ブルーイレヴン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ブルーイレヴン
欧字表記 Blue Eleven[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 栗毛[1]
生誕 2000年4月9日(24歳)[1]
サッカーボーイ[1]
ヘイアンリリー[1]
母の父 シンボリルドルフ[1]
生国 日本の旗 日本北海道門別町[1]
生産者 佐々木牧場[1]
馬主 金子真人ホールディングス(株)[1]
調教師 角居勝彦栗東[1]
競走成績
生涯成績 14戦3勝[1]
獲得賞金 1億4653万6000円[1]
勝ち鞍
GIII 東スポ杯2歳S 2002年
GIII 関屋記念 2004年
テンプレートを表示

ブルーイレヴン(欧字名:Blue Eleven2000年4月9日 - )は、日本競走馬[1]。主な勝ち鞍に2002年東京スポーツ杯2歳ステークス2004年関屋記念

角居勝彦厩舎に初重賞制覇をもたらした馬であるほか、その荒い気性で武豊をしても乗りこなせなかった馬としても知られる[2]

馬名の意味は、「ワールドカップで活躍した日本チームのユニフォーム色より」、すなわちに由来する。

経歴[編集]

競走馬時代[編集]

2002年のひだかトレーニングセールにて、金子真人によって892万5000円で落札される。この馬を管理することになる角居勝彦はまだ厩舎を開業した直後で、この馬を見た第一印象は「ちょっと扱いにくそうだけど走りそうだね」というものであったという[3]

2002年9月8日阪神競馬場第4競走の2歳新馬戦にて、四位洋文を鞍上にデビュー。サクラセンチュリーワンモアチャッターなど後の重賞勝ち馬を相手に、2着に3馬身以上付ける圧勝で勝利した。翌月のデイリー杯2歳ステークス武豊に乗り替わって挑んだもののシルクブラボーに2馬身以上付けられた2着に敗れたが、続く東京スポーツ杯2歳ステークスでは2着タイガーモーションをアタマ差交わして重賞初制覇を果たした。その後、ラジオたんぱ杯2歳ステークスに1番人気で挑むも、掛かったのち内に斜行しザッツザプレンティの7着に敗れ[2]、このレースを最後にこの年のレースを終える。

年が明けた2003年の初戦は京成杯、ここでも1番人気に支持されての出走であったが、レース中に暴走、2コーナーで鞍上の武の指示を無視して急に大逃げを打ち出し[2]、最終的に失速、11着と惨敗してしまった。この暴走癖は当時の角居に矯正することは出来ず、レース後、鞍上の武はブルーイレヴンに対し「この馬は、ぼくには無理だ」というコメントを残した[2]。その後、ブルーイレヴンは全治6ヶ月以上を見込む骨折が判明し[4]、2003年を全休することとなった。

休養が明け、2004年中山金杯より始動した。しかしここでは14着と惨敗。その後5月16日新潟大賞典まで5戦を走ったが、3戦した重賞ではすべて着外に終わるという結果であった。しかし、同月29日の金鯱賞では凄まじい末脚を見せ[2]タップダンスシチーのアタマ差2着となる。そして、京成杯以来の1番人気での参戦となった関屋記念では2着ロードフラッグをクビ差交わし優勝、重賞2勝目を飾った。さらにその後の毎日王冠でも3着となり、復活が期されたが、直後に休養に入り、復帰することのないまま2006年1月18日日本中央競馬会の登録を抹消し現役を引退した[5]

引退後[編集]

引退後はノーザンホースパークで乗馬となった[6]。パークでの気性は現役時代と比べれば穏やかで、カイバを食べる時に馬房の扉を蹴ることがあった程度であった[6]。さらに障害の飛越のセンスがあり、インターハイにも出場した[6]

8月にノーザンホースパークから熊本県熊本農業高校へ、のちに同県の菊池農業高校へ移動[7]。ここに移動後も2014年までは馬術の大会で活躍していた事が確認できる[8]

2022年現在、競走馬のふるさと案内所によれば、繋養先は「道外の乗馬クラブ」となっている[9]

競走成績[編集]

