フリオ・メデム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
フリオ・メデム
Julio Medem
Julio Medem
本名 フリオ・メデム・ラフォント・サンフアン・メンディサバル
Julio Medem Lafont Sanjuán Mendizabal
生年月日 (1958-10-21) 1958年10月21日(65歳)
出生地 スペインの旗 スペインギプスコア県サン・セバスティアン
国籍 スペインの旗 スペイン
職業 映画監督脚本家
 
受賞
カンヌ国際映画祭
ユース賞
1993年赤いリス
東京国際映画祭
東京ゴールド賞
1992年バカス
ゴヤ賞
新人監督賞
1992年『バカス』
その他の賞
英国映画協会
サザーランド杯

1992年『バカス』
テンプレートを表示

フリオ・メデム(Julio Medem, 1958年10月21日 - )はスペインギプスコア県サン・セバスティアン出身の映画監督脚本家である。

経歴[編集]

1958年にバスク地方ギプスコア県サン・セバスティアンに生まれ、バスク大学で精神医学を学んで医学修士となった[1]。17歳で短編映画の製作を始め、バスク大学在学中には新聞で映画評を書くなどしていた[1]。大学卒業後には本格的に映画界に進出して短編映画を製作し、1992年の長編第1作『バカス』ではゴヤ賞で新人監督賞を受賞し、「イギリスで発表された独創性と創造性が高い映画」に与えられるサザーランド杯を獲得した[1]。1993年の長編第2作『赤いリス』ではカンヌ国際映画祭で高評価を得てスタンリー・キューブリック監督に称賛され、デンヴァー国際映画祭でも特別賞を受賞した[1]

1998年の『アナとオットー』ではゴヤ賞のオリジナル脚本賞にノミネートされ、スペインでは歴代3位の興行成績を記録した[1]。2003年にはバスク地方の伝統的スポーツのペロータ・バスカを扱ったドキュメンタリー映画『バスク・ボール』を撮影し、バスク地方のスペインからの独立やバスク祖国と自由(ETA)によるテロ問題などに触れたことから、様々な立場の人々からの大きな議論を呼ぶこととなった。

2015年にはペネロペ・クルス主演の『あなたのママになるために』を製作し、ゴヤ賞では主演女優賞を含む3部門にノミネートされた。

作風[編集]

『赤いリス』を除く多くの作品では作品中にバスク地方が登場しており、舞台がバスク地方であったり、登場人物がバスク人であることが多い。作品のテーマは悲劇、運命、偶然、愛、競争、情熱などであり、現実とファンタジーのどちらでもない作風が特徴である[2]

監督作品[編集]

受賞[編集]

映画賞[編集]

ゴヤ賞
作品 部門 結果
2011 ローマ、愛の部屋 脚本賞 ノミネート
2005 !Hay motivo! ドキュメンタリー賞 ノミネート
2004 バスク・ボール ドキュメンタリー賞 ノミネート
2000 ルシアとSEX 撮影賞 ノミネート
監督賞 ノミネート
脚本賞 ノミネート
1998 アナとオットー 脚本賞 ノミネート
1997 Tierra 監督賞 ノミネート
1993 バカス 新人監督賞 受賞
脚本賞 ノミネート
サン・ジョルディ賞スペイン語版
作品 部門 結果
1994 赤いリス スペイン映画賞 受賞
1993 バカス Primer trabajo 受賞

映画祭[編集]

カンヌ国際映画祭
作品 部門 結果
1996 Tierra パルム・ドール ノミネート
1993 赤いリス 新人監督賞 受賞
ヴェネツィア国際映画祭
作品 部門 結果
1998 アナとオットー 金獅子賞 ノミネート
マラガ映画祭
作品 部門 結果
2010 功労賞 受賞

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e フリオ・メデム・インタビュー大場正明(映画評論家)公式サイト
  2. ^ フリオ・メデムの人生Enforex

外部リンク[編集]