プログレスMS-02

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プログレスMS-02
Progress MS-02
任務種別国際宇宙ステーションへの補給
運用者ロスコスモス
COSPAR ID2016-022A
SATCAT №41436
特性
宇宙機種別プログレス-MS No.432[1]
製造者RKKエネルギア
任務開始
打ち上げ日2016年3月31日 16:23:57 UTC
ロケットソユーズ 2.1a [2]
打上げ場所バイコヌール宇宙基地 31/6
国際宇宙ステーションのドッキング(捕捉)
ドッキング ズヴェズダ (ISS) 機尾側
ドッキング(捕捉)日 2016年4月2日 17:58 UTC
分離日 2016年10月14日 9:37 UTC
プログレス補給船

プログレスMS-02ロシア語: Прогресс МС-02)はロスコスモスが2016年に国際宇宙ステーション(ISS)の補給のために打ち上げた無人宇宙補給機である。 NASAおよびJAXAではプログレス63または63Pとも呼称される。2016年3月31日に打ち上げられた。

打ち上げ[編集]

プログレスMS-02は2016年3月31日 16:23 UTCにカザフスタンにあるバイコヌール宇宙基地からソユーズ 2.1aロケットで打ち上げられた。

ドッキング・分離[編集]

プログレスMS-02は2016年4月2日 17:58 UTCに国際宇宙ステーションズヴェズダモジュール機尾側にドッキングした。 補給物資や機材を国際宇宙ステーションに搬入したのち、2016年10月14日 9:37 UTCに分離され、約4時間後に太平洋上で大気圏に突入した[3]

貨物[編集]

プログレスMS-02により、第47次長期滞在クルー6名のための補給物資2,425kgが国際宇宙ステーションに運ばれた。内訳は以下の通りである[4]

  • 推進剤:540kg
  • 酸素および空気:47kg
  • 水:420kg
  • スペアパーツ・補給品・実験機材:1,418kg

技術[編集]

プログレス-MS補給船は従来のプログレス補給船から通信機能および電子機器の改善が図られている。プログレス-MS補給船では、対地同期軌道にあるロシアのデータ中継衛星ルチを介して地上の管制局と通信が行えるようになった。これはプログレス補給船やソユーズ宇宙船で初めてのことである[5]

その他に、以下のような改善が行われている。

  • ドッキング誘導システムがクルスAからディジタル化されたクルスNAに更新され、アンテナも変更された。
  • GLONASS を用いた誘導システムによる自律航行が行えるようになった。
  • アナログTVシステムからディジタルTVシステムに更新され、補給船とISSの間で無線伝送ができるようになった。
  • バックアップのディジタル制御ユニットが更新された。
  • 対流星塵シールドが強化された。
  • 新しくLED照明が採用された。
  • 角速度センサが更新された。
  • ドッキングポートにバックアップの電気駆動機構が追加された。

参考文献[編集]

  1. ^ Progress-MS 1 - 8”. Gunter's Space Page. 2016年4月1日閲覧。
  2. ^ Progress-MS 1 - 8”. space.skyrocket.de (2016年4月1日). 2016年4月1日閲覧。
  3. ^ 国際宇宙ステーションへの補給フライト 63P”. JAXA (2016年10月17日). 2017年1月7日閲覧。
  4. ^ Progress MS-02”. Roscosmos (2016年4月1日). 2016年4月1日閲覧。
  5. ^ Zak, Anatoly (2015年12月23日). “Soyuz rocket flies critical test mission with Progress-MS”. russianspaceweb.com. http://www.russianspaceweb.com/progress-ms.html 2016年4月1日閲覧。