以下の内容は、netkeiba.com[10]およびJBISサーチ[11]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
2002.09.08 阪神 2歳新馬 芝2000m(良) 11 2 2 002.80(2人) 01着 R2:03.5(35.5) -0.6 0四位洋文 53 (ダンツシルヴァー) 496
0000.10.12 京都 デイリー杯2歳S GII 芝1600m(良) 13 7 11 004.60(2人) 02着 R1:34.3(33.9) -0.4 0武豊 55 シルクブラボー 500
0000.11.16 中山 東スポ杯2歳S GIII 芝1800m(良) 8 6 6 001.20(1人) 01着 R1:50.2(35.0) -0.0 0武豊 55 (タイガーモーション) 502
0000.12.21 阪神 ラジオたんぱ杯2歳S GIII 芝2000m(不) 14 7 12 001.40(1人) 07着 R2:06.5(37.1) -2.0 0武豊 55 ザッツザプレンティ 506
2003.01.19 中山 京成杯 GIII 芝2000m(良) 13 8 12 002.50(1人) 11着 R2:05.0(42.0) -3.3 0武豊 57 スズカドリーム 496
2004.01.05 中山 中山金杯 GIII 芝2000m(良) 16 6 12 014.80(8人) 14着 R2:00.9(36.9) -1.7 0横山典弘 54 アサカディフィート 510
0000.02.29 中山 中山記念 GII 芝1800m(良) 14 7 12 060.90(9人) 09着 R1:46.1(34.5) -1.2 0北村宏司 56 サクラプレジデント 498
0000.03.13 阪神 大阪城S OP 芝2000m(良) 16 7 13 004.50(2人) 04着 R1:59.3(34.7) -0.3 0武豊 54 ローマンエンパイア 502
0000.04.04 阪神 産経大阪杯 GII 芝2000m(稍) 11 2 2 053.90(9人) 09着 R2:00.3(35.8) -0.7 0吉田稔 57 ネオユニヴァース 500
0000.04.24 京都 オーストラリアT OP 芝1800m(良) 14 6 9 005.50(3人) 04着 R1:45.2(34.3) -0.2 0吉田稔 56 メジロマイヤー 500
0000.05.16 新潟 新潟大賞典 GIII 芝2000m(稍) 16 3 6 008.10(4人) 07着 R2:00.8(34.4) -0.3 0中舘英二 55 マイネルアムンゼン 506
0000.05.29 中京 金鯱賞 GII 芝2000m(良) 12 5 5 025.30(6人) 02着 R1:57.5(34.4) -0.0 0吉田稔 57 タップダンスシチー 498
0000.08.01 新潟 関屋記念 GIII 芝1600m(良) 15 7 12 002.60(1人) 01着 R1:32.3(33.6) -0.0 0吉田稔 56 (ロードフラッグ) 506
0000.10.10 東京 毎日王冠 GII 芝1800m(稍) 11 6 6 003.80(2人) 03着 R1:46.3(34.1) -0.3 0四位洋文 57 テレグノシス 504

血統表[編集]

ブルーイレヴン血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ファイントップ系
[§ 2]

サッカーボーイ
1985 栃栗毛
父の父
*ディクタス
Dictus
1967 栗毛
Sanctus Fine Top
Sanelta
Doronic Worden
Dulzetta
父の母
ダイナサッシュ
1979 鹿毛
*ノーザンテースト Northern Dancer
Lady Victoria
*ロイヤルサッシュ Princely Gift
Sash of Honour

ヘイアンリリー
1990 鹿毛
シンボリルドルフ
1981 鹿毛
*パーソロン Milesian
Paleo
スイートルナ スピードシンボリ
*ダンスタイム
母の母
エゾノビュテイ
1982 鹿毛
*サンプリンス Princely Gift
Costa Sola
エゾハマナス *ハードリドン
ハナカンザシ
母系(F-No.) エスタブリツシユメント(GB)系(FN:9-b) [§ 3]
5代内の近親交配 Princely Gift 4 x 4 12.50%、Worden 4 x 5 9.38% [§ 4]
出典
  1. ^ [12]
  2. ^ [13]
  3. ^ [12]
  4. ^ [12]


脚注[編集]

注釈[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o ブルーイレヴン”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2022年8月4日閲覧。
  2. ^ a b c d e 角居勝彦調教師 忘れ得ぬ馬、ブルーイレヴンの思い出 - NEWSポストセブン、2022年8月4日閲覧。
  3. ^ [角居勝彦ブログ]未完の大器ブルーイレヴンを振り返る - ウマフリ、2022年8月4日閲覧。
  4. ^ ブルーイレヴンの骨折は全治6カ月以上”. nikkansports.com. 日刊スポーツ (2003年1月23日). 2002年2月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月4日閲覧。
  5. ^ ブルーイレヴンが現役引退 - netkeiba、2022年8月4日閲覧。
  6. ^ a b c 『あの馬は今?ガイド 2006-2007』(流星社) P52
  7. ^ 週刊Gallop 2016年11月20日号 風のたより
  8. ^ 平成26年度熊本県高等学校体育連盟馬術競技新人大会(結果)
  9. ^ ブルーイレヴン | 馬・牧場・施設検索 - 競走馬のふるさと案内所、2022年8月4日閲覧。
  10. ^ ブルーイレヴンの競走成績”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2022年8月4日閲覧。
  11. ^ ブルーイレヴン 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2022年8月4日閲覧。
  12. ^ a b c 血統情報:5代血統表|ブルーイレヴン”. JBISサーチ. 日本軽種馬協会. 2022年8月5日閲覧。
  13. ^ ブルーイレヴンの血統表|競走馬データ”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2022年8月5日閲覧。

外部リンク[編集]