ブリストル バックマスター

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ブリストル バックマスター

ブリストル バックマスターBristol Buckmaster)は、1950年代イギリス空軍で運用された高等練習機である。

設計と開発[編集]

バックマスター T.1(ボスコムダウン空軍基地にて 1945年).

1945年の時点で使用されていたアブロ アンソンエアスピード オックスフォードや複式操縦装置付きのブリストル ブレニムロッキード ハドソンといったいわゆる高等練習機とパイロットが操縦訓練学校卒業後に操縦することとなる第一線機の間には大きな性能格差が生じていた。

航空省要求仕様 T.13/43に応じたブリストル社の機体は[1]、新しく設計された胴体にバッキンガムの主翼を流用したもので、166型として開発された。訓練生と教官は並列に座り、その背後に通信士が搭乗した。

バックマスターは中翼配置のプロペラ双発機であり、尾輪式の引き込み式降着装置を持っていた。星型エンジンには4枚ブレードのプロペラを備えていた。

運用の歴史[編集]

合計65機の生産ライン上にあった未完成のバッキンガム爆撃機が改装されてバックマスターとして完成され、これに新規生産分のバックマスターが追加された。これら全機が類似機のブリンガンド用の練習機として使用されることになった[2][1]。バックマスターは「イギリス空軍内で最も高性能な練習機」として最終的に1950年代半ばに退役するまで練習機として使用され続けた[3]

運用[編集]

イギリスの旗 イギリス

要目[編集]

出典: Jane's Fighting Aircraft of World War II[4]

諸元

性能

  • 超過禁止速度: km/h (kt)
  • 最大速度: 566 km/h (306 kn) 352 mph:12,000 ft (3,700 m)
  • 巡航速度: 530 km/h (282 kn) 325 mph:18,000 ft (5,500 m)
  • 失速速度: km/h (kt)
  • フェリー飛行時航続距離: km (nmi)
  • 航続距離: 3,200 km (1,700 nmi) 2,000 mi
  • 実用上昇限度: m (ft)
  • 巡航高度: 30,000 ft (9,000 m)
  • 上昇率: 11.3 m/s (2,245 ft/min)
  • 離陸滑走距離: m (ft)
  • 着陸滑走距離: m (ft)
  • 翼面荷重: 232 kg2 (47.6 lb/ft2
  • 馬力荷重(プロペラ): 252 kW/kg (0.153 hp/lb)


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関連項目[編集]

出典[編集]

脚注
  1. ^ a b Mondey 1994, p. 70.
  2. ^ Winchester 2005, p. 94.
  3. ^ Winchester 2005, p. 95.
  4. ^ Bridgeman 1946, p. 113.
参考文献
  • Bridgeman, Leonard. "The Bristol 166 Buckmaster." Jane's Fighting Aircraft of World War II. London: Studio, 1946. ISBN 1-85170-493-0.
  • Mondey, David. The Hamlyn Concise Guide to British AIrcraft of World War II. London: Aerospace Publishing Ltd., 1982 (reprint 1994). ISBN 1-85152-668-4.
  • Winchester, Jim. The World's Worst Aircraft: From Pioneering Failures to Multimillion Dollar Disasters. London: Amber Books Ltd., 2005. ISBN 1-904687-34-2.

外部リンク[編集]