し担架で運ばれるバージョンでは、担架に乗せられたペプシマンに似せて、凹んで横たわったペプシコーラの缶が映し出されていた。

メディアミックス[編集]

Web上にて鴻上尚史監修の一般投稿者によるリレー小説が行われ、出版されたことがある。

2005年にはトランスフォーマーとのタイアップにより、「キャンペーン司令官ペプシコンボイ」が登場しているが、「NASAで誕生した、意思を持った金属にコンボイの姿を与えたもの」という設定からペプシマンのモーフィングの形態の1つと思われる。

CDシングル[編集]

  • JAMES&GANG/PEPSI MAN (ZAIN RECORDS、1996年7月22日、1998年7月13日発売)
    • リニューアル前後で発売された。収録曲はリニューアル前はオリジナル+2種類のMIXの3曲、リニューアル後はオリジナル+「FLYING TO THE STARS〜2001年宇宙の旅へ〜」の2曲とそれぞれ異なる収録となっている。

ゲーム[編集]

  • ファイティングバイパーズセガ、1996年8月30日、セガサターン
    • 3D対戦型格闘ゲーム。日本のセガサターン移植版限定のコラボレーション企画で、ペプシマンが隠しキャラクターとして参戦している。
  • ペプシマンKID、1999年3月4日、プレイステーション
    • ペプシマンを主人公に据えた3Dアクションゲームであり、『クラッシュ・バンディクー』のような画面構成で、ゲーム内容は『メトロクロス』に近い。ペプシコーラの宣伝を兼ねており、世界観やストーリーは極めて荒唐無稽。また、ステージ間のデモシーンでは実写ムービーが用いられ、俳優のマイク・バターズ(Mike Butters)がペプシの宣伝をしつつ「なかなかやるね」「TVゲームにはペプシ」などと、プレイヤーに語り掛けるものになっている。

小説[編集]

  • ペプシマン(P.E.P.著、ぶんか社、1996年9月28日、ISBN 4-8211-0523-3

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ なお、2019年にはアメリカの動画配信者The Angry Video Game Nerdが『ペプシマン』のプレイ動画を投稿した[3]ほか、2020年にはヨーロッパのレコード会社Chipped Recordsがゲーム『ペプシマン』のサウンドトラックを発売している[4]
  2. ^ ただし、『宇宙の旅』までの施策については、実際の購買に結びついていないと指摘する声もある[5]
  3. ^ こちらは胸のペプシのロゴ以外はシルバー一色となっており、ペプシマンと同様のチェーンのネックレスをつけている

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g 「テレビじゃわからない“あの人たち”の秘密 『ペプシマン』って、いったい何者なんだろう?」『女性セブン』1997年9月18日号、72頁。
  2. ^ 「ペプシマン」今どうしてる 90年代のテレビCMをにぎわせた銀色ボディー”. J-CAST トレンド (2021年9月9日). 2024年3月2日閲覧。
  3. ^ a b 古嶋誉幸 (2019年5月9日). “『ペプシマン』に怒れるゲームオタクが鉄槌をくだす!「AVGN」最新エピソードはペプシを届ける奇妙で懐かしのヒーローによるアクションゲーム”. 電ファミニコゲーマー – ゲームの面白い記事読んでみない?. 2024年2月17日閲覧。
  4. ^ 「ペプシマン」のアナログレコードが発売。ペプシコーラのCMキャラクターを起用した1999年のPlayStation用ソフトがまさかのサントラ化”. 4Gamer.net. Aetas (2020年10月19日). 2024年2月17日閲覧。
  5. ^ 滝本 2007, p. 66.
  6. ^ 「ペプシマン」今どうしてる 90年代のテレビCMをにぎわせた銀色ボディー”. J-CAST トレンド (2021年9月9日). 2024年3月4日閲覧。

参考文献[編集]

  • 滝本優枝「[1]」『大阪経済法科大学経済学論集』第30巻2・3、2007年3月31日、66頁、ISSN 0386-0329